日本翻訳文化賞受賞者が18世紀チェコを描く『暗黒』を出版します
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支援総額

1,163,500

目標金額 1,000,000円

支援者
85人
募集終了日
2016年2月29日

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2016年02月24日 10:02

列聖式の夜の灯火照明

 

1729年にネポムツキーが聖人に格上げされ、プラハで彼の列聖式が挙げられた晩に、プラハの町で灯火照明(イルミネーション)が行われた様子を描いた部分です。現在プラハではプラハ城に夜間照明が当たり、大きな見物になっていますが、300年前に、これよりもっと盛大な灯火照明が行われました。

 

 その日の夜プラハは壮大で華やかな照明で、この上なく明るかった。いたる所どこも輝きで溢れ、最も奥まった路地裏から城壁からヴィシェフラトから新市街の高台から、下の川では橋の上や川面や対岸で、そして坂の上方ではストラホフやプラハ城区や王宮や聖ヴィート教会で、どこも沢山の明りが、窓の中や外や塔にあり、色付きの角灯やランプや薄い生地に描かれた絵や松脂を燃やした火や、蝋(ろう)松明の輝きがあった。この光の洪水の中で果てしない人波が続き、騒音と喧騒と広場の陽気な音楽が響いていた・・・・・・・

 

(主人公の一人であるイジークの継母の)ブジェジノヴァー夫人は、プラハ郊外の丘の上にある彼らの葡萄畑の園亭から、祝祭の素晴らしい灯火照明の光景が見られるのではないかと思い付いた。彼女の夫はその通りと賛成し、あすこなら灯火照明全体が見えるだろうから、行ってみようと皆に勧めた。

 

彼らは葡萄畑に出かけ晩になると、そこからプラハが展望できる園亭の前のベランダに立った。今景色の代わりに見えるのは、おとぎ話の世界であり奇跡であった。彼らは驚きと驚嘆で黙ってしまった、光の海を、明るい窓や通りの並びを、明るく照らされた門や塔を、塔の間に掲げられた、輝く大きな横断幕を見て、そして彼らの視線が壮大な背景に向かい、明るく照らされたストラホフの修道院や教会や塔を見た時に、さらに王城と聖ヴィート教会とその塔に向けられた時に。そこではどこも膨大な数の光源があり、窓の中も、外の窓台にも、屋根の上にも、何千という火の付いた蝋松明があった。それらの光は城の上空で瞬き震え、教会ではその屋根の棟に沿って、また塔では薄い生地に描かれた何枚もの絵が遠くまで光を放っていた。

 

彼らはその絵を見分けることは出来なかったが、前もってそこにはチェコの守護聖人たちの絵が掲げられることを聞いて知っていた。城と聖ヴィート教会とその塔は、まき散らされたような無数の光の中で壮麗にそびえていた。それらすべては幻のようで、輝くプラハの魅惑的な眺めの中でも最も魅惑的なこの眺めは、何か魔法にかけられた城のように見えた。そして赤みを帯びた光の洪水は、その上空の夜空に登って広がっていった。

 

リターン

3,000


出版の援助

出版の援助

・エルベン『花束』(私家本)
ドヴォルジャークの交響詩の原作が含まれており、日本語で読める全訳は本書だけになります。

申込数
8
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年8月

5,000


出版の援助

出版の援助

・エルベン『花束』
・ムハ(ミュシャ)のスラヴ叙事詩の解説(CD版)

申込数
17
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年8月

3,000


出版の援助

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・エルベン『花束』(私家本)
ドヴォルジャークの交響詩の原作が含まれており、日本語で読める全訳は本書だけになります。

申込数
8
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年8月

5,000


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・エルベン『花束』
・ムハ(ミュシャ)のスラヴ叙事詩の解説(CD版)

申込数
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2016年8月
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