169年前の今日（旧暦）

ちょうど169年前の嘉永2年(1849)11月7日、洪庵らによって大坂除痘館の活動が始まりました。除痘館は種痘と呼ばれる天然痘予防のワクチン接種を行う施設で、ここから西日本を中心に種痘が普及していきました。天然痘（疱瘡）は致死率の高い病気で、命が助かっても顔に「あばた」が残る恐ろしい病気でした。戦国大名の伊達政宗が右目を失った原因も、この病気です。種痘はイギリス人のジェンナーが開発した予防法で、ワクチン療法の先駆けとなりました。1980年にWHOが天然痘の根絶を宣言し、日本ではその4年前から種痘は中止されています。そのため免疫を持たない世代が増え、天然痘ウイルスの生物兵器への応用が危惧されており、今なお人類にとっては脅威であり続けています。

なお洪庵の種痘事業、除痘館の活動については、緒方洪庵記念財団　除痘館記念資料室にて詳しく知ることができます。

http://www.klinik-ogata.or.jp/ogata_building/floor/4f-01html.html