益田一が半世紀前に撮った16mm水中映画フィルムを現代に蘇らせたい

益田一が半世紀前に撮った16mm水中映画フィルムを現代に蘇らせたい

支援総額

2,000,000

目標金額 1,800,000円

支援者
121人
募集終了日
2025年7月21日

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プロジェクト本文

 

【リターンに関する至急ご連絡事項】
当方のプロジェクトをご覧くださり、ありがとうございます。リターン内容選択につきましてシステム上の不備がありましたのでお詫び申し上げます。10,000円及び15,000円のリターン申込画面上、「お好きな動画2本/3本」を希望本数分選択できずにご支援下さいました方々へ、個別メールにてご希望をお伺いしております。6/3以前にご支援下さいました方におかれましては事務局からの連絡メールをご確認の上、ご希望動画を再度ご返信下さいますようお願い致します。(事務局より)

 

▼自己紹介

 私、瀬能宏と申します。「益田一顕彰委員会」の副委員長を務めております。昨年3月までは「神奈川県立生命の星・地球博物館」で学芸員として魚の資料の収集や研究、展示を含む教育活動に携わってまいりました。今回のこのプロジェクトは「益田一顕彰委員会」の活動の一環として行うものであります。同委員会は(株)益田海洋プロダクションの元社員が中心となって設立され、昨年から活動を開始致しました。今後様々なプロジェクトを展開予定で、FBページにてその活動報告を随時発信していく予定です。最後の「プロジェクトの展望・ビジョン」にも記載しておりますが、同委員会はこれまでの益田一氏の魚類学界に対する多大なる貢献、そしてレジャーダイビングにおけるダイバーの育成やダイビング業界の発展に極めて大きな影響を与えた氏の業績を没後20年の節目に後世に伝え顕彰していく為にスタートした任意団体です。

 今回の水中映画の撮影者/制作者である故益田一氏(1921~2005)は、カラー写真を使った図鑑としては世界最大の『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会,1984年刊)の筆頭編者として魚類研究者の間では世界的に著名な方でした。私は琉球大学大学院の修士課程に在学中だった1982年に益田氏に初めてお目にかかり、上記図鑑制作のお手伝いをさせていただく機会を得ることが出来ました。以後、公私にわたって益田氏とのお付き合いが続き、1990年から1993年までの間には氏が経営する(株)益田海洋プロダクションの社員としてお世話になりました。このような経緯から、1993年10月に神奈川県立博物館に転職した後も、同社から発行されていた『伊豆海洋公園通信(I.O.P.Diving News)』の編集をお手伝いさせていただきました。

 益田氏は2005年に他界されましたが、会社の事業として集められた貴重な標本(約3,500点)やそれらの色彩を記録した標本写真(約2万コマ)は、神奈川県立生命の星・地球博物館に寄贈されました。これらの資料はすべてデータベース化され、折に触れて魚類研究者に活用されていますが、益田氏の魚類学への貢献を研究者だけではなく広く一般の人にも知ってもらう目的で開催されたのが「特別展 益田一と日本の魚類学―魚類図鑑に生涯を捧げたDANDY―」(2013年7月~11月;於神奈川県立生命の星・地球博物館)です。 

 

瀬能紹介

▲魚類研究中及び河川での魚類採集風景

 

 この展示に合わせてご遺族の方から預かった資料の中に、今回のプロジェクトの16ミリフィルムが含まれていましたが、映像装置もなく、デジタル化するための技術や予算も確保できず、現在に至っております。これらのフィルムは撮影、製作されてからすでに40年以上が経過しており、内容や存在を知る関係者もほとんどなく、またどういった目的で制作されたものかもよく分からないものも含まれていますが、「富戸の海」や「鮭の帰る岬」のように当時の漁業や漁業者の暮らしを水中映像とともに記録したフィルムは、文化史的に高い価値を持つと思われます。また、そもそも当時の水中映像はほぼ現存しておらず、その意味でも資料的価値があり、映像遺産でもあると言えます。 

 

16mmフィルム映画

▲この状態で長年保存されていたが、奇跡的に保管箱が水平に重ねられていたため、ダメージが少なかったようだが、確実に劣化が進みつつある状態で、今回がフィルムを救えるラストチャンスになる。

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 今回のプロジェクトのきっかけとなったのは、託されたフィルムの状態をチェックの為、箱を開けたところ酸っぱい、お酢のような匂いが漂っていたことで、調べてみるとビネガーシンドローム(Vinegar Syndrome)が進行しているという状態であることが判明、早速専門業者に状態を見てもらうと・・・

1:かなり退色が進行している

2:変形劣化や癒着が見られ、膜剥げが発生するおそれあり
3:温湿度が大きく変わる梅雨時期までが修復デジタル化の限界期限

との見解で、至急の対応が望まれることが判明しました。

 

▼プロジェクトの内容

 益田一氏ならびにその関係者が40年以上前に撮影・制作した貴重な水中映画を現代の技術でデジタル化して保存・救済する事が喫緊の課題であり、今回のプロジェクトでぜひ実現したい。

デジタル化した映像は歴史や文化、教育など様々な分野で活用できるように神奈川県立生命の星・地球博物館にアーカイブズ資料として保管します。(ご遺族の同意を得ております)

 

16mmフィルム映画の現状画像

▲ビネガーシンドロームという映画フィルム特有の劣化により退色が進み、一部は音声データもはがれかけている状態です(プレビュー画像を参照)。手遅れになる前に、文化・歴史的価値が高いこの水中映像をデジタル化し、博物館のアーカイブズ資料として保管することで研究や教育などに幅広く活用していくことが我々の責務であると考えています。

なおデジタル化については専門業者に依頼をして実施しますが、デジタル化完了までには時間がかかり、来年4月頃を予定しています。

 

リターンタイトル4本

▲上記4作品が今回のデジタル化の対象!

※これらの映画の著作権は(株)益田海洋プロダクションの経営を引き継いだご遺族の益田安規子様に帰属します。

このプロジェクトの遂行については益田安規子様からの許諾と、神奈川県立生命の星・地球博物館からの了解を得ております。

【一般公開予定について】デジタル化されたフィルムは神奈川県立生命の星・地球博物館のアーカイブズ資料として保管されます。HPを通じての一般公開はされませんが、博物館が規定する条件を満たせば所定の手続きを経て映像資料として利用することが出来ます。

 

昭和55年納品書
▲保存フィルム内に残されていた、当時の仮納品書 日付が昭和55年(1980年)となっている

 

現在のフィルム状態1

▲水中での鮭の魚群や、定置網にかかっている魚の群れ、レトロなデザインの水中メガネで潜る人など、どのフィルムも興味をそそられる内容である

 [鮭の帰る岬]…北海道/斜里町における鮭定置網漁を中心に北の海と漁師、それにかかわる人々を描いた作品である。

 [富戸の海]…伊豆海洋公園ダイビングセンターのある静岡県伊東市富戸、城ヶ崎海岸の風景や富戸定置網漁、伝統的なイルカ漁など貴重な人々の営みが記録されている。

 

現在のフィルム状態2

▲ウメイロモドキやスズメダイ、また沖縄の島々の遠影、ダイバーと魚では種類を解説など楽しい内容で、今すぐにでも見てみたくなる内容である

 [海の詩]…当時の関係者によると映画館で映画の合間に上映された事があり、音楽に乗せて魚の生態を紹介したイメージ映像と思われる。

 [私たちの海]…沖縄・石垣島周辺で撮影された水中映像をまとめたもので、当時の環境や漁業の様子が紹介されていると思われ、資料的にも貴重なものであろう。

 

▼益田一(1921-2005;ますだはじめ)について

さて、プロジェクトの展望を語る前に、まずは主人公の人となりを皆さんに知って頂く必要があります。今をさかのぼる事、50年~20年前に伊豆を中心に活動していたダイバーをはじめとする全国のダイバーやダイビング業界の方々に「益田一」の名前を知らない人はいませんでした。当時は業界の「ドン」として名実ともにダイビング業界の顔であり、魚類図鑑を次々に出版したことで日本の魚類学界に大きな影響を与えました。

益田一近影
▲自宅書斎で、自身の発表した水中図鑑や愛用の水中カメラ「ニコノス」を手に微笑む益田氏

 

 そんな益田氏ですが、1959年に趣味で始めたダイビングにのめりこみ、伊豆海洋公園ダイビングセンターの前身である「東拓アクアスポーツクラブ」を1964年に結成しました。当時は潜って魚をモリで突く「スピアフィッシング」がダイビングの目的でしたが、漁業関係者との間に軋轢が生じてしまいました。そこで一大決心をして水中銃を水中カメラに持ち替えた事が現在のダイビングの大きな楽しみの一つである「フィッシュウォッチング」の礎を築くこととなり、益田氏はレジャーダイビング業界の先駆者となりました。

 

伊豆海洋公園ダイビングセンター

▲現存する当時の面影を残したダイビングセンター建物

 

 また益田氏はダイバーを育成するためにダイビングを6日間でみっちり教え込む「潜水訓練センター」を開設しました。そのダイビング講習内容は全国的に高い評価を得て、学生のみならず一般社会人にも門戸を開き、安全なレジャーダイビングを広めていきました。益田氏が中心となって育成したダイバーは2001年までに6,000名を超え、卒業生の中には多くの業界人も輩出され、空前のダイビングブームの基礎を作り上げました。

 

 水中カメラを手にした益田氏は、その当時未開の地だった水中世界をカラー写真で鮮やかに切り取り、世に本として発表するという目的の下、日々魚類の研究と撮影にのめり込みました。水中世界の素晴らしさを本として発表した事は称賛と驚きを持って迎えられ、今日のレジャーダイビングの発展、普及に大いに貢献しました。魚をはじめとする海洋生物の水中生態写真の撮影は伊豆はもとより日本全国、世界各地で行われました。撮影された写真は一般のダイバーにも親しみやすいフィールド図鑑や生態図鑑となって世に送り出され、現在でも多くの方々に親しまれています。

 

 益田氏が作り上げた数々の図鑑の中でも集大成と言えるものは、1984年に東海大学出版会から出版された『日本産魚類大図鑑』です。明仁親王殿下(当時;現上皇陛下)を含む全国の魚類学者を総動員し、当時知られていた日本の魚3,300種のほとんどすべてをカラー標本写真で網羅しており、正に世界最大・最高と言える大図鑑となりました。

 

日本産魚類大図鑑イメージ2

▲当時の明仁親王殿下(現上皇陛下)も著者の一人として参加された、日本全国の魚を網羅した「日本産魚類大図鑑」、益田が日本中の魚類学者に声をかけ完成させた二度と出来ない大図鑑

 

 こうした益田氏の写真を活用した図鑑作製の傍らで撮影・編集された16mmフィルムによる映画作品は、映画館等で上映されたものを含むとは言え、現在ではその存在自体を知る人も少なく、きわめて希少性が高い映像遺産です。当時は現在のように誰もが簡単に水中映像を撮れる時代とは違って、水中での16mmフィルムによる撮影は1回の潜水で3分弱程度の撮影しかできませんでした。しかも1本の作品を作るまでには撮影者本人のみならず、撮影の補助を行う複数のダイバーが一緒に潜り、何度もフィルムを交換しては海に潜ってを繰り返して初めて出来上がったものです。つまり、1本の作品を完成させるまでに要した時間は計り知れず、その成果を目に出来る機会は今回のプロジェクトだけと言えるでしょう。

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 今回の「益田一16mm映画フィルムデジタル化プロジェクト」は、「益田一顕彰委員会」のプロジェクトの一環として実施するものです。同委員会は益田氏のこれまでの輝かしい功績を後世に伝えるための活動を行っている任意団体であり、氏の活動の原点であり、彼が設立した「伊豆海洋公園ダイビングセンター」のある、伊豆海洋公園内(静岡県伊東市;城ヶ崎海岸)に、氏の胸像を建立したいという願いからスタートしました。現在は富士箱根伊豆国立公園第一種特別地域に指定されている城ヶ崎海岸を管轄する環境省下田管理官事務所のご指導の下、関係各位のご協力を賜りながら今後の建立実現に向けて活動を続けて参ります。

 今回のプロジェクトは委員長を務める水中写真家の中村宏治氏(日本水中映像(株)代表)と事務局長の渡辺浩之氏(ダイブショップ宝島代表)のご協力の元、私、瀬能が中心となりまして実施するものです。この16mmフィルム映画デジタル化プロジェクトが実現できれば今後、氏が世界中の海で撮影した魚類をはじめとする海洋生物の生態写真数万点のデジタル化を行い、海洋文化の普及発展の基礎資料として氏の偉大な功績を未来につなげていければと願っております。その第一歩となる今回のプロジェクトをぜひ皆様のお力で実現したいと考えており、ぜひご支援くださいますよう宜しくお願い致します。なおプロジェクト達成後の映像資料につきましては、神奈川県立生命の星・地球博物館に寄贈され、同館のアーカイブズ資料の一部として保管・管理されます。一般公開の予定はありませんが、研究や教育目的であれば同博物館の利用規定に従って利用できるようになることを申し添えさせていただきます。

 

益田一16mmフィルムデジタル化プロジェクト 瀬能宏(神奈川県立生命の星・地球博物館 名誉館員)

 

▼リターンについてのご注意点

 16mmフィルム映画デジタル化後の映像ファイル(オンライン/DVD)リターンの時期については、デジタル化の完成までにある程度の時間がかかり、令和8年4月頃を予定しております。その後、リターン内容に沿った映像ファイルを皆様にお送りしますが、それ以外のリターンについてはご指定のご住所へ7月末までに送付致します。なおバックヤードツアー及び招待券の使用期限は配布後6か月間となっておりますのでその間にご利用の程、宜しくお願い致します。またリターンでお送りする今回の映像ファイルですが、著作権がございますので個人で楽しむ以外の利用はできませんのでご注意ください。

 なおプロジェクトの資金の送金先は、「益田一胸像建立プロジェクト委員会 会計 渡辺浩之」となりますが、これは胸像建立以外のプロジェクトを遂行する際に誤解されないように委員会名を「益田一顕彰委員会」と改名したためです。口座名義とプロジェクト名が異なっておりますのでご承知くださいますようお願い致します。(益田一顕彰委員会・事務局)

プロジェクト実行責任者:
中村宏治(益田一顕彰委員会/旧益田一胸像建立プロジェクト委員会)
プロジェクト実施完了日:
2026年4月30日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

益田一16mm映画フィルムデジタル化プロジェクト デジタル化費用、DVD作成費用、リターン送付費用、事務手数料

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