過去のブリーダーレスキューの哀しい思い出

先日、スタッフ小野多美子が繁殖業界のことを書いていたので、今回は私が経験したブリーダーレスキューのことを書かせて下さい。

 

 

今から約7年前、ラブラドールを2頭レスキューしました。

 

ガリガリに痩せた正気のないイエローラブの男の子

と

異様なまでに太らせてあるチョコラブの女の子

 

 

イエローラブの男の子は屋根もない外の端に繋がれていたそうで、フィラリアは陽性。

何より正気が感じられない。

ガリガリでボロボロ。

チョコラブの女の子は46キロもあり（35キロまで落としました）ヒートの度に出産させられていただろう地面につきお腹の皮の弛みに、湾曲した背骨。

 

男の子は繁殖期だけ使えればいいので死なない程度に餌を与えればいいと、

そして、このチョコラブの女の子は沢山沢山産ませて、そこからこの確率の低いチョコレートカラーを出す為だけに生かされていました。

 

 

保護をし、まるで仔犬のように目にするもの全てに興味を示す姿に胸が苦しくなりました。

 

そして、イエローラブの男の子は筋無力症を患い、たった4ヶ月で旅立ちました。

彼の犬生で自由だったのは僅か120日でした。

 

チョコラブの女の子は、約3年後に旅立ちました。

彼に比べれば、ちょっとだけ長い時間でしたが、この仔の死因は炎症性乳癌。

商売道具とされていた出産で必要とする部位を患い亡くなりました。

 

 

 

彼らは道具でも何でもなく血が通った感情のある、そして時に誰かを想いやることもする尊い存在です。

 

このような仔たちがいなくなるような社会の仕組みを作り上げていくことも、またこれから先、大きな課題ではないかと思います。