
支援総額
目標金額 1,000,000円
- 支援者
- 65人
- 募集終了日
- 2024年3月15日

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- 8,045,000円
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- 現在
- 691,000円
- 支援者
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- 残り
- 6時間

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#観光
- 現在
- 2,582,000円
- 支援者
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- 残り
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国立科学博物館マンスリーサポーター|地球の宝を守りつづける
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- 総計
- 679人

千歳市立富丘中学校陸上部 全国中学駅伝への挑戦
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- 現在
- 287,000円
- 支援者
- 45人
- 残り
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#子ども・教育
- 現在
- 740,000円
- 支援者
- 133人
- 残り
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奨学金の原資が不足しています│未来応援奨学金にいがた2025
#地域文化
- 現在
- 1,745,000円
- 支援者
- 93人
- 残り
- 29日
プロジェクト本文
終了報告を読む
松本恵司と申します。
私は、兵庫県の県立高校を定年退職し、現在、姫路市立好古学園の講師をしています。生まれて育ったのは、兵庫県相生市です。今は三木市に住み、週末は相生で地域に関する活動をしています。
相生は、古代に秦氏が開発し、室町時代は東寺百合文書で有名な矢野荘という荘園、江戸時代は、浅野赤穂藩の一部になり、赤穂藩断絶後も、旗本浅野家が若狭野を所領として幕末まで存続しました。大正時代は、鈴木商店が播磨造船所を拡張し、臨海部は、工業都市になります。そういうことを調べて、書籍や写真集をつくるのが趣味です。
つくりためた写真集などは、昨年から、Amazonの電子書籍やペーパーバックにして販売しています。 動画もつくっていて、日本史関係は、日本史オンライン講座・若狭野陣屋の保存運動は、チャンネルあいおいというチャンネルで公開しています。高校時代は、出版部で学校新聞をつくっていました。
電子書籍をつくり、YouTubeでライブを配信するなど、多忙な毎日を送っていますが、心残りは、若狭野陣屋の札座の保存運動です。「2024年は、札座の老朽化をくい止め、全面修復への第一歩にしたい」という思いで、クラウドファンディングへの挑戦を決めました。

若狭野陣屋は、赤穂浅野の分家、若狭野浅野家の陣屋です。
浅野内匠頭が、吉良上野介に刃傷に及び、赤穂藩は断絶しますが、若狭野と家原の浅野家は、幕末まで旗本として続きました。
赤穂浅野5万石の所領は、赤穂郡で、現在の赤穂市・相生市・上郡町にあたります。若狭野浅野家の所領は、他藩と境を接しないように設定されていました。明治時代に若狭野村となり、現在は、相生市の一部になっています。
若狭野は、赤穂藩領の内にあり、統治は赤穂藩が行っており、初期の陣屋跡は小さなものでした。しかし、赤穂藩が断絶すると、所領統治のために陣屋は拡大されます。江戸時代中期、平和な時代に建設されましたから、堀や石垣のような防御施設はなく、周囲は生垣になっていました。陣屋の拡張整備は続き、1822年、藩札発行にともない陣屋の東南隅に札座が建てられ、札奉行が執務していました。


明治に入り、浅野家の紹介で札座に大山郁夫一家が住んでいました。大山郁夫は小学校時代を札座で暮らし、後に早稲田大学教授から大正デモクラシーで活躍する政治家になります。
明治30年代、御殿屋敷と家老屋敷は取り壊されましたが、札座は、地域が庵寺法界庵として使用したため、現地に残りました。1942年、陣屋の敷地の北半分が浅野家から地域に寄付され、今は須賀神社と薬師堂があります。
その後、札座は、地域の集会所として使用されていましたが、近くに公民館が新設されたため、集会所としては、不要になりました。2016年、浅野家は、若狭野陣屋の札座を相生市に寄付したいと伝えましたが、相生市の文化財保護審議会が札座は保存する価値がないと判断していたため、相生市は受け入れを断りました。
私の趣味は、乾電池のコレクションで、当時、乾電池博物館をつくろうと考え、建物を探していました。若狭野陣屋の札座が空いていると聞き、乾電池博物館に使用ではないかと見に行ったのが、札座との関わりの始まりです。
一緒に見に行った建築に詳しい友人たちは、「この建物は、相当手を加えないといけないから、やめた方が良い。」という意見でした。私は、乾電池博物館はともかくとして、「札座は、文化財とか歴史的建造物としての価値はないのだろうか。」と考えました。というのは、当時、私たちは相生のまちづくりをする運動をしていたからです。
相生は、江戸時代の城下町・宿場町・門前町など、「町」のないところから、播磨造船所の企業城下町として「市」になった、珍しい成り立ちを持っています。こういう町は、歴史や文化の核がなく、古い建物は次々に壊されていきます。相生で生まれて育った私は、それで良いのかと疑問を感じていました。
調べてみると、相生は中世の王家領矢野荘の領域をそのまま受け継いだ珍しい歴史を持っています。今は、観光地ではありませんが、大学の先生方は、荘園研究のために相生にやってこられます。大学の歴史の先生方と話していて、矢野荘は、観光地としての潜在力を持っていると考えました。

王家領矢野荘は、下地中分された後、西半分が東寺領矢野荘になります。ここが江戸時代に旗本浅野家の所領になりました。そのため、この地域は、東寺百合文書で荘園を研究する先生方が、「宝石箱」と呼ばれるほどです。
「ここで日本史学びツーリズムを展開しよう。」それが当時の私たちの目標でした。
若狭野陣屋の札座は、単体としても文化財・歴史的建造物ですが、東寺領矢野荘・旗本浅野家領と結びつけることによって価値が高まります。こうして、札座を日本史学びツーリズムの資料館にしようと、考えがまとまりました。
当時のことを伝える赤穂民報です。
https://www.ako-minpo.jp/news/11157.html
私たちは、兵庫県の古民家再生プランに応募しましたが、相生市にはこの制度に対応する制度がなく、県・市・私たちが資金分担する方策は使えないことがわかりました。
それから、7年、札座の管理を続けながら、最小限の補修を行ってきました。その間、札座は老朽化が進み、屋根の破風が破損しました。応急処置として、屋根の破風の修理及び屋根の点検を行い、順次、保存のための工事に踏み出す時期が来たと考え、クラウドファンディングにチャレンジすることといたしました。
札座を修理して保存していくためには、若狭野陣屋と旗本浅野家領(中世の東寺領矢野荘)を観光資源として活用する必要があります。このプロジェクトをきっかけに、東寺領矢野荘の魅力を知っていただきたいと考え、クラウドファンディングを企画しました。
昨年、札座の屋根の東北部分の破風が壊れました。放置しますと雨漏りしてしまいますので、応急処置をする必要があります。
今回のプロジェクトでは、屋根の東北部分の破風を修復し、屋根全体を点検して、雨漏りを防ぐ工事を行います。クラウドファンディングでいただいたご支援金は、全額を屋根の破風の修理費用として大切に活用させていただきます。
■資金の使途
・費用の総額:200万円
※このうち、半分をクラウドファンディングいただいたご支援金を充てさせていただき、残り半分を自己資金で充当します。
応急処置の工事が終わりましたら、修復作業計画を立てて、順次修復工事を行います。
最も主要な工事は、屋根瓦を葺き替え、それに合わせて全体の傾きを補正し、耐震のために壁を増やします。これで、木造建築物は次の百年に入ります。最後に、トタンを白壁に戻す外装工事、快適に使えるようにする内装工事を行います。
現在、札座は非公開にしていますが、補修工事がある程度進んだ段階で、公開して地域に役立つように使いたいと考えています。その段階で、札座(仮称浅野陣屋記念館)は、次のような役割を果たすようになります。
|札座で、文化財・歴史的建築物について
1.札座は、文政5年(1822)に旗本浅野家が札切手(藩札)を発行するにあたって、経理関係を扱う事務所として建設されました。
2.明治維新で札座としての役割を終えた後、当主浅野長発の知人の医師福本剛策一家の住宅になります。福本剛策の次男が大山郁夫です。大山郁夫は早稲田大学教授で大正デモクラシーで活躍し、労働農民党の「輝ける委員長」と呼ばれ、戦前・戦後に国会議員になっています。大山郁夫が小学生時代を過ごしたのが札座でした。
3.明治30年代、浅野家が陣屋を去り御殿屋敷などは売却されました。札座は、地域が買い上げて法界庵という庵寺にしました。これが、札座が現地に残った理由です。
4.戦後、札座は地域の集会所と使われていましたが、公民館が建設されて役割を終えました。
このように札座は、さまざまな使われ方をし、その都度、改築を繰り返してきました。文化財・歴史的建築物がどのように改修・変化してきたかを学ぶ教材として、最適の建物です。2023年2月25日には、NPO法人兵庫ヘリテージ機構姫路の研修会が、若狭野陣屋の札座で行われました。文化財保護の専門家を講師にして、ヘリテージマネージャーが学ぶ研修会です。
文化財保存のスキルを学ぶ場所としては最適の建物だとヘリテージマネージャーの方々は言われます。
|札座を起点にして、旗本浅野家領で日本史を学ぶ
1.近世の旗本浅野家領は、中世矢野荘の中心部を占めています。
2.1137年、鳥羽上皇の皇后美福門院が王家領矢野荘を立荘しました。
3.鎌倉時代、地頭と領家が下地中分を行い、後宇多上皇が領家方を東寺に寄進しました。
4.東寺領矢野荘の文書は「世界の記憶」東寺百合文書として残り、矢野荘は荘園研究の中心の一つになっています。
5.東寺百合文書に登場する地域が、江戸時代の旗本浅野家領になりました。この地域には、古代の古墳や条里制も保存されています。旗本浅野家領は、古代・中世・近世の史蹟が結晶している地域で「日本史の宝石箱」と呼ぶ人もいます。
6.このように旗本浅野家領は歴史ツーリズムに最適の地なのですが、相生市は矢野荘や若狭野陣屋を観光資源と認識していないため、観光客はいません。道路が狭いため、観光バスが入ることもできません。そこで、少人数で深く日本史を学びたい少数の人たちのためのツーリズムを旗本浅野家領(東寺領矢野荘)で行えば、若狭野陣屋の札座の活用を図ることができると考えています。
このコースは巡回コースになっていて、古代の古墳・条里制、中世の荘園・神社・山城・惣堂、近世の陣屋、近代の鉄道・道路・文学、そして現在の農業まで、多様な観点から日本史のすべての時代を語りながら歩きます。ゆっくり説明しながら歩きますと3時間程度になります。高校生の歴史巡検・歴史愛好者のウォーキング・社会科の先生方の研修などいろいろな催しが行われます。一か所で日本史のすべての時代を体験できる稀有な地域です。
YouTubeの動画「旗本浅野家領(中世の東寺領矢野荘)を歩く【旗本浅野家若狭野陣屋クラウドファンディング】」を公開しています。
他、毎年、県立相生高校の生徒さんと歴史巡検をしています。何年かに一度、矢野荘と若狭野陣屋のコースを歩きます。教科書に書いてあること(古墳・条里制・荘園・下地中分・一揆・山城・旗本・忠臣蔵など)を現地と照合しながら説明していきます。
■相生高校関係の記事
県立相生高校相生歴史マップ資料7 若狭野陣屋
https://dmzcms.hyogo-c.ed.jp/aioi-hs/NC3/wysiwyg/file/download/1/1616
■若狭野陣屋は兵庫お城百選に選ばれています。
兵庫県公式観光サイト HYO! GOナビ
https://www.hyogo-tourism.jp/spot/562
若狭野陣屋の札座に関わって、7年が経ちました。私も70歳を超え、札座の修復を急がねばと思い悩む毎日です。全体の補修を完了させ、東寺領矢野荘を観光地化することが最終目標ですが、少なくとも、札座の応急修理を行って次の世代に残すとともに、東寺領矢野荘の魅力を皆さまに知っていただく作業を始めたいと願っています。
どうか皆様の温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。
※このプロジェクトについて、札座所有者の浅野長彦様から許諾を得ています。
- プロジェクト実行責任者:
- 松本恵司
- プロジェクト実施完了日:
- 2024年7月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
旗本浅野家若狭野陣屋に残る札座の屋根の雨漏りを止めるための修理をします。雨漏りを止めることを最優先し、余裕があれば外観の修復を行います。資金は、全額を札座の修復工事費に充てます。
リスク&チャレンジ
- プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
- 必要金額と目標金額の差額は自己資金を充当します。
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プロフィール
兵庫県相生市で育ち、県立高校で社会科を教えていました。定年退職して姫路市立考古学園(高齢者大学)で日本史を担当しています。平日は三木市、週末は相生市で過ごし、相生をフィールドワークして写真集などを作るのが趣味です。2016年、相生市にある旗本浅野家若狭野陣屋に現存する札座が解体されるかも知れないと聞き、保存運動を始めました。それから7年、札座の清掃や補修をしながら、保存を訴えてきました。
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リターン
5,000円+システム利用料
若狭野陣屋と東寺領矢野荘を解説した書籍をお送りします
・若狭野陣屋と東寺領矢野荘を解説した書籍をお送りします。
- 申込数
- 17
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年5月
10,000円+システム利用料

札座に寄付者名入りの木札(小)を掛けます
・札座に寄付者名入りの木札(小)を掛けます。
- 申込数
- 24
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年12月
5,000円+システム利用料
若狭野陣屋と東寺領矢野荘を解説した書籍をお送りします
・若狭野陣屋と東寺領矢野荘を解説した書籍をお送りします。
- 申込数
- 17
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年5月
10,000円+システム利用料

札座に寄付者名入りの木札(小)を掛けます
・札座に寄付者名入りの木札(小)を掛けます。
- 申込数
- 24
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年12月
プロフィール
兵庫県相生市で育ち、県立高校で社会科を教えていました。定年退職して姫路市立考古学園(高齢者大学)で日本史を担当しています。平日は三木市、週末は相生市で過ごし、相生をフィールドワークして写真集などを作るのが趣味です。2016年、相生市にある旗本浅野家若狭野陣屋に現存する札座が解体されるかも知れないと聞き、保存運動を始めました。それから7年、札座の清掃や補修をしながら、保存を訴えてきました。












