プチミュージカルメソッド

　プチミュージカルは、半年間ミュージカルの公演練習、半年間ミュージカルスクールとして子どもの表現力育成を行っています。

　劇団の前身のクラブ活動の頃、私は大阪芸術大学の秋浜悟史先生から、即興劇を学びました。それまでの私の指導は段取りばかりで、内面から湧き上がってくる演技ではありませんでした。秋浜先生から「あなたの演技は偽物だ」と何度も言われ続けました。試行錯誤の中、いろいろな雑念を振り切った時、自分でも「あ！今、気持ちが入った」という瞬間があり、その時透かさず先生は「それだよ。それ！」とおっしゃったのです。「これか！」と思いました。

　それから即興劇について勉強し、指導方法を１８０度変えたのです。形を作って後から、気持ちを入れる方向から、気持ちから出てくる演技を形で整える方向です。

　私たちが宝塚ミュージカルコンクールで優勝した時、年老いた手品師と子ども達が分かれるシーンで、出演者の子どもはみんな本当に泣いていました。迫真の演技だったのです。終わった瞬間、宝塚の審査員の先生方が、全員スタンディングオベーションで迎えて下さりました。そして審査委員長の内海重典先生が「プロ野球が高校野球に負けた」と審査員特別賞を贈ってくださったのです。この子どもたちを育てたのがプチミュージカルメソッドです。その後も、イギリスの演劇教育の第一人者であるケネス・テイラー先生を訪ねてミドルセックス大学に勉強に行きました。

　プチミュージカルは、ただミュージカルが好きな人の集まりではありません。ミュージカルの手法を使って子どもたちの表現力を育てるという社会的な役割を持った団体です。

プチミュージカルメソッドのひとつストップモーション