一人でも多くの難民に~日本での生活を支えるために継続的な支援を
一人でも多くの難民に~日本での生活を支えるために継続的な支援を
このプロジェクトでの支援募集は終了しました。
累計支援者
23人
このプロジェクトでの支援募集は終了しました。

    https://readyfor.jp/projects/aar_refugees_jp?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2022年12月14日 16:32

来日ウクライナ避難民の今:直面する新たな課題

ロシアのウクライナ軍事侵攻が始まって約10カ月、日本に来たウクライナ避難民の方々は、うつ病、住まいや身元保証人とのトラブルなど、新たな問題にぶつかっています。AAR Japan[難民を助ける会]は年明けから、難民・避難民の方々を支え続ける「生活相談プログラム」を始めます。開始を前に、ウクライナ避難民で、心理療法士の資格を持つオリガ・ジュラベルさんにお話を聞きました。日本の皆さんへのビデオメッセージもお届けします。

 

 

カウンセリング 時には深夜1時まで


ジュラベルさんはウクライナで心理療法士として6年のキャリアがあり、今年3月にお子さんのために日本に避難して来ました。現在は支援団体などで、来日ウクライナ避難民のカウンセリングや相談窓口の担当として、たくさんの方の悩みに接しています。今、ウクライナ避難民の方々が直面している問題について、聞いてみました。週に4日、午後6時からオンラインで行っているカウンセリングでは、相談が深夜1時に及ぶこともあるほど、様々な課題が出てきているそうです。

 

ジュラベルさんは、来日ウクライナ避難者は三つのタイプに分けられるといいます。一つ目は、自分たちの安全のために、とにかくウクライナを出て日本に来た人々。母親と子ども、高齢者が多く、最も多く支援を必要とします。二つ目は、避難が目的だが、以前から海外で暮らすことを検討していた人々。比較的若く、日本語の勉強に熱心で、初期の支援だけでいずれ自力でやっていける人々だと言います。三つ目はビジネス目的で来日し、本来支援は必要ない人々。単身者が多く、日本語の勉強にも熱心でないそうです。


「一つ目、二つ目のグループには『住み慣れた家がなくなってしまった』『家族と離れ離れになった』という喪失感や、戦争の恐怖などの深い傷を持つ人が多く、精神的なサポートが必要です。特に問題なのは、自分の傷に気づかず、自分は大丈夫だと思い込んでいる人です」と指摘します。

 

家具のないがらんとした部屋で


ジュラベルさんが受けた相談の中で、多いのは住まいの問題だそうです。「受け入れ自治体によって、家具付きの住宅が提供される場合と、家具付きでない場合があります。最近は家具付きではないことが増え、家具を買う余裕がない人は、がらんとした部屋で『どうして自分は家具がもらえないの』『また移動させられるのではないか』などのストレスを抱えています」。

 

提供されたアパートが雨漏りし、カビも生えていて「ぜんそくの子がいるので引っ越したい」と相談したら、「住まいは自分で探し、家賃も自費で負担して下さい」と言われた例もあり、ジュラベルさんは「住宅が提供される際、事前に部屋を確認したり、写真を見たりできないため、入居後にしばしばトラブルが発生しています」と話します。

 

誰とも話せず、うつ病に


希望する地域に住宅が見付からず、ホテルに住み続けている人もいるそうです。すでにウクライナ避難民が入居している公営住宅や、その近くに住みたいと希望する人が多いからです。「ある単身者の人は、待ちきれずに地方に引っ越して行きました。最初は良かったようですが、周囲にウクライナ語やロシア語を話せる人が全くいず、数カ月でうつ病になってしまった。他にも似た例があります」とジュラベルさん。


ごく少数ですが、ウクライナから犬や猫などのペットを連れて避難して来た人もいます。しかし、日本の住宅の多くではペットは禁止。自治体の担当者から「シェルターに預けなさい」と言われて困りきっている人、どうしても手放せず、こっそり飼っている人もいるようです。「ペットを大切にし、家族の一員だと思っている人たちには、精神的に大きな悩みとなっています」と話します。

 

子どもたちにもっと日本語授業を


ジュラベルさんが特に解決を急いだ方がいいと考える課題は、日本語教育の問題です。

 

多くの小学校の場合、日本語の授業は1週間に数時間。しかも、日本に来た時期も、母語も異なる、日本語のレベルが違う子どもたちが一緒に授業を受けています。ジュラベルさんは「特にウクライナ人の場合は、急に避難してきたので親も日本語が分からず、子どもを手助けすることができません。

 

子どもたちは言葉が分からないので、クラスで孤立してしまう。より手厚い日本語の指導が必要です」と力を込めます。ほかに、お年寄り向けの学習の進み方がゆっくりした日本語教室や、就職面接の時のやり取りなどを教える就職のための日本語教室を求める声があるそうです。

 

身元保証人とのトラブル多発


「支援金を横取りされた」「保証人が自分の知らない間に周囲に募金を求めていた」など身元保証人とトラブルも多発しています。身元保証人には何ができて、何ができない、やっていいこと、いけないことなどがウクライナ避難民にも、身元保証人自身にもよく分かっていず、混乱が生じているようです。

 

ウクライナ危機では、子どもと母親だけで避難するケースが多いのですが、ある女性が「子どもが病気になった時、面倒をみてくれる人が見つからず、仕事に行けなくて困っている」と市役所の担当者に相談したところ、「身元保証人に頼んだら」と言われたそうです。身元保証人は近くに住んでいるとは限りませんし、そもそもひとり親家庭への支援が乏しいのではと思わせる事例です。

 

ほかにも、外出時に携帯する必要がある書類はどれか▼子どもは何歳から家で一人で留守番させていいのか▼タバコはどこで吸っていいのか▼電車の駅や路上で見知らぬ男性がいきなり体をぶつけて来るなど、痴漢のような行為への対応に悩む女性もいるそうです。ジュラベルさんは「法律の専門家による相談窓口を求める声もあります」と付け加えました。

 

最後に、ジュラベルさん自身が、あったらうれしいなと思っている支援について聞いてみました。「日本人の子どもたちと一緒でも、そうでなくてもいいのですが、ウクライナ人の子どもを土日のキャンプや、子どもが楽しめる公園に連れて行く催しがあれば、子どものストレス解消にもなるし、両親も休めると思います。日本のみなさんにはこれまでにも様々な支援をいただき、とてもありがたく思っています。改めてお礼を言いたいです」と最後は明るい笑顔を見せてくれました。

 

ジュラベルさんの話からも、避難生活が長引くと直面する課題が変化し、複雑になっていくのが分かります。こうした課題に個別に対応するため、AARは「生活相談プログラム」(仮称)を2023年1月から開始いたします。私たちと一緒にご支援いただきますよう、お願い申し上げます。

コース

1,000円 / 月

毎月

alt

毎月1,000円応援コース

・感謝のメッセージをお送りします。
・会報(季刊誌・年4回発行)と年次報告書(年1回)をお届けします(希望者のみ)当会の活動を詳しくご覧いただけます。
・メールマガジンをお届けします(希望者のみ)当会の活動やイベント情報などをお届けします。
・寄付金受領証明証(領収書)をお送りします(希望者のみ。1月に前年分をまとめて送付します)

2,000円 / 月

毎月

alt

毎月2,000円応援コース

・会報(季刊誌・年4回発行)と年次報告書(年1回)をお届けします(希望者のみ)当会の活動を詳しくご覧いただけます。
・メールマガジンをお届けします(希望者のみ)当会の活動やイベント情報などをお届けします。
・寄付金受領証明証(領収書)をお送りします(希望者のみ。1月に前年分をまとめて送付します)

1,000円 / 月

毎月

alt

毎月1,000円応援コース

・感謝のメッセージをお送りします。
・会報(季刊誌・年4回発行)と年次報告書(年1回)をお届けします(希望者のみ)当会の活動を詳しくご覧いただけます。
・メールマガジンをお届けします(希望者のみ)当会の活動やイベント情報などをお届けします。
・寄付金受領証明証(領収書)をお送りします(希望者のみ。1月に前年分をまとめて送付します)

2,000円 / 月

毎月

alt

毎月2,000円応援コース

・会報(季刊誌・年4回発行)と年次報告書(年1回)をお届けします(希望者のみ)当会の活動を詳しくご覧いただけます。
・メールマガジンをお届けします(希望者のみ)当会の活動やイベント情報などをお届けします。
・寄付金受領証明証(領収書)をお送りします(希望者のみ。1月に前年分をまとめて送付します)

1 ~ 1/ 8

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る