万葉115系の使命と"車是"「走行以外現役同等」

 

万葉温泉鉄道車両事業部の利根川です。

今回は万葉温泉の115系電車は今後どのように活用されるか、ご紹介致します。

 

弊社はもともと地域住民が毎日利用できる"公衆浴場"の日帰り温泉として、様々な趣向を凝らしながら約60年にわたって運営を行ってきました。

しかし時代はコロナ禍になり、弊社温泉施設、また温泉街である「戸倉上山田温泉」自体への来訪者が減少しました。

 

その中で、いずれ迎えるアフターコロナに向けて少しでも明るい話題をということで鉄道車両を利用した新事業の計画を行いました。

それには公衆浴場という「日常」の中に"電車"がある「非日常」によって、より楽しい「日常」を体験頂きたいという思いがあります。

また地元のみならず、県外からお越しの観光客の皆様にも是非戸倉上山田温泉の旅館・ホテルに宿泊、万葉温泉にもご入浴頂きこの115系も楽しんで頂きたいというのが私どもの目標です。

 

 

本日、万葉温泉がある千曲市の小川市長にご挨拶致しました。

10/9(日)に開催された鉄道フェスタの報告、また万葉温泉の115系を活用し、今後地域活性化に向けて様々な施策を講じる為にご協力賜りたく打ち合わせさせて頂きました。

万葉温泉の115系は既に単なる「保存車両」の域を超え、「地域の活性化」という役目を担っています。

 

そしてその役目を担う115系にも社是ならぬ"車是"があります。

それは

「走行以外現役同等」です。

万葉温泉の115系では全国の保存車両の中では極めて珍しい、走行する以外の機能、例えばドアの開閉、車掌さんが喋る放送装置、空気ブレーキ装置、室内灯、etc・・・

様々な機能が現役時代同様に作動するように復元しています。

実車図面より車両構造や電気回路、空気回路を細かく研究し、できる限りオリジナルの車両機能を活用・維持し、走行する以外はできる限り現役時代の車両機能を活かす…というのが目標です。

それだけではなく、今回クラウドファンディング後の車体修繕は「現役の115系車両の整備実績がある」会社様に打診をしております。

実際に現役の115系整備に関するノウハウを持っていることから、車是として掲げる「現役同等」という目標にも合致します。

 

細かい所にはなりますが、先日車内2箇所に消火器を設置しました。

こちらも実際の鉄道車両で使用される専用消火器の新品となります。

細かい部品一つとっても現役の車両と近づけてなるべく妥協しない、それが

「走行以外現役同等」

という"車是"です。

 

しかしこの車是を維持するためには費用面でも限界があります。

町おこし・地域活性化のために、またこの115系車両が現役時代の姿や機能を維持するために、

是非ともご支援賜りますようお願い申し上げます。