もりねこ専任獣医師　自己紹介

獣医師の佐々木章子と申します。

 

今日はこの場をお借りして自己紹介をさせていただきます。

 

 

私が獣医師になったきっかけは、「心身共に傷ついた、飼い主のいない犬猫を助けてあげたい」という、子供の頃からの想いでした。

両親に内緒で、こっそり自宅前に野良猫や迷い犬を連れてきて、外で一緒に毛布をかぶって一晩過ごそうとしたこと、自宅マンションの管理人に捕まった犬が保健所に連れて行かれるのを泣きながら見ていたこと、市の相談窓口に電話しまくっていた幼少期の思い出は、今も鮮明に覚えています。

 

その頃の日本の動物愛護精神は、今と比較にならないくらい、低いものでした。

・犬のしつけは暴力で叩いてしつける（本来はしつけとは言えません。）

・犬も猫も外で飼うのが当たり前

・人間の残飯を餌にしていた

そんな時代に、ちっぽけな小学生が、犬猫に何が出来たでしょう。

 

どうしたら良いか分からず、心のどこかにわだかまりを抱えたまま、大人になりました。

獣医師免許を取得していざ動物病院に就職し始めた頃には、目の前の仕事を習得することに必死でした。仕事の忙しさを理由に、「なぜ自分が獣医になりたかったのか」思い返すことから逃げていたように思います。

 

その後、家庭の事情でしばらく臨床の世界から離れ、岩手に越して来たある日、近所で野良猫に出会いました。外は雪が積もって厳しい寒さです。

「なんとかして助けてあげたい」

小学生だった頃の自分と全く同じシチュエーションでした。

ただ唯一違っていたのは、即行動に移していた点です。

猫の保護について、とにかく情報収集に取りかかりました。警察や保健所に問い合わせ、その猫が飼い猫ではないか、ビラを配ったりもしました。

そしてホームページで初めて「もりねこ」の存在を知り、何度もメールや電話での問い合わせに、親身に対応してもらえたことで、その猫を無事捕獲し、保護することが出来ました。

 

この経験がきっかけで、「自分も、もりねこで仕事がしたい。」という気持ちになり、

偶然ですが「しっぽのおうち」の求人案内にたどり着きました。

 

もりねこでの仕事は、ダイレクトに猫の命を救う仕事です。職員やボランティアスタッフさんは、皆朗らかな方々ですが、常に猫に対して真摯に向き合っています。1匹でも多くの猫の命を救い、幸せにするために。もりねこの活動は、私にとって、まさに幼少の頃からの夢でした。

 

 

今回、レスキューシェルター＆スペイクリニックの立ち上げに、自分も参加させてもらえることに、心から感謝しています。

私は、獣医師として、まだまだ力不足な部分もあります。又、もりねこのスタッフとして、駆け出しの身ではありますが、工藤代表をはじめ、職員やボランティアスタッフさんに支えていただきながら、全力を尽くしたいです。

 

どうか、この大プロジェクトに向けて、皆様、応援をよろしくお願いします。