【利尻昆布はこんな感じで利用しています】

《宗谷のしおかぜたまご》と名称が決まったのは昨年の今頃。

それまでは《カヤニファームの卵》、《最北の平飼い有精卵カヤニ》と２度名称を変更していました。

 

全国各地、その土地に合った飼い方や飼料、こだわりをもって同じように鶏を飼っている養鶏家である先輩たちがたくさんいらっしゃいます。みなさんが積み重ねてきた創意工夫を学びながら、日々鶏と向き合っています。

 

ずっと引っかかっていることがありました。

 

ご縁があって住まう稚内。

暮らしに必要とはじめた養鶏。

では、カヤニファームの養鶏（卵）の特徴はなんだろう。

平飼い、北海道産１００％、飼料、無添加。

これだけで十分なんだと、評価していただいたこともあります。

でも何か足りない・・・。

 

『地域性』なんだ、と思うようになったのはこの３年ほど前からでした。

３年前、じーっと卵と向き合いたどり着いたのが、《宗谷のしおかぜたまご》でした。

 

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

《宗谷のしおかぜたまご》となった理由のひとつ、利尻昆布について。

 

昆布は稚内産利尻昆布を仕入れて使わせていただいております。

 

昆布は捨てるところがありません。

品質により等級に分けられ、さらに加工用、部位ごと（みみ⇒両端のヒラヒラした部分、根こんぶ⇒根っこ　など）に分けられます。漁師さんのお話では関西方面の高級料理店さんなどは届いてからさらに置いて熟成させてから利用するのだそうです。

 

一方、飼料用の昆布パウダーというのもあり、これは外国産で国産はまだ見たことがありません。あっても相当高価なものになると思います。

 

 

 

毎日もしくは数日分まとめて、パウダーにしてから利用します。

利用方法はあれこれ模索しました。

始めは水に浸しやわらかくして。でもこれは結局乾燥してしまい鶏が食べてくれません。小さくしてもだめでした。

そこで、石をも砕く高速カッターを購入。予想以上にきめ細かいパウダーになり、確実に鶏さんたちの胃袋へ。とても手間のかかる作業ですが、鶏の健康、栄養面を考えるとぜひ与えたい飼料のひとつでした。

結果、卵の風味も良くなりました。

 

 

 

とても丁寧な仕事の積み重ねが、1枚の利尻昆布をつくります。

漁師さんを訪ね作業場を見せていただいたとき、はじめてそれがわかりました。

 

飼料用昆布パウダーではなく、こうして地元で採れる昆布を利用できることは本当に幸せです。

 

カヤニファーム

代表　伊藤香織