「新幹線とブルートレインの父」十河信二 第四代国鉄総裁

こんばんは。高橋 竜です。

 

日付が変わって 10/4 になってしまいましたが、10/3 は島秀雄技師長と共に世界初の高速鉄道となった東海道新幹線の生みの親である、十河信二 第四代国鉄総裁の命日でした。

 

38年前の 昭和56（1981）年10月3日、十河信二元総裁は入院されていた鉄道中央病院で息を引き取られました。享年97歳でした。

 

前回の東京オリンピック直前の 1964（昭和39）年に東海道新幹線が開通したことは、もしかしたらまるで当たり前の流れであったかのように実現したと思われているかもしれません。かくいう私も、実はそこに至るまでがどれだけ困難で、辛く、数多くの障害に何度も阻まれて普通に考えたら到底成し遂げることができない道のりであったことを恥ずかしながら知りませんでした。十河さんは、なぜそこまでして新幹線の誕生に文字通り命を懸けられたのでしょうか。

 

十河信二総裁と島技師長が実際にどんな思いで様々な困難を乗り越えられたのか、それは今となっては残された数多くの文献を調べることでしか知る由がないのですが、それでもそうした書物を調べていくと、単に鉄道に対してだけでなく、そこにまつわる人々と車両を含むモノすべてに対する愛と情熱に溢れていることを感じました。それは、十河総裁のいわば恩師であり、台湾総督府民政長官、満鉄総裁を歴任し医師でもあった後藤新平 初代鉄道院総裁の

 

「多くの人々の協力にまつところの大きい鉄道に従事するものは、まず愛というものに徹しなければならない。ただただ鉄道のためにつくすという心がけをもち、その愛を乗客、貨物、器具、機械におよぼすのである。要するに鉄道のために鉄道を愛し、万事に精神をこめて献身的に鉄道に従事してもらいたい」

 

という言葉が生涯胸に刻まれていたという十河総裁の深い思いの表れであったと思えてならないのです。

 

（詳しくは、こちらの私のブログ記事をご覧ください：まとめ：十河総裁と島技師長と国鉄ブルートレイン）

 

夢の超特急を現実のものにするために国鉄のドリームチームが疾走していたその時代に誕生したこの国鉄20系寝台特急客車には、まさにその温もりがデザインに込められていると思えてなりません。

 

そのストーリーを知らなかった私にも、その温もりは物心がつく前から伝わっていました。そして、現在小学５年生の利優君にもその同じ思いが伝わっていることを知って、感激しました。

 

最後に、十河総裁と島技師長の深い絆を示す二枚の写真を掲載させていただきます。この墓石は、多磨霊園にある島家のものですが、その墓石に刻まれた文字は十河信二総裁の直筆によるものです。