
寄付総額
目標金額 1,000,000円
- 寄付者
- 153人
- 募集終了日
- 2020年3月19日
#エッセイ2 『最後の担任』
こんにちは。
元中学校の先生からとてもステキなエッセイが届きました。
合唱コンクール本番までの苦しい練習の日々、その努力が報われた瞬間は一生忘れることのできない出来事になっているのでしょうね。
教師冥利に尽きるエッセイは、先生方の胸の奥にたくさんしまっておられることと思います。是非、たくさん応募してください。
『最後の担任』 (中学校)
最後の担任。教師ならば必ず訪れるこの瞬間。
若い頃には想像もつかなかったこの瞬間は、いきなりやって来た。というのも、若い頃は教師として将来のことを思い描く明るい未来があったから、その結末は思考の外にあった。新任の教員として中学校に赴任して担任を15年間、その後は学年主任や進路指導主事、教務主任として学校全体に関わる仕事を長く続けていた。それぞれの仕事には生徒の将来に関わる重要性があり、教師としてのやりがいはあると言える。しかし、長く教員生活を続けていると、仕事への惰性感覚が出てくるのも事実である。
そんな中、突然転勤の話がやってきた。転勤先の中学校の校長先生から「担任をお願いします。」と言われて何か新しい予感を感じた。生徒により近い存在になり、惰性感覚を払拭できる嬉しさにつながったのかもしれない。久しぶりの担任。最初は忘れていた仕事の流儀を思い出すのに時間がかかったが、そのうちに生徒や保護者対応にも慣れてきた。担任として順調に毎日を過ごすようになった。
ところが、そのうち不思議な感覚を体験することとなった。というのも、前回の担任をしてから学年主任や進路指導主事、教務主任を経験しているので、あらゆるものを見る目が違って、広い視野から担任の仕事を見ることができるのである。加えて、自分自身も子育てを体験し、親の感覚が手に取るように分かるようになっていたのである。保護者との面談は若い頃のような必要事項の伝達ではなく、保護者の悩みを聴き、共有し、たとえ悩みを解決できなくても寄り添うことのできる面談に変わった。子育ての先輩としての意見を求められることもあったが、保護者の悩みのほとんどは解決できない場合が多く、むしろ解決できないと考えて相談に乗ることが普通に出来るようになっていた。保護者との面談は、いつしか心と心で話ができる関係になった。これは若い頃にはなかった感覚である。
そのような中、「合唱コンクール」の行事がやって来た。クラス単位で自由に曲を選んで、コンクール当日に全校生徒の前で合唱を披露し、優秀クラスを決定するという恒例の学校行事である。我がクラスの発表曲は「旅立ちの日に」と決まり、クラス全員で割り当てられた時間に、合唱の練習に励むことになった。各クラスとも練習は真剣そのもの。学級委員や文化委員は練習の進み具合を相談しながら適切なアドバイスをクラス全体に指示する。練習では、パート練習に後ろ向きの生徒とのトラブルも発生する。そんな時には、担任としてお互いの言い分を聞きながら、その悩みを共有する中で解決策を探っていく。若い頃なら、頭ごなしに決めつけるような言い方をしていたであろう。トラブルがあった後は、不思議なことに、生徒同士で納得して練習に取り組むようになり、いつもより大きい歌声が教室に響いていたことを思い出す。
本番の日、リハーサルを終えて「普段の練習の成果を出せばいいよ」とコメントをして生徒たちを送り出した。緊張しながらも生徒たちは本番でよく頑張り、そして、結果発表。「優秀賞、2年4組。」その瞬間、生徒たちは全員立ち上がって歓声をあげていた。表彰式が終わって、生徒たちと教室で対面した時に、苦しかった練習を思い出して生徒たちがうれし涙を流し、いい歳をした私までも涙を流したことを今でも覚えている。
生徒:「先生、もう一度みんなで歌いたい!」
私 :「おう!」
「教師冥利に尽きる」とはこのような瞬間を表現する言葉かもしれない。
翌年の人事で校長先生から「学年主任をお願いします」と言われ、教師生活最後の担任は終わった。「教師冥利」とは、与えられた環境の中で、自分自身の自己改革によって、全く違った教職の捉え方になり、そのことで感性を揺さぶられる感動を共有することではないか。それは、自己改革の努力に依存するように感じている。
卒業式当日。
生徒:「5年後の20歳にもう一度みんなで合唱したい!」
私 :「おう!」
「教師冥利に尽きる」瞬間が再び訪れた。

ギフト
5,000円
<5,000円応援コース>
■感謝のお手紙
■寄附金受領証明書
■オリジナルクリアファイル
■特設サイトに寄附者のお名前掲載
※寄附時に必ずご希望のお名前をご記入ください。記載を希望しない方は、「なし」とご回答ください。また特定の人物を揶揄するお名前や公序良俗に反するお名前は掲載をお断りする事が御座います、ご注意ください。
- 申込数
- 79
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年6月
10,000円
<1万円応援コース>
■感謝のお手紙
■寄附金受領証明書
■オリジナルクリアファイル
■オリジナルノート
■特設サイトに寄附者のお名前掲載
※寄附時に必ずご希望のお名前をご記入ください。記載を希望しない方は、「なし」とご回答ください。また特定の人物を揶揄するお名前や公序良俗に反するお名前は掲載をお断りする事が御座います、ご注意ください。
- 申込数
- 59
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年6月
5,000円
<5,000円応援コース>
■感謝のお手紙
■寄附金受領証明書
■オリジナルクリアファイル
■特設サイトに寄附者のお名前掲載
※寄附時に必ずご希望のお名前をご記入ください。記載を希望しない方は、「なし」とご回答ください。また特定の人物を揶揄するお名前や公序良俗に反するお名前は掲載をお断りする事が御座います、ご注意ください。
- 申込数
- 79
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年6月
10,000円
<1万円応援コース>
■感謝のお手紙
■寄附金受領証明書
■オリジナルクリアファイル
■オリジナルノート
■特設サイトに寄附者のお名前掲載
※寄附時に必ずご希望のお名前をご記入ください。記載を希望しない方は、「なし」とご回答ください。また特定の人物を揶揄するお名前や公序良俗に反するお名前は掲載をお断りする事が御座います、ご注意ください。
- 申込数
- 59
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年6月

ぬるぬるのお引越|万博・落合陽一 null²パビリオン次なる場所へ
#ものづくり
- 現在
- 216,989,000円
- 支援者
- 12,308人
- 残り
- 29日

多領域と未来を紡ぐ「音声コーパス」の継続的な維持・拡大へのご寄付を
- 現在
- 3,270,000円
- 寄付者
- 78人
- 残り
- 35日

国立科学博物館マンスリーサポーター|地球の宝を守りつづける
- 総計
- 679人

箱根駅伝出場を目指す国立大学の本気の挑戦!サポーター募集中!
- 総計
- 135人

早稲田大学野球部 世界へ!アメリカ名門大学と究める文武両道への挑戦
- 現在
- 11,827,000円
- 寄付者
- 332人
- 残り
- 18日

文学とジャズで世界をつなぐ-村上春樹ライブラリーの挑戦にご支援を
- 現在
- 4,934,000円
- 寄付者
- 206人
- 残り
- 72日

ひとつの心室で生きていく。フォンタン手術の患者をみんなで支援したい
- 現在
- 3,415,000円
- 寄付者
- 172人
- 残り
- 29日
地域肯定感が高く、世界に貢献できる「鹿児島」を目指す財団を作りたい
- 支援総額
- 2,130,500円
- 支援者
- 169人
- 終了日
- 3/29
さいたまSAICOLO|悲願の日本一を目指して。
- 支援総額
- 1,255,000円
- 支援者
- 114人
- 終了日
- 6/30
いじめ・虐待など社会問題を抑止支援する上映会を支援ください
- 支援総額
- 20,000円
- 支援者
- 2人
- 終了日
- 7/4

本物のビジネスに挑む高校生のために、最高に面白い講座をつくろう!
- 寄付総額
- 1,080,000円
- 寄付者
- 54人
- 終了日
- 10/18
真備に千の光を ~想・願・祈~
- 支援総額
- 1,995,000円
- 支援者
- 157人
- 終了日
- 3/26
「ずっとおうちにいたい」が実現できる社会にしたい!!
- 支援総額
- 1,030,000円
- 支援者
- 51人
- 終了日
- 1/19
誰でも分かるイヤ・ハンド・マスをフィレンツェで発表したい!
- 支援総額
- 374,000円
- 支援者
- 53人
- 終了日
- 1/18









