今あらためて、日本全国に被爆者の声を届けたい
今あらためて、日本全国に被爆者の声を届けたい

支援総額

2,007,000

目標金額 1,000,000円

支援者
187人
募集終了日
2018年1月31日

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2017年12月19日 13:49

「聞いておけばよかった」と未来の自分に言わせないために。

ピースボートの「おりづるプロジェクト」では、被爆者が地球一周の船旅に参加し世界各国で証言活動を行います。同時に、移動中の船内では、同じ船に乗り合わせた老若男女を対象に、証言イベントを行います。これまで「原爆なんて興味がない」「核問題なんて他人事」と思っていた多くの若者が、実際に船で被爆者の証言に触れることで、「無関心でいいのだろうか」と自分に問い直し、「自分にも何かできることはないだろうか」と動き始める姿を私たちスタッフは幾度も見てきました。それを具体的な取り組みへとつなげようと、ピースボートでは今年から「ピースガイド」の養成に取り組んでいます。原爆や核をめぐる世界情勢について学び、被爆者の証言を聞き、自らが「平和へのガイド」となって自分たちのコミュニティで平和と核兵器のない世界にむけてのメッセージを発信できるようになってもらうことが狙いです。

 

今回はピースガイドの第1期生となった橋本舞さんが想いを綴ってくれました。ぜひ読んでみてください。

 

(畠山澄子)

 

++++++++++

 

 

 

12月10日、オスロにてノーベル平和賞の授賞式が行なわれました。受賞したのはICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)。しかし、ノーベル平和賞を受賞しましたが、ICANの活動はここがゴールではありません。ここからが始まりなのです。

 

「これを、核兵器の終わりの始まりにしようではありませんか。」とノーベル平和賞受賞スピーチで語った節子サーローさん

 

実は今年、ICANの10ある国際運営団体のひとつとして活動しているピースボートが、被爆体験を世界に伝えるプロジェクトのひとつとして「ピースガイド」の養成という新しい取り組みを始めました。

 

私はそのピースガイドがうまれたクルーズ(第94回クルーズ:2017年4月出発の地球一周の船旅)に乗船しており、ピースガイド第1期生となりました。

 

「ピースガイド」第1期生の8名

 

韓国以外の海外に行ったことがなかった私は、今回のピースボートに、たくさんの海外に連れて行ってくれるツアー旅行のつもりで参加しました。なので、乗船した当初から「ヒバクシャの声を今後も残していきたい」と思っていたわけではありません。私も、きっとたくさんいるであろう「授業で習った記憶はあるけど、それ以上のことはわからない」人の1人でした。

 

きっかけは「ヒバクシャとお茶会をしよう」という企画でした。

 

「大きな企画では質問とかしにくいから、少人数で集まってやろうと思うんだけど興味ある?」と企画者のスタッフさんに誘われ、楽しそうだから行ってみようと思い参加しました。

 

私の祖父母は戦争のことを話したがらず、身近な人から戦争体験を聞いたことがありませんでした。だから私が知っているのは、授業で習ったことや、戦争を題材にしたテレビや本の情報だけ。

 

そのお茶会は2、3回あったのですが、実際に聞く生の声は、私が想像もしていなかった驚くような話もあり、とてもおもしろかったです。実際に感じた匂いや感触を細かく説明してくださり、まるで私もその場所に一緒にいたかのような気分にさえなりました。

 

話をしてくださったのは、当時小学生だった世代の方。重苦しい雰囲気ではなく「当時の教科書はこんなんで」「畑仕事はこういう風に手伝っていて…」と本当に楽しい思い出話をしていました。

 

船で若者に向けて話をする長崎出身の被爆者・三瀬清一郎さん

 

そうやって接していくうちに船に乗っていたヒバクシャの方のこと、みんなを好きになりました。

 

そして「なぜ、体験談を語り継ぐのか」、初めて私は知りました。

 

思い出すことさえつらい、でもそれを乗り越えて頑張り語り継ぐ根っこにあるのは「どこの国の人でもどんな人でもかわりはない、私たちと同じように苦しむ人をこれ以上出したくない」…その想いでした。

 

「被爆したの、かわいそうでしょ?私たちは被害者なんだよ」

 

被爆者は決してそういう目で自分たちを見てほしいのではありませんでした。

 

ヒバクシャの方は、原爆を生き延び、当時の記憶を持つ者として、経験を語り継いでいきたいと思っていました。亡くなった人も生き残った人も、それぞれが傷ついている。この72年本当に苦しんできた。そんな想いをする人は自分たちだけで充分。言葉に詰まったり、時には涙を流しながら当時のことを話す姿や表情から、その一筋の想いがヒシヒシと伝わってきました。

 

場所が違えば考え方が変わるように、その想いを素直に聞き入れてもらえないときもあったそうです。傷つくような言葉を言われ「被爆証言をするのが怖くなった、こんな想いをするなら続けたくない」と涙を流して話す方もいました。

 

船で証言をする土田和美さん

 

それでも証言を伝える理由はただひとつ。

「自分たちと同じ苦しみを味わう人を出さないため」

 

この人たちの想いをここで終わらせてしまっていいのか、これからの時代を担う自分たちが繋げなければ。皆さんと関わった時間が、私の中にそんな気持ちも芽生えさせました。


皆さんは知っていますか?
どこで死んだのかも分かられずに、苦しみながら亡くなった人がいることを。
死んだ人の骨から肉が取れる感触を。
人の皮膚が簡単にむけることを。
世界から見れば「広島・長崎」ではなく「被爆国日本」として見られていることを。

 

想像したことがありますか?
どこを歩いても死体ばかりの道を。
助けたくても助けられない人が、目の前にいることを。

 

本や資料で情報を得ることはできます。しかし実際に被爆体験した人が、その後どのように生き抜いて、どんな想いで生きてきて、どんなことに苦しんでいるかの詳細までは知ることが出来ません。なぜなら、1人1人被爆時の状況は違うからです。

 

直接体験した人がいなくなれば、その詳細を語り継げる人はいなくなってしまいます。そのとき感じたニオイ、音、感触...それらを伝えることが出来るのは実際に体験した人だけ。

 

「今聞いておかなければ、生の声は聞けなくなる」

 

その危機感が私をピースガイドをしようと行動する決め手となりました。

 

船内で行った核問題に関するワークショップの様子

 

私も実際にヒバクシャの方々と関わるまでは、原爆などは他人事だと思っているところがありました。私の祖父母は広島生まれですが、直接は被爆していません。そして私も広島では育っていません。「だから」と理由にはなりませんが、同じ国に住んでいながらその程度の認識でした。今回の出会いで、関心が無いことがどれほど失礼にあたり、恥ずかしいことなのかを知りました。

 

それに(場所が)離れているからと言っても無関係ではないのです。

同じ地球上であれば、大気や海を通して繋がっています。

 

「○○国が○○洋沖で行った核実験」

 

それは本当に、自分たちにとって無関係だった出来事ですか?

汚染された海水は流れて日本にもたどり着きます。
その海にいた魚を自分たちが食べないという保証はありますか?

ヒバクシャとして苦しんでいる人はたくさんいます。

 

原爆、核実験、原発事故...

 

核兵器を無くす方法は、壊すか使用するかしかありません。

地球を何度も滅ぼしても無くならない量の数があるのに、使い切れるのですか?
核の傘は本当に私たちを戦争から守ってくれるのですか?

 

「ノーベル平和賞をICANが受賞したのに、その話題を日本のニュースで見たことがない。」と友人が言っていました。私は身近に関心がある人が比較的多いので、このニュースが実はあまり大々的に報道されていないことに気が付きませんでした。そんな風に私たちは、知らず知らずのうちに、限られた情報しか得ていなかったのではないかと思いました。

 

この世界には、知ろうとしなければ入ってこない情報がたくさんあります。原爆こと、核兵器のことは、知らなくても生きていける情報かもしれません。それでも私は、すこしでも多くの人に知ってもらい、今一度考えてほしいのです。本当に自分と無関係なことなのかどうか。

 

机上で学ぶことと実際に話を聞くこと、同じ情報量だとしても、自分自身の感じ方、頭へ入ってくるダイレクトさは全然違います。文字では伝わってこないその場の雰囲気、語り部の表情や声の抑揚などを感じ取ってほしい。それが出来るのは原爆体験者が生きている今だけなのです。

 

そして、戦争経験者の平均寿命が80才を越えた今、その機会もタイムリミットが見えてこようとしています。いなくなって「聞いておけば良かった」と気付く、出来なくなってから大切だったと実感する。人生の中で一度くらいはその経験ありませんか?

 

後からならばなんとでも思うことが出来ます。今しか出来ない体験だからこそ、ICANがノーベル平和賞を受賞した今をきっかけに被爆体験を聞いてほしいのです。

 

(ピースボート:橋本舞)
 

 

リターン

1,000


被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

・感謝の気持ちを込めて、サンクスメールを送らせていただきます。

申込数
13
在庫数
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発送完了予定月
2018年3月

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サンクスレターを送らせていただきます。

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