佐無田先生は問う“なぜ？” と。そして今も私は繰り返し。　【神宿 -kamiyadori-】　舘謙太郎

金沢大学経済学部はゆるかった。

 

すみません。言い方を変えます。ゆるく卒業することもできた。

だが私はそれを選ばず、今でも自問を続けています。

 

課題や単位で忙しい、講義びっしりの他学部の学生に比べて

卒業後の進路もあいまい、ふわ～～っとした講義、もてあます時間、

雪が降ればサボり癖。煩悩。。

 

漂うような時間が続く独特なキャンパスライフ。

20年前、私はそんな金沢大学経済学部の学生でした。

 

、、まるで学部全体がそうだったと誤解を招く表現になりましたね、、

まじめにしっかり研究、専門分野の学びを得た方々が大半です。“私にとっては”です。すみません。謝ってばかりですね、、恥ずかしさを伴わずに回想できませんで、、

 

金沢の繁華街「片町」の大人の世界（今思えばそれは決して大人の世界ではなく、夜の街のありがちな喧騒でしかないと知りました）に夢中になっていた私でさえ、大学で学んだことがあります。

 

佐無田光先生との出会い。先生は当時20代。

 

端正なルックスは今もなおですが、、、、モテた。

ゼミの選択理由は「なんかカッコイイなこの先生」

今思えば途方もなく阿呆な導入ですが、その動機で佐無田ゼミ3期生として入門しました。

 

私のような者がすんなり佐無田ゼミに入門できた理由は人気がなかったから。

モテるほどかっこよく、話も面白い。でもゼミの拘束時間が異常に長いという。

学生にとって長時間拘束をわざわざ選ぶ者は稀有（あ、また主観です！）。

一旦夜食を食べてから再度ゼミ室に集合をかけられる日もありましたね。。。。

 

なぜ長くなるか？

 

それは先生のいじわるな問いが常にあるからです。たった一言。

 

「なぜ？」

 

ゼミ生が議論を重ねて、そろそろお腹が減ってきて、結論にもっていこうとすると「なぜ？」発動。

答えを簡単にこさえてはいけない。練りこんで練りこんで練りこみなさい。安易な着地は許しません。

 

帰れない。。。。

 

端正なルックスで、笑顔での「なぜ？」は脳裏に焼き付いています。

 

もう1つ。佐無田先生の教えで忘れない言葉

「問題発見、問題分析、問題解決。そして再び問題発見。そのプロセスが全て。」

 

ということで、私が金沢大学で学んだことは「なぜ？」と「実装プロセスが全て」でした。

 

いや佐無田先生のおかげで、私はいつまでたっても「なぜ？」でお腹いっぱいです。。

そして佐無田先生はやさしい。むしろ卒業してから色々教わっています。

オリンピックの周期ぐらいで、たまにお酒を酌み交わすのがなんとも楽しい間柄となりそのたびに様々な言葉を私なんぞに教えてくださいました。

 

そしてワインがほろっとまわってくると

「舘くんは能登の仕事をしたほうがいい！」と。

 

私自身のどう生きるか問題に対して、佐無田先生はご自身の若かりし頃から培われた能登愛に重ねて、私のルーツ、泥っぽくも深くかけがえのない“能登愛”を見抜き、方向を提示してくださいました。

 

私は今もなお先生に“学びのおねだり”をしてしまいます。

そろそろ甘えずに自分で耕して、自分で答えを導きなさいよ　

とお叱りを受けるやもしれませんが、、

 

それでも一歩一歩。

「能登・神子原」にまでは辿り着いた今、これからの行動・結果・検証は先生にも見ていただきたいと思っています。

安易に答えを出そうものなら「なぜ？」が返ってくるので注意しながら。

 

 

恩師佐無田先生より本プロジェクトの応援メッセージをいただきました。

 

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季節の風が肌を撫でる。土と草の匂い。はるか上空と足元から鳥の会話が聞こえる。ゆったりした鼓動。発汗し、冷えて乾き、体の中に血が巡っていく。
海と山と空に囲まれた能登の風景。傾斜地に田んぼを築いてきた人間の営み。朝、昼、晩にこの景色を眺めるだけで、どうしてこんなにも癒されるのか。
地元の食材で作った健康な食事。コーヒーの薫り。皆で協力して工夫して生きている。自然と共に暮らす知恵のなんと豊かなことか。
里山暮らしの価値を丸ごと体感できるサウナ・カフェ。応援しています。

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佐無田先生。ありがとうございます。

最後にもうひとつ、私が学んだ先生の実感のこもった一言。

 

『実装が一番難しい』

 

神子原は実装します。

“なぜ？”

今はその答えを知っています。