いじめや虐待の影にある、人と人との壁

こんばんは たくさんの「いいね！」を頂きまして、ありがとうございます。 この企画を立ち上げるにあたって、障害があることによって生まれる人と人とのあいだにある壁だけではなく、関係性が閉ざされるという意味において「いじめ」や「虐待」も似たところがあると考えるようになりました。 3/29、私の住む仙台で小学生の子どもが父親によって命を落とすという事件が起こってしまいました。 この事件の背景には、家族やその周辺にいろいろな背景があったのだと思うのですが、 どんな事情であれ、小さな命が失われたことに大きな衝撃を受けました。 子どもたちの生活環境を思うとき、私自身の子ども時代のことを、ふと考えます。 私はある団地の中で育ちましたが、親以外の大人からもいつも見守られているという経験をしてきました。 第二次ベビーブーム時代に生まれ、たくさんの子どもを、たくさんの大人がまわりで見ていてくれていた、ということもあるかもしれません。 最近の子どもたちの環境はどうなのだろう。守られるべき「家」は安心感のある場所なのだろうか。 子どもと親のあいだに、また、家族と社会とのあいだに、壁が生じてはいないだろうか。 そんなことを考えます。 舞台「河の童」の物語の中では、人間も、動物も、そして河童もみな平等で、協調していた毎日が、ある年の干ばつをきっかけに、人間の大人たちが河童のせいだとして、攻撃を始めます。 河童も、人間の子どもたちも、なぜこんなことが起こるのかわかりません。 自分とは違うものの立場に立つことは、忙しく、ゆとりのない現代においてはなかなか難しいことです。 舞台という世界がもたらしてくれることは、人と人、人ともの、という壁を越えて、知らない世界を見るという観点を与えてくれることではないかと思います。 舞台「河の童」をご覧いただき、さまざまに思いを巡らせていただければ、と思っております。