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今市事件はえん罪です!再審請求

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プロジェクト本文

今市事件はえん罪です!再審請求

 

井上隆夫(えん罪今市事件・勝又拓哉さんを守る会 会長)

高瀬有史(勝又拓哉さんの弟、えん罪今市事件・勝又拓哉さんを守る会 事務局)

2020年3月に最高裁で有罪(無期懲役)が確定した勝又拓哉さんの再審請求を行います。

 

マンスリーサポーターを募集します!

 

証拠調査費用(現場再現検証、有罪の決め手とされた手紙の心理学鑑定)、その他専門家への意見書作成などに多額の費用(実費)がかかります。 再審請求の新証拠の獲得・旧証拠の分析の活動費用に使用します。

弁護士報酬には使用しません。

 


 

今市事件とは

 

事件発生から約8年後の2014年1月、警察は勝又拓哉さん(台湾生まれ、当時31歳)を商標法違反(偽ブランド品の販売等)、銃刀法違反(ナイフの収集)の疑いで逮捕。同年2月から商標法違反の勾留を利用して殺人の取調べをおこない、殺人の自白をさせ起訴しました。

2016年4月8日、一審の宇都宮地裁は、女児を拉致してわいせつ行為をし、ナイフで刺して殺害したあと遺体を山林に遺棄したとして、無期懲役の判決をします。

2018年8月2日、二審の東京高裁は、自白は信用できないとして一審判決を破棄しました。しかし、殺害日時や場所を広げた訴因変更を認めた上で、情況証拠によって犯行を認められるとして、あらためて無期懲役判決を出しました。

2020年3月4日、最高裁は、上告を棄却しました。

 

最高裁の決定

 

最高裁では、控訴審の問題点が克服されることなく、無期懲役判決が維持されました。

主文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中200日を本刑に算入する。

理由 弁護人一木明ほかの上告趣意のうち、憲法38条2項違反をいう点は、記録を調ベても、被告人の抑留、拘禁が不当に長いものとは認められず、被告人の自白の任意性を疑うべき証跡はないから、前提を欠き、その余は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 よって、同法414条、386条1項3号、刑法21条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

 

東京高裁判決の問題点

 

 

① 自白は信用できないが、やったのは間違いない

 

一審の宇都宮地裁(裁判員裁判)は、「情況証拠のみからは勝又さんの犯人性を認定できないが」、「自白」は「犯人でなければ語ることができない具体性、迫真性がある」として、無期懲役の有罪判決を言い渡しました。

 

二審の東京高裁で、弁護団が提出した法医学者の鑑定書や実験によれば、被害者の遺体にはわずかな血液しか残っておらず、少なくとも1リットルの血液が流れたのに、現場にある被害者の血痕は数滴であったことがわかりました。弁護団の実験から地面に血がしみ込んだ可能性も否定されました。また、遺体に残された創傷が自白の殺害態様と矛盾することも明らかにされました。

高裁判決は弁護団の反証にもとづき、殺害日時、場所、殺害態様の供述部分は信用できないと一審判決を破棄しました。

 

東京高裁は、検察の有罪ストーリーが破綻した以上、無罪判決を言い渡すべきでした。

 

ところが、自白と客観的事実との矛盾については「情状を良くするために虚構を作出した疑いは否定できない」とし、「一連の犯行を行った犯人であることを自認している点では信用できる」として、それを裏付ける証拠も示さず判断しました。

高裁判決は、これまでの冤罪事件の教訓を踏まえて判例が積み上げてきた自白の判断方法に反します。

 

② どうにでも読める「手紙」が有罪の根拠

 

高裁判決は、情況証拠を総合評価すれば勝又さんの犯行を認定できるとしました。その中でも、別件逮捕を利用した身柄拘束中、勝又さんが本件殺人事件を大友検事に「自白」させられた数日後に、母親に宛てた手紙を有罪の決め手と判断しました。

その手紙には、「自分で引き起こした事件」「めいわくをかけてしまい、本当にごめんなさい」などという内容が記載され、検察は情況証拠の一つとして有罪を主張しました。これに対して、弁護側は別件逮捕された商標法違反事件とも読め、本件犯行を示すものではなく多義的に解釈できると反論しました。

 

一審判決は、「手紙の記載内容のみからでは『事件』が何を指すのかは必ずしも明白とはいえない」「この手紙の存在のみでは、被告人の犯人性を直接的に基礎付ける事情とはなり得ない」と、多義的に解釈できると判断しています。高裁の裁判官の勝手な思い込みだけで、無期懲役とされてはたまりません。

 

無実が明らかとなった足利事件の菅家さんが、最初に家族に宛てた手紙も、家族に無実を信じてほしいのか、事件を起こした謝罪の意味なのか多義的に解釈できます。高裁判決は、足利事件や過去の冤罪事件の教訓が全く生かされていません。

 

③ 検察の後出しジャンケン、それを認める裁判所

 

 

東京高裁は、情況証拠が乏しいことに加え、勝又さんの自白の核心部分に信用性もないことが明らかになり、この矛盾を解消し有罪と認定するために、検察に起訴状記載の殺害日時と場所について訴因(審判の対象となる犯罪事実)の変更を促しました。また高裁が、勝又さんの犯人性に固執するあまり、罪となるべき事実から「動機」もなくなりました。

 

刑事裁判にとって、何が罪となる事実なのかが審判の対象です。攻撃防御の対象を明確に特定することは被告人・弁護人の防御権、弁護権を保障するうえで大事な刑事裁判の原則です。しかも、控訴審の事実調べの終盤になっての訴因の変更は「あと出しジャンケン」もいいとこで、とても公正な裁判とは言えません。

 

④ 勝又さんのDNA・指紋など一切検出されず

 

高裁判決は、情況証拠を総合評価すれば勝又さんの犯行を認定できると言います。しかし、勝又さんの無罪方向の情況証拠は総合評価に入れずに切り捨てています。有罪のストーリーに合う証拠だけを集め、不都合な証拠を排除しては正しい結論を導きだすことはできません。高裁の情況証拠の判断は、最高裁判例にも反するものです。

 

勝又さんの「自白」では、当初「強姦した」、その後、「被害者の陰部や胸を触った」「キスをしたり、自分の陰茎を握らせ、射精した」と供述しています。しかし、被害者にはわいせつされた痕跡はありません。「自白」の通りであれば、遺体の髪の毛の中から採取された粘着テープや遺体に付着しているはずの勝又さんのDNA(精液、汗、唾液、皮膚片など)は検出されていません。また、高裁段階で開示された鑑定データからは、捜査関係者でもない第三者のDNAが存在することなどが明らかになっています。

 

ところが高裁は、検察官の「DNAが汚染された可能性がある」という主張を鵜呑みにして、勝又さんの無罪を示す証拠を科学的な根拠もなく排斥しました。

 


 

手紙以外の有罪方向の間接証拠(5点)

(1)Nシステム

 事実認定 

Nシステムによる通行記録等によれば、被告人車両が、平成17年12月2日午前1時50分頃に宇都宮市砥上町の県道宇都宮楡木線(第1地点)を宇都宮市街方向へ、同日午前2時20分頃に同市鐺山町の国道123号線上の特定の地点(第2地点)を芳賀町方向へ走行し、同日午前6時12分頃に同地点を宇都宮市街方向へ、同日午前6時27分頃に同市上御田町の国道121号線上の地点(第3地点)を鹿沼市方向へ、同日午前6時39分頃に第1地点を鹿沼市方向へそれぞれ走行した記録が確認されたことが認められ、これ以外に被告人車両による第2地点の通行記録は同月6日の深夜から朝にかけて通行したもの以外には全く存在せず、上記第1ないし第3地点は、当時の被告人方と遺体発見現場とを結ぶ経路上にあり、被告人方から第1、第2地点を経由した遺体発見現場までの自動車での所要時間は同一時間帯に実施した再現実験において約1時間47分(約78.7キロメートル)であった。

 

 控訴審判決の評価 

被告人が被害者を被告人車両で拉致して、当時の被告人方に運び、いずれかの場所で殺害した上、その遺体を遺体発見現場に投棄した疑いが問題となる本件において、被告人車両のNシステムに示された他の通行記録に照らしても、被告人が日常的に通行するとは認められない経路を深夜から未明の時間帯に走行しいていること、しかも、それらの通行が、日時及び場所のいずれの点でも、被害者が失踪した日の翌日で遺体が発見された日の未明に当時の被告人方と遺体発見現場との間を往復し、その間に遺体を発見現場に遺棄したことと矛盾することなく整合するものであることが被告人の犯人性を推認させる有力な間接事実であることは明らかである。

 

(2)獣毛のミトコンドリアDNA

 事実認定 

遺体の右手拇指基節部には獣毛様のもの1本付着していて、鑑定の結果、猫の毛でDNA型は被告人の本件当時の飼い猫のミトコンドリアDNA型と同一のグループに属すると認められる

 

 控訴審判決の評価 

村上教授の原審証言は、遺体から採取された獣毛様のものが猫の毛であり、これが被告人の飼い猫に由来するものとして矛盾しないという限度で証明力を認めるのが相当というべきである。したがって、本件獣毛と被告人の飼い猫のミトコンドリアDNAの塩基配列が同一であると確認されたことの外、村上教授の570頭のサンプル調査の結果に基づくその型の出現確率が0.53パーセントであったことに依拠して「遺体から採取された獣毛様のものが、被告人の本件当時の飼い猫のものであるとして矛盾がないというに留まらず、これらが一致する確率はその出現確立からみて相当に低く、これが被告人の飼い猫のものである蓋然性は相応に高い」と評価し、ミトコンドリアDNA型の地位的偏在等があるので本件獣毛が被告人の飼い猫に由来するものとは認められないとしつつも、「被告人の飼い猫のものである蓋然性は相応に高い」とする原判決の判断は証明力を慎重に評価すべき村上教授による型分けに基づく出現頻度に依拠している上、同一のDNA型を有する猫の地位的偏在の可能性を適切に踏まえた判断と言えないから是認することはでき(ない)。

 

 

(3)遺体の右頸部の損傷(スタンガン)

 事実認定 

遺体の右頸部に認められた損傷は被告人が当時所持していたスタンガンによって生じたものとして矛盾しない

 

 控訴審判決の評価 

遺体の右頸部にはいずれも3.5センチメートル間隔の2対の損傷が存在したところ、そのような等間隔の2対の損傷が偶然に形成されたことは通常考え難く、その間隔に相当する突起部分を備えた成傷器が2回患部に当てられて形成された蓋然性が高いと考えられ、スタンガンはそのような突起部分を備えている。スタンガンにより形成される傷害について専門的な知識と経験を有すると認められる池田教授の原審証言に基づき、その特徴から損傷がスタンガンの電極部分を当てられて通電されたことにより形成されたものと認めた原判決の判断に不合理なところは認められない。被告人方から押収されたものがスタンガンの箱のみであったことを踏まえても、その箱に入っていたスタンガンを被告人が所持していたこと、加藤克明警察官が入手した本件証拠物のスタンガンは被告人が所持していたものの商品名を変えたものであることに基づき、遺体の右頸部の損傷が被告人所有のスタンガンにより形成されたものとして矛盾しないとした原判決の判断に不合理な点はない。

 

(4)拉致現場所在場所に行ける可能性

 事実認定 

被告人が被害者を拉致された時間帯に拉致現場付近まで自動車で行くことが可能な場所にいた。

 

 控訴審判決の評価 

被告人に犯行の機会があった。

 

(5)不審車両の目撃情報

 事実認定 

被告人車両は、平成4年式の白色4ドアセダン車で、拉致現場で目撃された白色セダン車と同色・同型

 

 控訴審判決の評価 

女児らの目撃供述及び相田の目撃供述を合わせ考えれば、白色4ドア自動車の運転手が被害者を拉致した犯人である可能性は相当に高く、原判決は、その意味で不審車両としているのであるし、その特徴が被告人車両と矛盾しないと判示しているにすぎ(ない)。

 


 

井上隆夫(えん罪今市事件・勝又拓哉さんを守る会 会長)からの挨拶

 

今市事件勝又拓哉さんを守る会の会長をしています井上隆夫です。

 

今市事件の当事者である勝又拓哉さんは、東京高裁で破棄自判の無期懲役の有罪判決を受けた後、2020年3月4日に最高裁で上告が棄却され、千葉刑務所に収監されています。

 

上告棄却の数日前、守る会は、現地調査を行う予定でした。現地調査には、九州大学の豊崎七絵教授も参加される予定で、第1回の現地調査を上回る大きな活動ができるものと期待していました。ところが、コロナ禍の影響でやむを得ず中止にしました。

3月5日、私たちの仲間が、様子を伺いに勝又さんの面会に行ったら上告棄却の決定が届いていると言われました。弁護団への通知よりも先に、上告棄却の連絡が勝又さんに届き、面会の場で突然知らされ衝撃的でした。

 

3月中に、弁護団は、解散しました。コロナ禍で、集会も開くことができなかったので、これまで闘ってくれた弁護団に、オープンの場で御礼を言う機会すらありませんでした。弁護団が解散しても、当事者から「支援を求める声」があり続ける限り、守る会を解散させることはしませんでした。

 

現地調査ができずに最高裁棄却となったときには、無力であると感じるばかりか、活動ができないことに下を向いていました。しかし、守る会は、コロナを経験したことで、桁違いに発信力を強めるとともに、宇都宮市内では毎月街宣行動を行い、全国的にも地元でも、風化させることなく再審弁護団を結成させるところまで来ました。

 

今後も、頑張っていますので、引き続き、今市事件を支援いただけるとうれしく思います。

 

 


 

今市事件再審弁護団事務局

 

〒107-0052

東京都港区赤坂2丁目2番21号

東京合同法律事務所

弁護士 泉澤 章

 

<留意事項>
・ご支援にあたり、利用可能な決済手段はこちらをご覧ください。
・本プロジェクトでは、お1人様1コースへの支援となります。複数コースへのご支援は出来かねますのでご了承ください。
・本プロジェクトでは、毎月の継続的なご支援を募集しています。初回ご支援時に1回目の決済が行われ、翌月以降は毎月10日に決済が行われます。ご支援に関するご質問は、こちらをご覧ください。
・ご支援確定後の返金は、ご対応致しかねますので何卒ご了承ください。翌月以降のキャンセル(解約)については、こちらをご覧ください。
・コースを途中で変更することはできません。お手数をおかけしますが、一度支援を解約していただき、ご希望のコースに改めてご支援ください。支援の解約方法は、こちらをご覧ください。
・ ご支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。

 

寄付金が充てられる事業活動の責任者:
井上隆夫(えん罪今市事件・勝又拓哉さんを守る会)
団体の活動開始年月日:
2017年9月16日
団体の役職員数:
5〜9人

活動実績の概要

(目的) 会は、えん罪今市事件の支援を広げ、勝又拓哉さんを励まし、無罪判決を勝ち取ることを目的とします。 (活動)会は、上記目的を達成する下記の活動をします。 ①学習会、集会、宣伝等を通じ、本件がえん罪であることを広く訴えます。 ② 署名、要請行動に取り組み、再審開始を求め、無罪判決を裁判所に求めます。 ③ 会員を増やし、支援運動に参加する人を募ります。

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