徳島県決裁文書　砂消しゴムで訂正　県包括外部監査人が指摘

徳島県包括外部監査人の野々木靖人弁護士が作成した平成２９年度包括外部監査結果報告書「随意契約及び当該随意契約を含む事業について」で、徳島県市町村課が行った随意契約の決裁文書の「件名」「金額」欄が砂消しゴムで訂正されていたことが判明しました。

徳島県　平成29年度包括外部監査結果報告
【随意契約及び当該随意契約を含む事業について】
https://www.pref.tokushima.lg.jp/kenseijoho/hodoteikyoshiryo/5013947/

監査人によれば、「徳島県文書規程第１３条第１項第９号は「金額その他重要部分の字句を訂正したときは，その箇所に押印すること」と定め，訂正方法が決められている。
そもそも，砂消しゴムで訂正すると，いつ誰が訂正したのかまったく不明確となる。そうすると，その訂正が適正な手続きを経てなされたものか否かの判断が困難となる。砂消しゴムによる訂正を行うことは，事業が適正な手続きで行われたことの検証をできなくする。砂消しゴムによる訂正は，許されない。」としています。

選挙公報等の当初の予定支出金額は950万円でしたが、再印刷が必要となったため、追加印刷320万9112円分の見積もりを取った上で、当初の950万円の記載を砂消しゴムで消して1250万円に書き換えました。

監査人は、「決裁済みの書類の「支出予定金額」欄の記載を砂消しゴムで書き換えることは許されない」
「予定価格を設定した書類が確認できないのは，県契約事務規則第３１条に反するものである。予定価格を見積徴収伺いに記載するなど，今後はこのようなことがないように留意していただきたい。」としています。

また、「執行委託伺の決裁日の記載が鉛筆書きであった」ことも不適切としています。

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都道府県・政令市・中核市は、監査委員とは別の専門家である「包括外部監査人」による監査が年１回義務づけられています（地方自治法第252条の36）。
全国市民オンブズマン連絡会議による「包括外部監査の通信簿」の成果もあり、包括外部監査人は、毎年、自治体の様々な問題点を指摘しています。

残念ながら、国には「包括外部監査」に相当する制度がありません。

現在、国では決裁文書の改ざんについて大問題となっています。
しかし、デジタル情報を改ざんされてしまうと、外部から情報公開請求してもわかりません。
不正をなくす制度をどう構築するかは、地方自治体の取り組みが参考になるのではないでしょうか。

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全国市民オンブズマン連絡会議　包括外部監査通信簿
https://www.ombudsman.jp/houkatsu