「殺処分ゼロ」についてのお問い合わせ

青い鳥で表明しております「防府市での殺処分ゼロ」は事実と異なるのではないか？とのご質問が寄せられましたのでお答えします。

 

これは、殺処分ゼロを表明している他の自治体と同じ条件で表明しており、偽りではないと認識しております。以下にその根拠を述べます。

 

〇殺処分ゼロの根拠

環境省の統計により、わが国におきましても年々殺処分数が低下していることはご存知の通りです。

そして「殺処分ゼロ」を達成した自治体として次が上げられています。＊令和３年 民間調べ

（犬猫の殺処分ゼロ）

・東京都 ・茨城県 ・神奈川県横浜市 ・北海道札幌市 ・奈良県奈良市・福岡県福岡市 ・熊本県熊本市

（犬のみ殺処分ゼロ）

・神奈川県川崎市 ・愛知県名古屋市 ・沖縄県那覇市 ・沖縄県宮古島市

 

ご指摘はこの中に防府市が含まれていない、ということかと思いますが、環境省の動物愛護管理行政事務要諦の「殺処分数の分類」（つまり何を殺処分にカウントするか）によりますと、

 

①  譲渡することが適切ではない

（治癒の見込みがない病気や攻撃性がある等）

②  ①以外の殺処分（譲渡先の確保や適切な飼養管理が困難）

③  引き取り後の死亡

 

③が何故殺処分になるのか不明ですが、保健所で扱った犬猫のうち、譲渡（動物愛護団体も含む）または動物愛護センター等で飼育されているものを除いて、死亡したものは全て殺処分にカウントされる、ということだと思います。

 

このうち「殺処分ゼロ達成」とされる自治体は、②のみを集計したものです。つまり保健所等で「治療の見込みがない病気や攻撃性がある」と判断された犬猫は除外されますが、防府保健所では公開されず青い鳥も把握することができません。

 

しかし私たちは「山口健康福祉センター防府保健部（防府保健所）」より②の譲渡対象で期限内に残った子は、どんな病気や怪我を負っていても全て引き取っています。またそれをご存知の市民からは直接青い鳥に引き取り要請が来るケースが増えています。

 

同省の統計データには、各自治体毎の数値が示されていますが、全ての自治体ではなく、例えば山口県には９の保健所がありますが、山口県全体と下関市（下関市立下関保健所）のデータしか表示されていません。

 

これは防府保健所が県による設置（＊保健所には都道府県の設置する保健所と市や特別区が設置する保健所とがあり、防府保健所は県の設置）だからです。防府保健所も他の行政地域と同様②による殺処分ゼロが該当しますが、犬猫等の扱い数は県単位でカウントされるので、単独の発表は控えているものと思われます。

 

しかし、防府保健所とのやり取りで、殺処分ゼロに関しては、最初に殺処分ゼロを達成してからの９年半、歴代の課長３名様とお話ししていますが、どなたからも「SNSで殺処分ゼロと言って良い｣と言われており、現在の所長からも「命を処分場に送らなくて済むことをとても感謝している」とのお言葉を賜っております。

また「譲渡対象の犬猫の殺処分ゼロ」と付け加えたほうが誤解が少ないのではないか、との助言もいただきました。

しかし、環境省で定める①～③の分類は一般の方には分かりにくく、また①の実数が把握困難なこともあり、触れずにおきました。

そうした省庁の細かい要諦よりも、動物愛護後進国と非難されるこの国で、何よりも大切なのは、殺処分ゼロの方向に市民の意識を向かわせ、１匹でも多く命を救う機運を高めるために、「殺処分ゼロ」を宣言することのほうがずっと大切だと思っております。それは私たちの心の励みにもなっております。

 

どうかご理解賜りますようお願い申し上げます。