【残り4日】国外退避・保護支援の様子を一部ご紹介！Part2

9月中旬、REALs理事長でアフガニスタン国外退避・保護支援に取り組む瀬谷の元に、「夫の元同僚が…」と一本の動画が送られてきました。

送ってきたのはアフガニスタンでREALsの支援を受け退避を待つ女性。

動画に映っていたのは以前NATO軍のエンジニアだったあるアフガン人男性が自死する姿でした。

その男性は動画を送ってきた女性の夫の元同僚でした。

外国軍協力者として命を追われたことから表で働くこともできず、とうとう子どもたちにパンを買うお金もなくなり、絶望して命を絶ったということでした。

「夫がこの動画を繰り返し観てふさぎ込んでいる」と心配する女性。瀬谷から動画を削除して観ないようにすることを夫に伝えるよう連絡しましたが、彼女の夫はガス栓をひねり、未遂に終わったものの一家心中を試みてしまいました。

この夫婦はどちらも命の危険にありますが、妻の方が名指しで殺害予告を受け危険度が高いためREALsは彼女と連絡を取ってきました。今は夫の精神的なサポートを行うため、彼とも直接やり取りをしています。

「外出すると捕まるから、牢獄のように将来に希望もなく、自分や家族が殺されるかもしれない恐怖のなか潜伏生活をもう2年も続けている。亡くなった元同僚は親友でもあった。子どもたちや妻に食事も買えず絶望した彼の気持ちが痛いほどわかる。同じような人もたくさんいるんだ」

この家族はヨーロッパへの受け入れの最終段階ですが、それでも730日以上、心が削られる極限状態の日々を続けています。

女性が置かれてる状況も過酷ですが、男性も子どもや妻の前で気丈に振る舞わなければというプレッシャーや脆さを抱えていることが多くあります。他に話せる人がいない、恐怖で眠れないという声にできる限り早くレスポンスし、やりとりを重ねます。

自ら動画をセットして最後の姿を残した男性が伝えたかったことを考えます。

絶命するまでの彼の動きに躊躇する様子はありませんでした。

この男性と直接話すことはできなかったけれど、今は彼の家族の生活支援ができるよう準備を進めています。