地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ
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地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ 2枚目
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支援総額

916,025,000

目標金額 100,000,000円

支援者
56,584人
募集終了日
2023年11月5日

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2023年09月11日 17:00

かはくの偏愛研究室|file.01 坂上和弘先生が語る、人骨・ミイラへの愛

毎週木曜19:00〜19:30に放送中の、クラウドファンディング特別企画「かはくの偏愛研究室」。

 

かはくに所属するさまざまな分野の研究者が登場し、かはくに収容されている約500万点のコレクションの中から、自身の「推しコレクション」をご紹介。資料への愛を語るYouTube番組です。

 

本記事では、配信の内容を一部抜粋してご紹介します。

 

※配信内容は、YouTubeからアーカイブ視聴も可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=sqELUKpCyRs&list=PL38SvBUmO1PemC1tsNtni7pCywLwAMoyl

 

編集:READYFOR かはく担当キュレーターチーム

 


 

 

第一回目のゲスト研究員は、人類研究部グループ長の坂上和弘(さかうえかずひろ)先生です。

 

 

かはくの偏愛研究室|file.01:人骨・ミイラが好きすぎる先生

ゲスト研究員:坂上和弘(国立科学博物館 人類研究部 人類研究史グループ長)
MC:中村くみの(上野地区施設貸与担当)

profile
坂上和弘(さかうえかずひろ)
専門は形質人類学・法医人類学で、日本人の変遷、ミイラ、復顔の分野の第一人者。最近では、特別展「毒」の監修など多くの企画展や特別展で監修や監修協力を行っている。人類学の多様な調査研究について遺骨などから多角的な視点で研究している。


※本記事には、標本の頭骨が映った画像が掲載されています。ご覧にあたってはご注意ください。


 

すごくフツーの「江戸時代の男性の頭の骨」

 

――今回は、どのようなコレクションをピックアップしていただいたのでしょうか?

 

坂上:今回お持ちした標本は、ずばり「江戸時代の男性の頭の骨」です。この骨は、池之端七軒町遺跡から出土した骨で、これといってユニークな特徴があるわけではないのですが、重要な意味を持つ頭の骨と言えます。

 

 

というのも実はこの骨、江戸時代庶民男性の一番平均に近い頭の骨なんです。当館では、江戸時代の人骨を1万体以上収集していますが、その収集した1万体の中で最も平均に近い方が、この方です。つまり、江戸時代の庶民男性のいわばオーソドックスな、普通の顔(の男性の頭骨)とも言えます。

 

――先生が感じるこの頭骨の魅力的なポイントを教えてください。

 

坂上:この頭の骨は、何か特殊な病気が見られるわけでも、刀で切られたような痕跡があるわけでもありません。骨の形から言うと、すごくオーソドックスというか、普通の江戸時代の庶民の形を示しています。

 

 

普通と言うと分かりにくいかもしれませんが、たくさんの中からどの人が一番その時代を代表する人なのかを考える場合には、当然ながらたくさんの人の頭の骨を調べる必要があります。


例えば、江戸時代の遺跡から出てきた頭の骨のいろんな箇所を測ります。たくさん測った上で、多変量解析(※)という手法で、この人は江戸時代の人のなかでどこに位置するのかというプロット図を作成します。この図のたくさんある緑色の点のグループ(=町人)の一番中心にあたる方が、今回お持ちした標本の方ということが分かります。

 

このように、たくさんある中で「普通が分かる」ということが、極めて尊いと私は考えています。

 

※多変量解析:複数のデータ(変数や変量)の相互関連性を分析し、データを要約・予測するための分析手法。データの分散を用いて平均値を分析する際に活用されています。

 

 

復顔像から見えてくるもの

 

――そんな坂上先生の研究の裏話をお聞かせください。

 

坂上:骨の展示をすると「骨が並んでいてもよくわからない」というご意見をいただくことが多いです。そこで我々は、頭の骨から復顔像というものを作ります。

今回ご紹介した頭の骨、池之端七軒町遺跡の「6/162/B5(=発掘時の番号)」の頭の骨を参考に復元されたのが、この顔の像です。

 

 

おじさんの顔の前におじさんの顔があるという、ちょっとユニークな絵面ですが(笑)。
この像を作ることによって「当時の人たちがどういう顔をしていたのか?」「江戸時代の極めて普通の人の顔はどういった顔だったのか?」ということを、ビジュアルで皆さんにご理解いただけるのではないかと思っています。

 

――(視聴者の方からの)コメントで「復顔像に名前をつけますか?」と質問があります。標本に名前をつけることもあるのでしょうか?

 

坂上:基本的には、発掘時の番号から名前を変えてしまうと混乱が生じてしまうので、なるべく変えないようにはしています。ただ、愛称という形で、この方に関しては私個人としては「りょうさん」と呼んでいるんですね(笑)。非常に有名な某漫画作品の主人公になんとなく似てるなぁと。

 

――ありがとうございます(笑)。この方は、先ほどの男性の頭骨を復元したということですよね?

 

坂上:はい。(復顔像の)鼻根部の膨らみ方や出っ張り方を骨と並べて比較していただくと、似てるというのがご理解いただけると思います。

そもそも復顔像というのは、頭骨のレプリカを作って、そこから表情筋とか咀嚼筋という筋肉を復元します。そのあと、皮膚の厚さの平均値に基づいて顔を作っていくという、非常に精緻なことをやっております。

 

――坂上先生が自ら復元することはあるのでしょうか?

 

坂上:残念ながら、私は美術の才能がゼロに近い人間でして(笑)。復顔士と組んで、江戸時代の標準的な普通の顔を、データに基づいて復元している...というふうに理解していただければ幸いです。

この復顔像を見て「ああ、いるね。こんな人」などと思いつつ、この方の個性や今の私たちとどこが違うのかということを、考えていただくきっかけになればと思っています。

 

 

コレクションとは……、

 

――最後に、先生にとって「コレクションとは何か」、教えていただけますか。

 

坂上:はい。「コレクションとは、タイムトラベラーである」です。

 

 

昔、生きていた人たちがどんな姿形をしていたのか、どういった人たちなのか、その人の体でしかわからないことはたくさんあると思います。これは人類研究特有(の考え)なのかもしれませんが、そういった情報を現在までつないでくれているのが、昔の人たちのご遺骨やミイラだったりすると我々は考えています。

 

ですから、(人骨のコレクションは)昔の時代から今の時代にやってきたタイムトラベラーであって、そこから彼がどういう人生を歩んできたのかを引き出すということが、私たちの仕事だと認識しています。

 

――骨からその時代に生きていた方々の生活がわかる、ということですね。

 

坂上:今持っている標本を将来につないでいくことで、将来新しい研究方法が生み出された時に、さらにユニークな面白いことが、過去の人たちの体から理解することができる可能性もあります。そういった意味でも、標本を後世につないでいくことは、大切なことだと理解しています。

 

――ちなみに、坂上先生が人骨以外で偏愛を感じる研究はあるのでしょうか?

 

坂上:研究という意味を超えているところもあるんですけども、「ミイラ」です(笑)。この分野に入ったのも、ミイラ好きで入り込んだという側面もあります。

 

残念ながら今回は、ミイラのお話をすることは控えさせていただきました。人々の注目を変な意味で集めるような......頭の骨で十分そういったところはあるかもしれませんが、不快な思いをされる方があまりいないようにと思っています。

 

ですが今後、例えばクラウドファンディングのリターンなどで(機会を設けて)お話をさせていただいたとすれば、多分1時間や2時間では終わらないと思います(笑)。


=  = = = =


本記事でご紹介したのは、配信のごく一部。
全貌はぜひアーカイブ動画で。


▼file.01:人骨・ミイラが好きすぎる先生【坂上和弘先生(人類研究部グループ長)】

 


 
\毎週木曜19:00〜19:30 生放送! /

 

 

引き続き活動報告では「かはくの偏愛研究室」シリーズのレポートをはじめ、リターン情報や本プロジェクトの進捗状況などをご報告してまいります。今後とも応援のほど、よろしくお願い申し上げます。

リターン

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【一押し!】【寄付控除あり】 かはくオリジナル図鑑

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※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)

●御礼メール
●かはくオリジナル図鑑
当館の全研究者が、自身の「最推し」標本を選び、解説したものを1冊にまとめた本クラウドファンディングのオリジナル「図鑑」。
●寄付金領収証
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※図鑑は、130ページ前後になる予定です。画像は、そのうちの一部(恐竜の専門家・真鍋副館長の担当ページ)のイメージです。最終的なデザイン・内容は変更となる可能性もございます。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。

>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。

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【オリジナルグッズ】【寄付控除あり】 トートバッグ

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研究者が日々の研究で使用した「研究ノート」の一部をデザインとした、本クラウドファンディングのオリジナル「トートバック(全5種類)」。
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■モグラの歯の変異原図
■貝のスケッチ
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■ボーリングコアのスケッチ
■太陽黒点スケッチ

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※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。

>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。

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15,000+システム利用料


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