第63回科学技術映像祭　入選作品のご紹介

第63回科学技術映像祭の応募状況の特徴は、インターネット配信用の動画の多数が応募あったことでした。アマチュアの方の作品はもとより、従来TV制作を行っていた会社が、TVクオリティーで製作した作品が32本集まりました。昨年が18本でしたので倍増に近い本数です。この影響もあり、総応募数も、50機関（前回34機関）、78本（同65本）の応募となり、素晴らしい作品が多いだけに選奨に苦慮することとなりました。入選作品は下記の表をご覧ください。

入選作品の中で特に印象深かったのは、内閣総理大臣賞受賞した「ＮＨＫスペシャル タモリ×山中伸弥 超人たちの人体　～アスリート 限界への挑戦～」です。本作品は最先端の撮影技術を駆使して、超人アスリートの人体の神秘を解明していきます。特筆すべきは、全身のMRI画像を合成する「シネマティックレンダリング」と呼ばれる最新の技術を用いて、人類最速の男ウサイン・ボルト選手等の体を、筋肉から血管の一本に至るまで３DCGとして再現したことです。トップアスリートの精緻な体の構造を視覚化し、優れた運動能力の秘密を明らかにする姿は圧巻です。また単に科学的に人体を解析するだけでなく、人の意志の力や今日的なジェンダーの問題なども盛り込まれていることから、深く考えさせられる作品でした。

作品集PDF URL：http://ppd.jsf.or.jp/filmfest/63/pdf/63sakuhin.pdf