ウクライナの人々とともに 海外事業担当報告その２

 

   IVYは、現地でウクライナの病院関係者・地域の人々と調整しながら、事業を進めています。今日は皆様のご寄付で実施させていただいている医薬品・機材支援活動の現在の状況についてご報告します。

 

▪️医薬品支援のために行政機関からの支援実施許可を取得しました。

 

   医薬品は人々の健康に影響するため、不足しているからといって許可なく配布はできず、医薬品購入前に行政手続きをしなくてはなりません。そこで、スロバキア保健省・ウクライナ保健省からの支援実施許可を取得し、医薬品購入に必要な書類を揃えました。適切な手順を踏むことで、一人ひとりの命を守るための支援が可能となります。

 

▪️ウクライナ人医師・行政との調整の上で支援する医薬品・機材の選定します。

 

   ４月下旬から５月初旬に、それぞれの病院で何が不足しているのかを調査し、支援する医薬品・機材の選定をします。その他、他の医療NGO・医療行政局とも調整し、ニーズが高い医薬品を適切なタイミングで支援できるよう役割分担をします。

 

   難病やがんの方が多い病院、慢性疾患の方が多く訪れている病院、東部・南部で負傷した避難者が受診するケースが多い病院など、それぞれで必要とされる医薬品や資材、消耗品が違ってきますので、貴重な支援物資を無駄にしないためにも、医療専門家による事前の調査が欠かせません。

調査後、どの病院に何をどのくらい配るのかを決めます。そしていよいよ配布となります。

 

 

▪️負傷者のケアを休むことなく続けている医師、看護師

 

   東部のドンバス地方で負傷した市民が、IVYが支援する予定のリヴィウの病院で治療を受けています。住んでいたアパートのベランダが空爆され全身を負傷し、移送されたリヴィウの病院で手術を受けた女性もいます。大人だけでなく子どもの負傷者も多く、病院の医師たちは３週間以上休むことなく、負傷者のケアを続けています。

 

   現在、西部の病院では、他地域で負傷した患者も受け入れているため、医師・看護師は普段より何倍も緊張を強いられながら治療に取り組んでいます。そして、外傷や病気を治療するというだけでなく、傷ついた方々とそのご家族の心の状態にも配慮してくださっています。

 

▪️ウクライナの方々に寄り添うこと

 

   こういった深刻な状況の中で、私たちができることは限られているかもしれません。でも、提携団体の方々からは、小さな支援であってもいいので、ウクライナのことをこれからも長く支えて、大切にして欲しいと言われました。

 

   一時的でなく、中長期に応援してくれる人たちが何よりも大切だという言葉を心に刻み、ウクライナとスロバキアの市民、そして、ウクライナ人の医師、スロバキア医療専門団体であるSTEP-INと共に、IVYは、ウクライナの平和を願いながら、この事業を通じてウクライナの人々に貢献したいと考えています。

 

（写真提供　STEP-IN）

 

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

認定NPO法人　IVY

尾立素子　海外事業担当