海外でタヌキは未知の動物！？

タヌキと言えば、『かちかち山』や『ぶんぶく茶釜』といった日本昔話、『げんこつやまのたぬきさん』、『あんたがたどこさ』のような動揺にもよく登場する、昔から日本人にとって馴染み深い動物です。

そんなタヌキですが、実は『エゾタヌキ』と『ホンドタヌキ』は日本の固有種であるという学術発表もあり、海外ではあまり知られていない、希少な動物として扱われているということを皆さんはご存知でしょうか？

以前から、『タヌキは海外では珍しい』ということは私達も知っていたのですが、実際にどうなのか、JWCで調査を行ったことがありました。

その結果、アメリカ人では10人中8人が、スペイン人は10人中9人が知らないと回答し、「タヌキという言葉自体、初めて聞いた」という声もありました。

また、知っていると答えた方は日本に来たことがある方のみで、その中にはタヌキが好きすぎて『信楽焼の狸』のタトゥーを入れている方もいらっしゃいました。

さらに、日本の大学に留学に来ているベトナム人、オーストリア人、ネパール人の学生さんにタヌキの画像を見せたところ、「アニメや漫画では見たことがあるけど、本物は初めて見た」「自分は日本で見たことあるけど、ヨーロッパに住む人は見たことないんじゃないかな」「凄く可愛い！ ところで、どうしてこの子は頭に葉っぱを乗せているの？」といった反応が返ってきました。日本人にとって、頭に葉っぱを乗せて、何かに化けようとしているタヌキの姿は比較的ポピュラーですが、それも海外の方にとっては疑問に思うポイントだったようです。

他にも、2018年にはヨーロッパでは順番待ち、日本では飼育不可のといわれていた“世界三大珍獣”のコビトカバが、シンガポール動物園から「タヌキと交換ならば」ということで交渉が成立したこともあります。シンガポールに引き取られたタヌキは、日本でいうところのパンダ並みの人気を博し、一目見ようと長蛇の列ができたそうです。

このように、日本人にとって当たり前の存在であるタヌキも、海外の方にとってはとても希少な動物なのです。タヌキだけでなく、日本には素晴らしい動物がたくさんいます。世界に誇れる日本の野生動物の存在を知っていただき、ぜひ皆さんと一緒に守っていけたら、と考えています。