個性と向き合いながら~Symphony963開発編〜

963ウィスキーとのコラボ返礼品Symphony963の開発に、アドバイザーとして加わっていただいたBar Furukawaのマスター古川智之さんに、開発の経緯などインタビューしました。

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963ウィスキー

今回の「Symphony963」プロジェクトにアドバイザーとして参加させて頂きました。

オーケストラにはいろんな種類の楽器が存在します。タイプの違う数々の楽器が一つの音楽を奏でるように、今回のウィスキーも様々な原酒を使用し、それぞれの量を絶妙に加減しながらバランス良くブレンドすることで、唯一無二の味わいに仕上げることができました。

 

ウィスキーの世界では、「シングルモルト（一つの蒸留所で作ったモルト原酒のみをブレンドしたウィスキーのこと）が一番いい。」という考え方があります。

しかし９６３ウィスキーは、自前の蒸留所を持ちません。

原材料となるウィスキー原酒を他から仕入れ、それらを樽に移し、さらに後熟させます。

ウィスキー作りでは、様々な樽に２回移して熟成させることがよくある作り方ですが、963ウィスキーでは３回以上違う樽に移し熟成させます。そこには、「手間がかかる」、「原酒が目減りしてしまう」というコストやリスクがあり、ウィスキー作りの世界ではあまりやりたがらないことです。

しかし、自前の蒸留所を持たない９６３ウィスキーだからこそ、逆に世界中の限りない数の原酒を扱うことができ、その原酒の可能性と向き合いながら、熟成とブレンドの技術をとことん追求することができます。他のウィスキーにない963ウィスキーの特徴である複雑な風味や奥行きのある味わいは、このようなところから生まれます。

 

個性をどれくらい残すか

福島県は日本酒王国。日頃から美味しい日本酒ばかりに出逢います。話題になる日本酒はさすが研ぎ澄まされて美味しいです。ただ時に“綺麗すぎる”と感じることもあります。職業柄日本酒、洋酒たくさんのお酒に出逢いますが、単に綺麗なだけだと記憶に残らない。

私が美味しいと思うお酒は、綺麗さの中にも、最後に“個性”を感じることができるものです。研ぎ覚まされた中に感じられる個性。そのバランスがとても大事だと考えています。

 

Symphony963の開発段階では、郡山交響楽団をイメージして３種類の試作品が出来上がりました。厳選された原酒を用いて、そのどれもがフラグシップボトルに相応しいクオリティのものでした。

今回採用されたブレンドは、「本気になっていいものを作りたいというスピリット」、「どことなく荒々しさも感じつつも、実直さがある」そんな“個性”を感じさせてくれる、とても面白いウィスキーとなりました。９６３ウィスキーと若いオーケストラの特徴が見事にブレンドされた、ここにしかない唯一無二の味わいになっています。

多くの方々の手にとられて、彼らの挑戦を味わっていただけたら幸いです。

 

 

 

　古川智之

　Bar furukawa オーナーバーテンダー

　日本バーテンダー協会福島県支部 支部長

　インターナショナルバーテンダー技能呼称認定者

　ラム・コンシェルジュ

　テキーラ・マエストロ

 

福島県福島市生まれ。福島県立福島高等学校を卒業後、ホテルサービス、飲食店等のアルバイトを経て、平成１０年よりバーテンダーとして歩み始める。福島市内のバーにて修行をし、平成２６年２月 Bar furukawaをオープン。日本バーテンダー協会主催のバーテンダー技能競技大会では、８年連続で東北代表として全国大会に出場。平成３０年の全国大会では、部門別にて３位入賞をする。現在は日本バーテンダー協会福島県支部支部長として、後進育成や地域に根付く活動、バーテンダーの職業地位向上等の活動を行っている。