保健師の視点からの「さぽんて」

 

豊岡 萌絵

　ほけんしオフィス  トキエノ／保健師

　NPO法人あえりあ正会員

　「さぽんて」に登録している「さぽメン（サポートする有資格メンバー）」

 

 

高齢者分野で働いた約10年間、医療や介護、福祉など、さまざまな分野の方々と連携し、たくさんの方の「困った」や「助けて」に寄り添ってきたつもりです。

 

ですが、医療・介護・福祉の公的制度では、対応できないこともたくさんありました。

 

▶︎どうにかしたかったけど、何もできなかった①

「街でお友だちとランチがしたい」

入院、リハビリを経て、自宅に戻ってきた高齢者。

以前のように、お友だちとランチを楽しみたいという一心で、リハビリを頑張ってきた素敵な女性でした。

でもある日、「ランチは無理だと思うの、諦めるわ」と。

こんなにリハビリを頑張ったんだもの、誰かがランチに付き添ってくれたら

行けるはず。でも、、、

 

公的制度ではランチへの同行は対応不可、一般的な保険外サービスは高額で手が届かない、という理由で、ランチに行くことはできませんでした。

 

▶︎どうにかしたかったけど、何もできなかった②

「時々顔を見に行って、声をかけてくれるような介護サービスはありますか？」

と家族から相談。

遠方に家族がいる、一人暮らしの高齢者。

介護保険制度では、残念ながら対応不可。

きっと昔なら、ご近所同士で見守り合い、声をかけ合えていたのかもしれない。

 

ほんのちょっとしたサポートがあれば、安心して暮らせる人がたくさんいます。

でも、この「ほんのちょっとした」サポートは公的制度にはありません。

 

▶︎「さぽんて」なら解決できる！

このような「公的制度のすきま」を埋めるサービスが、2021年から、北海道札幌市で始まりました。

 

「さぽんて」です。

 

「さぽんて」には、1人では不安なランチに付き添ってくれる人がいる。

ちょっと顔を見に行って、声をかけてくれる人がいる。

そして、その人たちは、普段は医療介護福祉分野で活躍する専門職！

 

いつか家族や自分がサポートを必要とするかもしれないと考えると、

「さぽんて」ってとても心強くないですか？！　

 

▶︎「さぽんて」のこれからの課題

障がい児とその家族を対象にスタートした「さぽんて」ですが、現在は高齢者分野にまで対象を広げて活動しています。

 

その中で新たな課題も。

「高齢者はWeb上の操作に慣れていない」ということ。

 

「さぽんて」はWeb上でサポートが必要な人とサポートしたい人がつながるサービス。

「さぽんてを使ってみたいけど、わたしにはハードルが高いわ」という声を耳にするように…

 

高齢者が使いやすくなる

イコール

すべての人が使いやすくなるはず。

 

必要な人に必要なサポートを届けられるように。

そして、札幌市以外の地域にも、このしくみを広げていけるように。

「さぽんて」は現在、クラウドファンディングに挑戦しています。

 

「さぽんて」が次の一歩を踏み出すために、ぜひご支援をよろしくお願いいたします。