ソ連の軍隊が、銃を肩にかけてあちこちパトロールしていました

「ソ連の軍隊が、銃を肩にかけてあちこちパトロールしていました。本当に一日が一年のように長く辛い日々でした。若い娘は特に…」

「ある特に寒い日、大雪も降って、どうにも堪らないので逃げ出しました。空はとにかく暗く、道がでこぼこで歩くのも大変でしたが、どうにか深い谷間を抜け出しました。しかし数歩も歩かないうちに、全身、力が抜けるのを感じ、突然雪上に卒倒し、どれ位の時間が経ったのかさえ判りませんでした…」

「戦争とは相手の国を消滅させ、多くの人々を殺す。戦争とは残酷そのものです。戦争とは必ず地を流すものであり、人々に残忍さと血生臭さを残します。もし戦争になれば、無数の家族を離散させ露頭に迷わせ、妻も子も離れ離れになってしまうでしょう。このように戦争は私たちに深刻な災難をもたらします。私たちは平和を求め戦争に反対します」

小田原玉惠さん（残留孤児２世）「戦後七十年回憶録」より