
支援総額
目標金額 800,000円
- 支援者
- 95人
- 募集終了日
- 2023年3月6日
畑で暮らす黒猫のお話(後日談①)

アクオスの葬儀を終えた日の夜、私はハタケーズへ無事にアクオスを見送ったことを報告しに行きました。
その日はちょうど良くハタケーズが4匹揃って、ご飯を食べにきてくれました。
私はハタケーズがついに4匹まで減ってしまったことに、どこか虚しい気持ちを抱きました。
友人に保護されたミルクはともかく、アクオスを救うことができずに失ってしまったのは、何か取り返しの付かないことをしてしまったように感じられたのです。
私はアクオスが最後の場所に選んだ寝床ボックスをボンヤリと眺めながら、ふと思いつきました。
「アクオスはいつから肺炎で苦しんでいたんだろう?」
寝床ボックスで寝込んでいたアクオスを保護する1週間前は、特にアクオスに異常は見られませんでした。
ともくんと競うようにご飯を食べており、食欲や食事量にも問題はありませんでした。
肺炎で保護する1週間前の姿。
※特定を避けるため画像の一部を加工しています。
つまり、アクオスが肺炎になったのは、私が最後にご飯をあげた日から1週間のうちのどこか、ということになります。
たった1週間の間に、あれほど元気だったアクオスが体調を崩し、そして命を失ってしまったのです。
いったいアクオスが何日間ほど肺炎で苦しんでいたのかは分かりませんが、もし私がもう少し早く見つけてあげられれば、アクオスの命は助かったかもしれません。
「せめて、あと1、2日だけでも早く見つけてあげられれば…」
このことは、家でアクオスのお骨を眺めている時にも感じていた思いでした。
アクオスに体調不良の兆候が無かったので仕方ない面はあるものの、肺炎のように一刻でも早い治療が求められる症状は、いち早く発見してあげることが大切です。
そして、これ以上ハタケーズを無為に失わないためにも、アクオスの時と同じ失敗を繰り返すわけにはいきません。
※特定を避けるため画像の一部を加工しています。
私はこれまで週に1度だったハタケーズのお世話を、週に2度に増やすことに決めました。
もし私が週に2度ハタケーズのお世話に行っていれば、アクオスの肺炎にもう少し早く気づいて命を取り留めることができたはずです。
それからは、1週間のうち週の半ばと週末の2日を使って、ハタケーズのお世話へ出掛けるようになりました。
畑に行くのは相変わらず深夜ですので、週に2度のお世話はかなり身体的に厳しくなってしまいました。
何しろハタケーズのお世話を終えて家に着くのは午前3時を過ぎることがほとんどで、その後はあまり寝る間もなく、朝の8時に仕事へ出掛ける日が週に1度はできてしまうからです。
それでも畑へ週に2度行くことは自分で決めたことですし、何より後悔したくないという思いから、週に2度のハタケーズのお世話を続けました。
※特定を避けるため画像の一部を加工しています。
こうしてアクオスが天国へ旅立ってから、半年ほど経ったある日のことです。
いつも通りにハタケーズのお世話をしていると、畑の隅の草むらに猫っぽい影が見えました。
新しい猫が流れてきたのかもしれないと思い、私は手元にある懐中電灯で照らしてみました。
すると、私の視界に入ってきたのは猫の影ではなく、草むらに佇んでいる黒猫だったのです。
私が近づくと逃げてしまった。
私はその黒猫の様子を確かめようとして近づいてみたところ、黒猫はどこかへ走り去ってしまいました。
おそらく通りすがりの黒猫で、ハタケーズにあげていたご飯の匂いに釣られて畑へ近づいてきたのでしょう。
特にご飯を食べたわけでもありませんし、黒猫が再び畑にやってくることは無いと思われました。
しかし、それからしばらく経ったある日、ハタケーズにご飯をあげようとしたところ、ともくんの隣に例の黒猫が居たのです。
2匹の距離が近くて不思議な感じがした。
猫同士がかなり近い距離に居るということは、それなりに心を許している証拠です。
黒猫はどこかから流れてきた新入りのはずなのに、どうしてともくんと仲良さそうにしているのか、私には理解ができませんでした。
そして、何となく黒猫の顔を懐中電灯で照らしてみたところ、向かって左側に耳カットがあったのです。
私と友人が畑でTNRした黒猫はアクオスだけですので、新入りの黒猫は誰か他の人にTNRされていることになります。
なぜか耳カットがあった。
※特定を避けるため画像の一部を加工しています。
しかし、この地域ではほとんどTNRの習慣は無く、誰かが黒猫をTNRしていることは考えにくいのです。
いったいどういうことなのか…?
この黒猫はどこから来たのか…?
なんでともくんと打ち解けているのか…?
目の前で仲良さそうに過ごすともくんと新入りの黒猫を見ていると、私は頭が混乱してきてしまいました。
どう見ても、ともくんとアクオスが並んでいるようにしか見えないからです。
けれど、アクオスは間違いなく私がお見送りして、お骨は家に安置してあります。
アクオスでないなら、この黒猫は何なのか…?
とりあえず、私はともくんと黒猫にご飯を食べさせました。
さすがに一緒のお皿で食べるほど仲良くはありませんでしたが、近くで食べている姿はハタケーズの一員のように見えます。
まるでともくんとアクオスのように見えた。
この黒猫がどこから来たのかはともかく、去勢が済んでいるならハタケーズとも上手くやってくれるかもしれません。
私はしばらく様子を見ることにしました。
その後、新入りの黒猫は私がお世話にくると必ずご飯を食べに来るようになりました。
そして、黒猫はともくんだけではなく、とんちゃんとも仲良くなっていたのです。
オスなのに気が弱いのかもしれない。
※特定を避けるため画像の一部を加工しています。
私はこの頃から、黒猫に対してひとつの疑念を持つようになっていました。
そして、その疑念を晴らすため、私は11月の中旬になった頃、寝床ボックスの掃除に取り掛かりました。
アクオスが亡くなってから、寝床ボックスの掃除をするのは初めてです。
私は念入りに寝床ボックスを掃除して、中に毛布やタオルを入れてあげました。
そして次の週、私が畑に着くと寝床ボックスの中からはともくんと黒猫が出てきました。
これを見た私は確信しました。
この黒猫は、アクオスの生まれ変わりに間違いありません。
アクオスは天国へ旅立ってからたった半年で、ハタケーズのみんなに会いたくなって天国を脱走してしまったのです。
しかも、ハタケーズにアクオスの生まれ変わりだと気付いてもらうために、ご丁寧に同じ場所に耳カットを入れた黒猫の姿で戻ってきました。
行動まで同じで生まれ変わりに思えた。
現実的に考えればアクオスに良く似た黒猫なのでしょうが、あまりにもアクオスと行動が同じで生まれ変わりにしか見えませんでした。
むしろ、私のアクオスに戻ってきて欲しいという気持ちが、余計に黒猫をアクオスにダブらせているのかもしれません。
しかし、この黒猫はアクオスの生まれ変わりと言っても、本当に通じるくらいに全てが似通っていました。
身体つきこそアクオスより一回り小さめですが、丸い顔、細長い尻尾、右耳のカット、そしてハタケーズと仲良しで寝床ボックスが好き、というところまでアクオスにそっくりです。
ビエラと名付けた。
※特定を避けるため画像の一部を加工しています。
私はこの黒猫に「ビエラ(大画面テレビの名前)」という名前を付け、ハタケーズの一員として見守っていくことにしたのです。
(つづく)
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