ナルトくんが教えてくれた「諦めないこと」と被災地の猫たちの未来のために

10年前のあのとき、センターの職員さん（現たんぽぽキャットクリニック獣医師 小野内）がそっと私に言いました。

 

「この子、もう長くはないかもしれない。
でも、もしよければ、最後はセンターで穏やかに過ごさせてもらえないだろうか？」

 

センターでは、苦痛軽減のために週末には安楽死対象となっていました。ちょうど殺処分０を達成する年だったと思います。

 

あの時、その子をセンターに置いてきていたら、当時の殺処分０も、そして今の殺処分０はなかったかもしれません。

そうおもうと、その子が繋いだ命はかぞえきれません。

 

 

その子の名前はナルトくんと名付けました。

 

多頭飼育崩壊の現場から、飼い主さんが亡くなった後、17匹の猫たちとともにセンターに収容されました。保護場所ではケージに入れられたまま、行き場を失った命もありました。

 

私が初めて会ったナルトくんは、骨と皮ばかりのガリガリの身体で、ひどい下痢をしていました。私はナルトくんをそのままセンターには置いて帰れませんでした。

 

「この子はもう助からない」と言われたとしても、せめて最期の時間だけでも、暖かい場所で、誰かに見守られながら過ごしてほしい。その一心で、私はナルトくんを連れて帰りました。

 

そこからが、奇跡が始まりでした。

 

病院で診てもらうと、末期の腎不全、ステージ4。
獣医師にも「1週間持つかどうか」といわれましたが…

 

ナルトくんは「1週間」どころか、10年も生きてくれたのです。腎不全だけでなく、膵炎を患い、何度も入退院を繰り返しました。処方食を試しては合うものを探し、薬を使いながら体調を整える日々。それでも彼は、人が大好きで、スタッフやボランティアさんに甘えてくれました。

 

何度も「もうダメかもしれない」と思った瞬間がありました。でもそのたびに、彼は奇跡のように持ち直し、まるで「まだ生きるよ」と言っているかのようでした。

 

 

おじいちゃんだってたくさん遊んだよ。

 

そして10年。

20歳を超えたナルトくんは、最期の時間をみんなの愛に包まれながら過ごしました。

ボランティアさんが床にシートを敷いてくれて、みんなが交代で見守ってくれました。

最後は、夜中の2時すぎ。
ねこてまり（たんぽぽの里の保護猫カフェ）の店長が駆けつけ、静かに旅立っていきました。

 

ナルトくんが私たちに残したもの。ナルトくんは、教えてくれました。

「諦めなければ、命はこんなにも輝けるんだ」と。
 

ねこてまりで皆様をお出迎えしていた時期もありました

 

センターに置いてきてしまっていたら、彼は「数日」の命だったでしょう。

でも、諦めなかったから、ナルトくんは10年も生き、愛され、幸せな時間を過ごせました。
 

そして今、私達はまた、同じ思いで被災地の猫たちの未来を守ろうとしています。
被災地には、ナルトくんと同じように「生きたい」と願いながらも、過酷な環境に置かれた猫たちがたくさんいます。

私たちが動かなければ、助かるはずの命が失われてしまいます。
 

だから、私達は絶対に諦めたくありません。

 

今、クラウドファンディングで、移動手術車を作るための資金を募っています。
この車があれば、被災地に行って、避妊・去勢手術を施し、命をつなぐことができます。

 

残り4日。
あと4日で、このプロジェクトの未来が決まります。

 

どうか、ナルトくんが繋いでくれたこの想いを、次の猫たちに託させてください。
皆さんのお力を、どうか貸してください。諦めずに、最後まで戦わせてください。

 

どうか、ご支援をお願いいたします。

現在、支援総額14,719,000円、支援者数は1,209人。
目標達成まで、あと10,281,000円が必要です。

目標の半分を超えることが出来ました。1200名以上の方々に支えいてただき

本当に感謝しています。この挑戦を成功させる為に最後の力をどうかおかしください！皆様の応援が未来を変えます。どうかよろしくお願いいたします。

https://readyfor.jp/projects/tanpoponosato-noto
目標金額2,500万円
3月31日（月）23時まで