写真家ストーリー① 八木豪彦

今回のプロジェクトメンバー12名の写真家たち。

 

それぞれが、このプロジェクトのために提供した写真作品について、そのエピソードをリレー形式で紹介します。

 

初回は、八木豪彦から。

 

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インドの春を祝う色祭りホーリー祭は毎年2月〜３月の満月の日に行われる。赤、黄、ピンクなどの色粉・色水をかけ合い、互いを祝福するヒンドゥー教のお祭りだ。祭りの期間は学校や仕事が休みとなり、都市で働いてる人々は故郷へ帰省して家族と一緒にホーリー祭を迎える文化が根強い。

僕はホーリー祭が近づくと現地の友人の家に滞在し、日常を垣間見ながら祭りで変貌する彼らを写真に収めていく。

 

インド北部の小さな村ナンドガオンの頂上には村全体を見渡せる寺院がそびえ立ち、村のシンボルとなっている。神が育った聖地としてクリシュナ神像が祀られており、インド全土だけでなく世界各国から人々がぞくぞくと集まる。

この日を待ち焦がれていた僕たちは、四方八方から色水や色粉をかけ合い、生きる喜びを全身で分かち合う。夕刻の淡い光が差し込む中、寺院には歌声が響き、鮮やかな赤い粉が信者を包み込む。カラフルな色彩とエネルギーに満ち溢れた信者のパワーに心奪われ、一心不乱にシャッターを切った。

 

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●八木豪彦　Takehiko Yagi

1988年生まれ。2014年よりフリーランス写真家として活動。 6カ国でホームステイ滞在を経験し、現地の人と仲良くなるのが得意。言葉の壁を越える力が写真にはあることを実感している。 日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2015グランプリ受賞。

http://yagitakehiko.com/

https://instagram.com/yagi_takehiko