祇園祭を支える築153年の重要文化財の京町家・杉本家住宅を後世へ!

寄付総額
目標金額 5,000,000円
- 寄付者
- 222人
- 募集終了日
- 2023年11月13日

東京国立博物館|価値ある文化財を救い出す。源氏物語図屏風、修理へ
#伝統文化
- 現在
- 59,265,000円
- 寄付者
- 2,838人
- 残り
- 30日

明日を担う伝承者の養成を共に支える│国立劇場養成所サポーター募集
#伝統文化
- 総計
- 135人

物価高でごはん食べられない若者に今すぐ食糧を|緊急支援2025冬
#子ども・教育
- 現在
- 11,484,000円
- 寄付者
- 306人
- 残り
- 30日

ぬるぬるのお引越|万博・落合陽一 null²パビリオン次なる場所へ
#ものづくり
- 現在
- 216,654,000円
- 支援者
- 12,278人
- 残り
- 30日

国宝 彦根城、日本の遺産を未来へつなぐ|高橋架け替えで蘇る大名庭園
#地域文化
- 現在
- 7,985,000円
- 寄付者
- 195人
- 残り
- 37日

貧困・虐待などで親を頼れない若者に伴走支援を|若者おうえん基金
#子ども・教育
- 現在
- 7,062,000円
- 支援者
- 329人
- 残り
- 7日

引退競走馬にセカンドキャリアを!!
#動物
- 総計
- 101人
プロジェクト本文
終了報告を読む
クラウドファンディング終了の御礼
【祇園祭を支える築153年の重要文化財の京町家・杉本家住宅を後世へ!】にご支援をくださりありがとうございました!
お陰様で、プロジェクトは第一目標500万円を達成し、最終的に128%にも及ぶ641万円超のご支援をいただきました。このサイトへ直接ご支援いただいた方は222名様となりました。そして、わたくしどもから代理支援をさせていただきました方が21名様。合計243名様に尊いご支援をいただきました。
昨年に引き続き実施した今回のプロジェクトでは、前回ご支援くださったみなさまからのお力添えを大変多くいただきました。プロジェクトは、令和4年度から継続して行っている大屋根葺き替え工事の第2期・第3期の費用のためであり、工事とこのプロジェクトをずっと見守ってくださるあたたかなお気持ちを日々感じながら、大きな勇気をいただきました。そして、今回の挑戦にお心を寄せてくださりご支援くださったすべてのみなさまに、幾重にも心から感謝を申し上げます。
この度のご寄付は令和5年度第2期ならびに令和6年度第3期の工事費用に充てさせていただきます。ここに改めてご支援に厚く御礼を申し上げます。今後共、杉本家住宅の令和の大修理をお見守りくださいませ。ご支援者のみなさまにとって杉本家住宅が京都での憩いの場となるよう、心尽くしてまいります、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会
代表理事杉本千代子・杉本節子・杉本歌子
重要文化財・杉本家住宅をこの先も、この場所で
町衆文化・祇園祭とうつくしい町並みを継承し続けるために
京都市内で最大級の京町家、杉本家住宅。
令和4年度の第1期工事に引き続き、
令和5年度第2期工事を現在進めています。
令和6年度に第3期工事を予定し、
工事完了は令和7年3月末の予定です。
重要文化財の京町家を修理することは、
京都が世界に誇る
ユネスコ世界文化遺産であり、
祇園祭 伯牙山に関連する
京町衆の有形無形の文化遺産、
そして商家の食文化や
京都市中に残る昔ながらの美しい景観を
後世に繋ぐために必要な事業です。
今回の工事費用にも温かいご支援をお願いします。
リターンが気になる方はこちらもご覧ください
杉本家住宅とは
京都人の昔ながらの暮らしを紡ぐ家
杉本家住宅は、かつて呉服商奈良屋を営んだ、京都市内で最大級の京町家です。店の間棟と主屋、土蔵3棟などを含め、民家として数少ない重要文化財のひとつとなっています。2010(平成22)年に重要文化財指定を受け、翌年に庭は「杉本氏庭園」として京都府下の民家の庭で初めて国の名勝に指定されたことは大きな話題となりました。
かつてあったうつくしい町並みと景観を今に伝えて
住宅は、表屋造りというスタイルで、表通りに面する店の間棟が奥に続く主屋と分けて建てられています。それに加えて、敷地奥には、商家で一年中日々食べられていた漬物や梅干などを蓄える「漬物小屋」が別棟として配置されています。
間口30数メートルに及ぶ大店の構えは、京格子、虫籠窓など典型的な京町家の意匠をとどめ、祇園祭には、杉本家住宅の前に山鉾のひとつである伯牙山が建ち、通りに面した当住宅の店の間が「伯牙山お飾り所」となる風景は、町衆が継承する祭礼の象徴でもあります。
さらには、住宅の北面と西面は、綾小路通りと四条通りを結ぶ膏薬辻子(こうやくのずし)に囲まれており、表屋造りの表構え、西高塀越しに見える土蔵の白壁、それに続く北面の黒高塀が一連となって、昔ながらのうつくしい京の町並みと景観を今に伝えています。
年間に約300戸もの京町家が取り壊されている中、このようにかつての形を残す京町家は現代において大変貴重な存在となっています。
杉本家住宅の「令和の大修理」最終章を目指して
伯牙山のお飾り所である「店の間」・商家の食文化を伝える「漬物小屋」・景観を守る黒高塀を修理したい
今回のプロジェクトでは、令和5年〜6年にかけて実施する工事の費用を募ります。具体的には、伯牙山保存会の町会所(お飾り所)にもなっている「杉本家住宅 店の間棟」と京の食文化を伝える「漬物小屋」、京都独特の小道“辻子(ずし)”の昔ながらの美しい景観を生み出す黒高塀の修理となります。
建物と併せて京町衆が守ってきた祇園祭のならわし・伝統文化・食文化と昔ながらの景観を繋ぐために、今回の工事が必要です。
修理箇所
1.店の間棟の大屋根全面葺き替え・高塀修理・壁修理・耐震補強工事
2.漬物小屋の耐震診断、耐震補強工事、瓦の葺き替え
3.膏薬辻子に北面する黒高塀
工事は、令和4年に第1期工事として主屋の大屋根葺き替えを終え、現在、令和5年第2期工事を進めています。引き続き、来年度の第3期工事を全うすることで昨年から丸3年をかけて行う令和の大修理が完了します。
工事の概要について
第2期・第3期工事箇所

第1期工事:2021年12月~2022年12月末(終了)
主屋棟部大屋根全面葺き替え、仏間棟屋根葺き替え、西高塀修理、耐震補強
第2期工事:2022年12月〜2024年3月末(予定)
工事費:11,000万円(国庫補助等を差し引いた当財団負担額:2,200万円、うち現段階での不足分100万円)
主屋店舗部屋根全面葺き替え、西高塀修理、耐震補強
第3期工事 2024年4月~2025年3月末(予定)
3,300万円(①3,000万円 ②300万円 国庫補助等を差し引いた当財団負担額:900万円)
①漬物小屋(重要文化財)耐震診断・耐震補強、瓦の葺き替え ②膏薬辻子に面する黒塀
重要文化財の京町家と京町衆の文化を後世に繋ぐための今回のプロジェクトは、第一目標500万円、最終目標は800万円です。いただいたご支援は、令和5年度〜6年度で杉本家住宅の修理にかかる費用の一部としてご支援をお願いするものです。

必要金額について
前回、READYFORでクラウドファンディングを呼びかけた時点では、第1期・第2期の工事費用として1,500万円が不足しておりました。結果、1,000万円余りのご支援をいただきました。このご支援金額の内、クラファンサイトの利用料、消費税、リターン品費用、郵送料、通信費といった諸経費を差し引きし後、約800万円を工事費用として充てさせていただくことができました。
引き続き寄付募金を継続して行ってまいりましたが、修繕箇所の追加、資材の高騰などが発生し、令和5年9月現在、第2期工事費用は約100万円不足しております。また、第3期(令和6年度)工事費は約3,300万円、そのうち当財団負担額は約900万円です。
合計で、第2期・第3期工事に必要な費用は1,000万円となります。
クラウドファンディング概要
■第一目標金額:500万円
■最終目標金額:800万円
■資金使途:2023年(令和5年)年度〜2024年(令和6年)年度にかけて実施する杉本家住宅(民家として数少ない重要文化財のひとつ)の修繕・補強、手数料、その他諸経費
■プロジェクト終了要項:2025年3月末(予定)までに公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会が杉本家住宅の修繕・補強を完了したことを以て、プロジェクト終了します。(工事は第1期・第2期・第3期に分かれていますが、今回いただいたご支援は第2期・第3期工事分の費用の一部に充てさせていただきます。
※修理工事に必要な金額と目標金額の差額について、今回はAll or nothingのプロジェクトにしましたので、募集期間内に目標金額に届かなかった場合はプロジェクト不成立となってしまうことから、第一目標金額を低くしてチャレンジしています。
※今後の公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会が負担する金額約1,000万円/公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会の公式ホームページはこちら/杉本家住宅の修理事業は、京都府文化財保護課の進行管理を受けて実施いたします。
今回の工事箇所の詳細
第2期工事の詳細〜景観を守り、地域文化継承をする場「店の間棟」
店の間は、矢田町の町会所と伯牙山に関する諸行事の場として、奈良屋記念杉本家保存会が場所を提供しています。
祇園祭のお飾り所として使われることは、杉本家とわたくしどもの財団にとって意味深く、代々、ハレの祭りと神事の奉仕に努めてきました。祭りが近づく6月下旬、厄除けの護符である『粽(ちまき)』が届き、お町内の女性と子供が飾り付けをします。
コロナでここ数年間は寄り合うことが取りやめになってしまいましたが、祭りを中心にお町内の人々の集いの場としての役割も果たしています。そして、7月12日から山の組み立てが始まり、14日に伯牙山のご神体、懸装品などが男性の手で飾られ、八坂神社の神官を迎えての清祓いなど、宵山のたくさんの行事が行われます。店の間棟の玄関には、伯牙山の定紋入りの緋色の傘と提灯が高張竿に掲げられ、山の駒形提灯が灯されると、いよいよ祇園祭本番です。
夕刻になると近くの鉾では祇園囃子が奏でられ、当住宅のお飾り所は、昔ながらの宵山情緒をひときわ生み出しています。そして17日の山鉾巡行当日は、飾り所から山へとご神体と飾りが移され、祭りはハレのクライマックスを迎えます。

7月17日山鉾巡行
店の間は、通りに面して京町家の景観を守っているとともに、文化の継承の場・地域文化継承の場でもあるのです。
第2期工事完了後、美しく葺き上った屋根、塗り替え修復した虫籠窓、新しい材で貼った板塀で装った店の間での伯牙山お飾りと令和6年の祇園祭を、ご支援いただいた皆様と晴れやかに迎えることを思い描いています。
第3期工事の詳細〜耐震への対応
第2期工事の最中、北海道、北陸地方、関東地方、九州地方など全国各地で震度の大きな地震が相次ぎました。今回、第2期工事を行う建物以外の重要文化財に指定されている他の棟について、耐震診断を行った結果、補強工事が必要となりました。
●漬物小屋について
漬物小屋は、木造2階建て、建築面積30.71平方メートルの規模で、呼び名の通り、漬物や梅干など、一年中を通して必要な保存食品を蓄えるための建物です。
商家の食事には“おこうこ”と称する大根の糠付けが日に三度の食事に必ず出されており、食事に密接に関りのある大切な建造物です。築150年を超える年数を経て老朽が進み、建物の構造的にも、主屋よりむしろ脆弱であることが指摘され、耐震補強が必要です。近年のゲリラ豪雨、線状降水帯による大雨など、京都もその自然環境の変化にさらされ、瓦の傷みが著しく進んでおります。
●北面黒高塀と膏薬辻子(こうやくのずし)について
住宅北面は辻子(ずし)という京都独特の通り抜けの小道に面しています。四条通りと綾小路通りを通り抜けできる膏薬辻子(こうやくのずし)は、伝統的な町家が立ち並ぶ歴史的細街路です。その辻子に面する20数メートルに及ぶ黒高塀の傷みが顕著であることから、台風などの強風と地震対策をしながら保全すべき箇所として工事が必要です。
膏薬辻子に面する一角を占める当住宅が生み出す景観は、京都市の中心部にあって希少な例です。膏薬辻子は、京都市の地域景観づくり協議会制度に基づき、膏薬辻子まちづくり協議会によって、景観と環境の維持が図られています。
膏薬辻子とは:https://kyoto-magazine.com/kouyaku/
なぜ今修理が必要なのか?
京町衆の祭礼のならわしを守りたい!工事完了への決意!
当住宅は、京都の目貫通り四条烏丸にほど近く、この界隈は、祇園祭で『鉾の辻』と呼ばれる祭の中心地で、宵山の賑わいは数十万人にものぼります。周辺のホテルの窓から、当住宅を俯瞰してみると、瓦は傷みによりモザイク模様にみえています。
しかし築150年を超え、店の間棟の大屋根は、いたるところ瓦が割れ、雨漏りし、高塀の壁は崩れ落ち、外板壁、駒寄などの木部も朽ちており、大きな地震に耐えられないほどに傷みが著しくなりました。
コロナの影響で、祇園祭の巡行は2年間中止となり、当保存会の収益の柱であった祇園祭の期間の公開収入は90%以上の減収となってしまいました。
巡行は昨年3年ぶりに行われましたが、文化財を守る費用の確保は大変厳しい状況の中、迫りくる老朽化をくいとめるため、わたしたちは「待った無し」で令和4年度から3カ年度をかけて、大屋根葺き替えと修復工事を進めることを決意しました。矢田町にとって、伯牙山にとって、欠かせない場を守る立場として強い思いで取り組みます。
すでに第二期工事はスタートしています
一刻でも早く修理が必要な状況であるため、既に第二期工事には着手しています。
現在、瓦をすべておろし、葺き土、土居葺きと呼ばれる羽重ねに敷かれた薄い板まですべてを取り除いている最中ですが、老朽で真っ黒な土埃にまみれた瓦、土居葺き1枚1枚、竹釘1本にさえ、伯牙山を大切に守り伝えてきた当町の人々の祭を愛する心が宿っていることを感じます。
杉本家住宅とクラウドファンディング
これまでも多大なるご支援をいただき心より感謝申し上げます
当保存会は、これまで2回のクラウドファンディングに挑戦してまいりました。これまでで約1,100名の皆様から約1,800万円ものご支援をいただいており、令和の大工事に大切に活用させていただいております。
クラウドファンディングの中では、「京都の町並みを守り続けてください」「維持し続けることは大変だと思いますが応援しています」など、大変温かく、勇気づけられるメッセージを多数いただきました。
クラウドファンディングをやると決めた当初は不安な気持ちが大きかったのですが、皆様からの応援の声やご支援により、今では「クラウドファンディングをやってよかった」と、心から思っております。

京町家を未来に残していくために、継続して挑戦していきたい
当保存会では、今後もクラウドファンディングを活用して杉本家住宅の大工事・保全活動を行いたいと考えています。
京文化や京町家のうつくしい町並みを繋げていくためには、修復が必要な箇所は数えきれないほどございます。一つ修復したら、また次の箇所…と、終わりがありません。人間に健康診断が必要なように、定期的にメンテナンスをし続けなければ建物もいつか朽ちてしまいます。この先の未来へ京町家を残すためには、今回の大工事はもちろんのこと、定期的な保全活動を継続することが必要です。
そのために、これからもクラウドファンディングを一定の周期で実施することで、ご賛同いただける皆様と一緒に、文化財を守り続けたいと考えております。
そして、ただ修復・保全をするだけではなく、昨今増加している自然災害へ対応できるような建築物に強化することや、修復活動を通じて貴重な木造建築や京文化を外部に発信していくなど、未来のために必要な取り組みにも着手してまいります。
京町家は費用や保全する団体が足りずに取り壊されることも増えておりますが、当保存会は諦めることなく、この住宅と京文化を守り続けます。
今後必要な改修工事(予定)
杉本家住宅の庭は「杉本氏庭園」として名勝に指定されています。令和4年から現在進めている重要文化財建物の工事において、仮設足場を庭に建てることが余儀なくされ、植栽、苔の衰弱が広い範囲で目立つようになりました。また庭園を囲む黒文字塀なども築153年を経て、老朽が著しく、耐震補強も含め、修理工事の必要に迫られています。
修理を通して、京町衆の祭礼や文化も後世に繋ぐ
令和5年の祇園祭は、コロナの影響からほぼ抜け出した晴れやかな祭礼を迎えました。コロナ前にも増して国内外から多くの観光客が訪れ、その賑わいから、新しい未来の京都へ向けて、民家として数少ない重要文化財のひとつであるこの住宅を次の時代へ繋ぎたい!京都に京町家があってよかったと喜び合いたい!という思いがより一層強くなりました。
京町衆の伝統文化、ならわしを後世に繋ぐため、京町家を保全してゆくことにクラウドファンディングを通じて、お力添えをお願いします。文化財や、それにまつわる文化の数々について、皆が意識していかないと未来には引き継がれません。どうか皆様もクラウドファンディングを通じて、私たちと一緒に文化の継承に心を寄せていただけないでしょうか。
表通りから眺めることのできる軒端に葺く新瓦、邸内の玄関まわりに葺く、目立つ場所の新瓦をリターンにしています。ご支援が目に見える形で、祇園祭と杉本家住宅に刻まれます。祇園祭を支える町衆のひとりとして、お力添えください。どうか、ご支援をお願いします。
ご支援のお願い

人間国宝 友禅
公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会 評議員
森口 邦彦
祇園祭の山鉾町最大規模の町家遺構である杉本家の住宅とその環境を保存公開するため同家のみなさんが総出で、さまざまな年中行事を欠かさず丁寧に取り行われる姿勢は、大切な文化財としての家屋、庭、その佇まいに加え、それらが記憶するインテリジェンスとも言うべきものが継承されることを願っての活動であり、この点を大いにご理解賜った上で、篤いご支援をいただきたいと存知ます。
応援メッセージ

三代浜作主人
森川 裕之
京都の町衆、京都人にとりまして、国指定重要文化財杉本家住宅は心の拠り所であります。私は先代のご当主杉本秀太郎先生から永くご厚誼をいただいております浜作という料理屋の主人でございます。この混沌としたご時世の中、ご先祖から代々受け継がれてきたもの(有形)を如何にして現在維持し、また次代に残すか、京都の老舗に生まれたものは少なからずこの至上命題と日々向き合わねばなりません。この点において杉本家の皆様は個人の生活を犠牲にしてまで、厳格かつ繊細な精神をもって「家を守る」という一念の下、ご家族一丸となって立派にお役目を果たされて参りました。その日常のご生活こそが無形文化財と言えるものであり、傍目に拝見して実に頭の下がる思いであります。同じ京都人として、是非とも皆様の汎く厚いご支援を賜りますこと不肖私よりお願い申し上げる次第に存じます。

一般財団法人伯牙山保存会
理事長
村岸 伸行
私共、伯牙山保存会は戦後、当時使用しておりましたお飾り所を喪失いたしました。その際、当時杉本家八代目当主・故杉本郁太郎氏のご配慮により、京町家・杉本家住宅内を伯牙山保存会の祗園祭行事遂行の場としてご提供いただけることになりました。以降、長年に渡り、宵山行事期間中、店の間を懸装品お飾り所(会所)として使用させていただいております。
この度、杉本家保存会様が大屋根の修繕事業にクラウドファンディングを活用されるとお聞きいたしました。伯牙山保存会としてお力になれることはないかと検討し、微力ながら力添えさせていただくことになりました。
ご協力いただけます皆様とご一緒に古き良き京の町家文化継承・維持に携わることができましたら幸いです。

作家
恩田 陸
杉本家を訪れるたびに、古いということの新しさにいつもびっくりする。
澱んだところがちっともなくて、風通しがいいところにもハッとさせられる。
子供の頃の記憶だけでない、遺伝子の記憶みたいな、いろいろな種類の懐かしさが湧き上がるのと同時に、必ず未知の発見もある。
そういう場所が、今も京都の市井に息づいていて、変わらず存在し続けてくれているのは、とても素敵なことだし、つくづくありがたいと思う。ささやかながら、そのお手伝いができることに感謝します。
(写真提供:朝日新聞出版写真映像部)

亀屋良長株式会社 代表取締役社長
吉村 良和
私と杉本家さんとのご縁は40年ほど前に遡ります。幼い頃ピアノを習いにお伺いしていました。大きな扉を開けると薄暗い静まった空気が張り詰めていました。30年ぶりに杉本家さんの大きな扉を開けたのは10年ほど前。イベントで和菓子をお出しする時でした。扉を開けるとそこにはあの頃と変わらない時間のない静寂が流れていました。これほどまでに変らぬことに驚き、同時にこの建物を手入れし守り続けられてきたことに静かな感動を覚えました。
コンクリートの面積が大半の町に住んでいながら一歩扉を開けると五感で人の営み、そして自然が感じられる京町家は先人の知恵の結晶だと思います。慌ただしい現代社会で暮らす人々が忘れがちなゆったりとした静寂、自然とのつながりを感じさせてくれる重要文化財杉本家の修復にお力をお貸しください。
河井寛次郎記念館 学芸員
鷺 珠江
京町家の中の京町家といえる杉本家住宅。その美しさは、器である建物の素晴らしさだけでなく、その内側で日々くり返される杉本家の人々の暮らしの美しさ、正しさにより、ゆるぎのないものとなってきました。
杉本家住宅―杉本さんのお家にお邪魔すると、身も心も凛とした心地よさに包まれます。それは行き届いたお手入れの賜物です。こうして住まう人に愛され慈しまれる家は本当に幸せです。ここまで連綿と続いてきた杉本家住宅の幸せを、これからもずっと未来に繋げてゆきたいと心から切に願っています。

NHKエデュケーショナル コンテンツ制作開発センター
美術教養グループ チーフ・プロデューサー
倉森 京子
「送り笛」という美しい振舞いを、杉本節子さんに教わりました。訪れていた杉本家住宅をおいとまする時のこと。「お見送りしませんから、家を囲むろうじから帰ってくださいね」。指示の通りに歩いていると、邸内から聞こえてきたのです、節子さんが吹く笛の音色が。
同い年の節子さんから、こうした「美しいこと」をどれだけ教わってきたでしょう。この家で育った日々から節子さんが身につけ、いま世に伝えようとしているあれこれのこと。修理がすすむ大屋根と共に、その「美しいことども」が次代につながりますようにと、強く願っています。

株式会社フェリシモ代表取締役社長
矢崎 和彦
「文化とは何のことか?」とユネスコ本部職員に尋ねたことがある。彼はしばし考えて「文化とは生活のことだ」と返してきた。人が生きる営みこそが文化だと言うのである。だとすると文化遺産は文化の痕跡でしかないということになる。蝉の抜け殻のようなものだ。杉本家は今日まで脈々と文化のバトンを繋ぎ続けている京都の象徴的存在である。この奇跡のようなリレーを私たちの時代で終わらせるわけにはいかない。抜け殻にしてはならない。だから私は応援したい。

観世流シテ方 片山家第十代
片山 九郎右衛門
ひた、ひた、と毎日変わることなく続けられてきた美しく、ひたむきな生活がそこには確かにある。わたしたち能役者は、そういう日常の美しさを見いだす方々の目によって鍛えられ、そして今に至るまで支えてもらっている。その原点であり、昇華点とも言えるものが...いまここに、息をひそめるかのようにいるのです。

京都大学/総合地球環境学研究所
浅利 美鈴
今、世界ではSDGs(持続可能な開発目標)がキーワードとなっています。都市としての長い歴史を持つ京都は、持続可能性に関するヒントを得ると同時に、本質を考えるための宝庫として、改めて注目を集めています。
杉本家やそこでの暮らし、価値観は、まさにその生きた学びの場です。他方、昨今の気候変動は、私たちの体のみならず、建物にも大変な負荷になっているようです。
今、手を入れなければ、世界に誇れる京都、いや日本の知恵を失ってしまうことになります。私たちの行動が、レガシーになることを確信しつつ。

京都女子大学 学長
竹安 栄子
京都女子大学と奈良屋記念杉本家保存会様とのご縁は、故杉本秀太郎先生が長年にわたり本学で教鞭をお執りいただいたことに遡ります。令和2年度は、本学にとって創基100周年、そして杉本家住宅築150年の記念すべき年にあたり、旧米蔵をお借りして「京都女子大学 杉本家KOMEGLAキャンパス」を開設させていただくことになりました。杉本家住宅は、町衆文化を現代に伝える京都の代表的町家建築です。日本が世界に誇る文化財の中で、本学学生のみならず、地域社会や世界中の人々が学ぶ価値は計り知れないものがあります。その杉本家住宅を末永く未来に伝えていくために、この度の大屋根瓦の葺替えは大変重要な意味があると理解しています。京都女子大学も『重要文化財の京町家を後世へ!築152年の杉本家住宅の修復にご支援を』を応援しています。
リターンものがたり
今回皆様に感謝の気持ちを込めてお届けするリターンには「ものがたり」が込められています。その一部をご紹介させてください。
伯牙山の御朱印<蝶飾り金具>&<ご神体伯牙>モチーフ・特製オリジナルカード
伯牙山は、中国周時代の琴の名手伯牙をご神体に祀る山です。山を飾る懸飾品は、中国の漢詩、仙人図などを京刺繍や織物で表現した品々です。34基の山鉾それぞれに意匠を凝らした飾り金具がある中で、蝶々をデザインした金具は大変に珍しく、伯牙山の飾り道具の中でひときわ目を引く逸品です。
令和5年、この蝶々型の豪奢な飾り金具と伯牙の横顔をモチーフにした御朱印が新調されました。
リターンとして、この御朱印をモチーフに、八坂神社の御神紋も神々しく、金銀撒き散らしの和紙を台紙にした今回限りの特製オリジナル・カードに仕上げました。店の間を葺く新瓦とセットにしたリターンです。
祇園祭伯牙山のならわしを継承する杉本家住宅の令和大修理の御支援の記念に、お手元にお届けします。
一文字瓦(いちもんじがわら)

京町家の表に面する棟の通りに向かって伸びる庇を、通り庇といいます。その軒先の瓦の端は、何の飾りけもなく、すっぱりと切り落とされたような真一文字の面をみせて葺き並べられています。これが一文字瓦。両隣の軒端が端正に連なる京の家並の美しさを、この一文字瓦が生み出しています。
来訪者はこの一文字瓦に迎えられ、奥へと通ります。祇園祭で伯牙山のお飾り所となる店の間軒先に葺かれ、晴れがましく多くの人目にふれる一文字瓦です。伯牙山ゆかりのリターンとのセットです。ご支援が目に見える形で、祇園祭と杉本家住宅に刻まれます。祇園祭を支える町衆のひとりとして、是非、ご支援ください。
伯牙山のちまき

伯牙山の御神体の伯牙は、琴の名手。厄除けの護符として授けられる伯牙山ちまきは、琴の弦を支えて音を調える琴柱(ことじ)をデザインした掛け紙と「蘇民将来子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)」の護符で飾ります。
蘇民将来と巨旦将来(こたんしようらい)の兄弟の伝説<一夜の宿をもとめた武塔神を、富裕な弟巨旦は断ったが、貧しい兄蘇民は粟柄を敷いて座席をしつらえ、粟飯を献じてもてなしたことから、神に宿を貸した善行により茅の輪の法を教えられ、子孫に至るまで災厄を免れることを約束された説話に由来します。玄関に掲げ厄除けするのが京町衆のなわらしです。
ご支援いただく新瓦は屋根に葺かれお手元に瓦そのもの届きませんが、伯牙山ちまきをお飾りいただき京町家のならわしをご自宅でおたのしみください。
手ぬぐい―おさるの新左衛門

杉本家のおだいどころの荒神棚で代々の暮らしを見守り続けてきたおさるさん。伏見人形という古くから京都伏見の稲荷大社の参道で売られていた素朴な素焼きのつくりです。当家の初代が申歳なので<おさるの新左衛門>とも呼ぶ杉本家のアイドルです。前回のクラウドファンディングでは、大屋根の葺土を日本酒で練ったレプリカが大好評でした。今回は、手ぬぐいに連続模様をデザイン。さるは、魔がさる、勝る、と音が通じ、縁起がよいのです。おさるの新左衛門、手ぬぐい巻いてカメラ目線のワンショット!お首まわりの汗拭きまたは防寒グッズとしても重宝する手ぬぐい、お手元で是非ご愛用ください。
「火用心」のお札

杉本家の「火用心」のお札は、代々伝わる版木で摺ります。京都では、京盆地の西、愛宕山頂の愛宕神社が火伏の神さんとして崇められ、家々では神社のお札を護符として火元に貼るのですが、版木摺りの当家独特のならわしであるこのお札を、新瓦と組み合わせたリターンにしました。家業だった呉服商奈良屋佐原店の朱印を押しています。杉本家のおだいどころを火から守ってきたお札です。
歴史たしなみコース<その1>座敷欄間の蝙蝠(こうもり)柄のこと京唐紙襖の文様
杉本家住宅のディテールを映しとった特製グッズ。座敷の欄間には、蝙蝠の図案が透かし彫りされています。中国で蝙蝠は吉祥を表すとされ、蝠と福は同義語です。福を呼ぶものとして陶磁器等にみられます。日本では江戸後期、七代目市川団十郎が家紋や染め柄にして大流行しました。蝙蝠というと薄気味わるいイメージがありますが、忌み柄ではないのです。今回、数寄屋袋、菓子楊枝入れにデザイン。京唐紙の襖模様を浮き立たせたオリジナル懐紙を「おとなのたしなみセット」として作りました。杉本家の歴史と奥ゆかしい文様を手元でおたのしみください。
歴史たしなみコース<その2>京唐紙の襖模様オリジナル懐紙

杉本家住宅の襖にはいくつかの種類があり、部屋の使途に応じて文様が異なり、美しい陰影を生み出しています。懐紙に浮き立たせたのは、京格子の部屋の襖文様。京唐紙の
美しさをうつしとった和紙の風合いが魅力です。懐紙は、メモ、ティッシュ代わりなど、バッグにあると重宝します。数寄屋袋とのセットは、おとなのたしなみグッズとして、バッグ・イン・バッグとしても。
税制優遇措置について
●京都府からの認定により、公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会へのご寄付は特定公益増進法人への寄付として、確定申告により法人税・所得税の寄付金控除(所得控除)の対象となります(所得税法第78条第2項及び法人税法第37条第4項該当)。
●寄付金の入金を確認後、「寄付金受領証明書」を2024年1月中にお送りします。
●寄付の受領日はREADYFORから当財団に入金がある2024年1月10日を予定しています。
●寄付金控除を受けるには、確定申告の際「寄付金受領証明書」を添付する必要がありますので大切に保管してください。
注意事項
●本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、READYFOR利用規約の「命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」の項目をご確認ください。
●第一目標に到達し、支援が確定した後の返金やキャンセル、支援コースの変更はご対応いたしかねますので、何卒ご了承ください。
●ご支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。
- プロジェクト実行責任者:
- 杉本 千代子(公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会)
- プロジェクト実施完了日:
- 2025年3月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
令和5年の第二期、令和6年の第三期にかけて実施する工事費用の募金。具体的には、伯牙山保存会の町会所(お飾り所)にもなっている「杉本家住宅 店の間棟」と京の食文化を伝える「漬物小屋」、京都独特の小道“辻子(ずし)”の昔ながらの美しい景観を生み出す黒高塀の修理。 1.店の間棟の大屋根全面葺き替え・高塀修理・壁修理・耐震補強工事 2.漬物小屋の耐震診断、耐震補強工事、瓦の葺き替え 3.膏薬辻子に北面する黒高塀修理 令和5年9月現在、当財団が負担する第2期工事費用は約100万円不足、第3期工事費は約900万円不足しており、必要な費用は1,000万円。建物と併せて京町衆が守ってきた祇園祭のならわし・伝統文化・食文化と昔ながらの景観を繋ぐために必要なプロジェクトです。
リスク&チャレンジ
- プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
- 必要金額と目標金額の差額は自己資金(借り入れ含む)で充当します。
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
プロフィール
京町家遺構として唯一重要文化財に指定される杉本家住宅を保存・公開し、京町衆であった京呉服商家独特の年中行事とくらし・食文化の継承・保存・公開
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
ギフト
5,000円+システム利用料

<寄付金控除型> お気持ち応援Aコース
特別な返礼品をお届けしない代わりに、より多くのご寄付を杉本家住宅の未来のために活用させていただきます。
●お礼メール
●芳名録へお名前記載(希望制)
●ホームページにお名前掲載(希望制)
●寄付金受領証明書(郵送)
- 申込数
- 55
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年4月
10,000円+システム利用料

<寄付金控除型> お気持ち応援Bコース
特別な返礼品をお届けしない代わりに、より多くのご寄付を杉本家住宅の未来のために活用させていただきます。
●お礼メール
●芳名録へお名前記載(希望制)
●ホームページにお名前掲載(希望制)
●寄付金受領証明書(郵送)
- 申込数
- 31
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年4月
5,000円+システム利用料

<寄付金控除型> お気持ち応援Aコース
特別な返礼品をお届けしない代わりに、より多くのご寄付を杉本家住宅の未来のために活用させていただきます。
●お礼メール
●芳名録へお名前記載(希望制)
●ホームページにお名前掲載(希望制)
●寄付金受領証明書(郵送)
- 申込数
- 55
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年4月
10,000円+システム利用料

<寄付金控除型> お気持ち応援Bコース
特別な返礼品をお届けしない代わりに、より多くのご寄付を杉本家住宅の未来のために活用させていただきます。
●お礼メール
●芳名録へお名前記載(希望制)
●ホームページにお名前掲載(希望制)
●寄付金受領証明書(郵送)
- 申込数
- 31
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年4月
プロフィール
京町家遺構として唯一重要文化財に指定される杉本家住宅を保存・公開し、京町衆であった京呉服商家独特の年中行事とくらし・食文化の継承・保存・公開




























