支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 392人
- 募集終了日
- 2024年6月30日
【セカンドゴール達成ありがとうございます!】🦇モモジロコウモリたちのこと
皆さま、たくさんの応援をありがとうございます!
皆さまのおかげで、セカンドゴールを達成することができました!
心から感謝申し上げます。
そして、私たちはヤマネだけでなく、他のいきものたちも大切に考えています。
彼らも地域の生態系を支える重要な仲間です。
5月14日の活動報告でお知らせしましたように、湊秋作は、環境大臣から保全部門で表彰されました。これは、湿地保全やコウモリの保全、アニマルパウェイ・キャノピーブリッジの取り組みに対してのものです。
その中で特にコウモリ保全については、モモジロコウモリ、コキグガシラコウモリ、ユビナガコウモリの保全活動を紹介いたします。
ぜひ、ご笑読ください。
今後も皆さまのご支援と共に、ヤマネと地域の生態系を守るための努力を続けてまいります。
モモジロコウモリたちの保全とトンネル開発
1976年のある土曜日の午後。和歌山県本宮町皆地小学校前の国道にリュックを背負った若い青年が、通りくる車に手を挙げていた。ヒッチハイク!
「止まってくれた車の方に 小口方面の近くまで 乗せて下さい」と頼んだ。
車を乗り継ぎ、降りた所から山を20分ほど登ったところに自然のはたらきでできた「洞窟」があった。
入り口は狭く、岩の間を下り、直径60cmの小穴を這っていく。
もし、このとき地震が起きたらの怖さを思いながら進むと、そこには 20畳ほどの広さで高さ3mほどの部屋が広がっていた。
壁の大岩には、かつてここが海だった頃、シャコ?などが掘ったと思われる「生痕化石」がぎっしり張り付いている。
天井もいくつかの大岩からなり、一つは、にょっこり下に突き出て落っこちてきそうな気配であった。
彼は、初めてここにきたとき、部屋の中央部に高さ30㎝ほどのピラミッドのような形で、くろっぱくて、砂のような、粒状のものを見つけた。「なんだろう?」と思い、恩師の土屋公幸先生にこれを送ると「しゅうちゃん、これはグアノといって コウモリの糞だ」と教えていただいていた。
それから2ヶ月ほどたった時、彼は、洞窟にいた。
黒いものがさっと飛ぶ。あちらでも飛ぶ。そして、あのピラミッドの真上には、コウモリが約40㎝ほど幅の塊となって、岩にしがみついている。が、次々と飛びたつ。
彼は、ライトを消してみた。そこには光もまったくない暗闇のただひたすらのまっくらな世界があった。と、顔の近くを翼ふる風が伝わってきた。コウモリたらは けっして自分にに当たることはない。すごい動物だと彼は感じた。
それから彼は、毎月、ここへ通うようになった。移動は、ヒッチハイクから自転車、そして、自動車となっていた。
あるとき、このコウモリの数を数えたいと思った。それは、彼がコウモリ集団に近づき、数える前に一斉に飛んでしまうからである。友人の森博司君(現在、ヤマネ・いきもの研究所の研究員)たちの協力を得て、この洞口の入り口が4つあること突き止めた。
それで、彼は、3つの入り口を布で覆い、夕方、一つの入り口で一人待って、出てくるコウモリの数を数える作戦を行っていた。
突然、約200mほどの上の森から「ギャー」とう声があがった。何回も鳴く。彼もそれに応えるべく「ギャー」と叫んだ。すると、そのすぐあと、彼の背後の大木で「ギャー」の叫び声があがった。彼の鳥肌がたった。あんな距離をわずかの時間で移動してくるなんて、「いったい誰?」。
がさがさと枝が揺れ出した。彼はおそるおそる懐中電灯の灯りを当てた。
でかい目、長い尻尾。「ムササビ」であった。彼は、週明け、小学校で「先生は、ムササビと話ができた」と担任した子どもたちに自慢したのは 言うまでもない。
彼の調査は、コウモリを捕まえる。体重と前腕長(コウモリの腕の長さ)を測る、性成熟を観察する、アルミ製のバンドを翼に付けることである。
バンドは、彼の恩師の下泉先生がヤマネ研究と同時に伊豆半島などでコウモリの研究をなさっていたので、彼はその先生の用いておられたバンドを使っていた。それは、彼が卒論を提出したすぐに下泉先生が亡くなれたため、バンドは彼にとって、恩師の遺してくれた「大切な遺品・メッセージ」ともなっていた。
恩師の研究魂の「バトン」が、「バンド」であった。バンドをつければ、再捕獲することで移動経路、行動範囲がわかってくるのだ。
こんな何年間もの毎月の調査の結果、コウモリたちは、モモジロコウモリでほとんどが雌で約200頭で構成される出産集団であることがわかった。
6月頃からこの穴に入り、不思議なことに9月11日頃(彼の誕生日)になると、毎年、一斉にどこかへ飛び去った。この後の秋、コキクガシラコウモリが休息に来て、そして、冬季には数頭のキクガシララコウモリがコウモリ傘をたたむような形で冬眠する1年間のコウモリ利用が毎年であることがわかってきた。洞窟内に網を張るホラヒメグモなども発見していった。
そして、その洞窟から標高で約100m下に、廃坑があった。そこでも、毎月、調査すると60頭ほどのコキクガシラコウモリが毎冬、長さ180mほどの入り組んだ廃坑の場所の特定の場所で冬眠することがわかってきた。コキクにとっては、大事な冬を過ごす場所。また、ユビナガコウモリが、繁殖するときは、夏、白浜町に12000頭が集まり、冬眠する冬、古座川町に8000頭が集まり、春から秋にかけてはこの廃坑の一番奥で100頭ほどが過ごすことがわかった。ユビナガにとっては、出産期と冬眠期以外に利用する大事な「基地」だ。
そこに開発がやってきた。和歌山県土木がモモジロコウモリの洞窟とコキグガシラたちの洞窟の間にトンネルを掘る計画だ。みなさんと相談と協議の中で、コウモリ保全とトンネル開発をどう両立させるかを土木の方、建設する大林組の方に以下のように提案した。
1)モモジロの繁殖洞窟の保全
1:繁殖期はできるだけダイナマイトによる発破を避けること
2:発破により天井の大岩が落ちてこないように支柱を入れること
2)コキク・ユビナガたちの洞窟の保全
1:コキク達の冬眠場所、ユビナガコウモリたちの利用する廃坑のトンネルは
工事で改変しないこと
2:コウモリたちが利用していない廃坑のトンネル部分は、改変してもよい
3:改変で水が廃坑に流入するおそれがあるので、大きなパイプを入れ
水を洞口の外へ排出するようにすること
大林組は、発破をするとき、モモジロの洞窟の入り口に地震計を置き、発破するときの振動を計測した。慎重にやっていただいた。
このようにしながら平成9年8月に県道那智勝浦熊野川線 長井トンネル(長さ549 m)は完成した。
貫通記念式のとき、私を県も大林組も招待してくれた。でも、授業があるのでお断りした。すると添付の「貫通記念」を私にプレゼントいただいた。あのモモジロコウモリの洞窟の石も添えられたコウモリの記念品だ。
ただ、顔はモモジロ君とはあまり似ていないが、コウモリたちからの「ありがとう」の贈り物かもしれない。
湊秋作
リターン
3,000円+システム利用料

【リターン不要な方向け】全力応援コース|3千円
●お礼のメール
●終了レポート
※1度に複数口でのご支援も可能です
- 申込数
- 218
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年12月
10,000円+システム利用料

【リターン不要な方向け】全力応援コース|1万円
●お礼のメール
●終了レポート
●HPにお名前掲載(希望制)
●ヤマネの画像データをプレゼント
●ヤマネの観察動画をプレゼント
※1度に複数口でのご支援も可能です
- 申込数
- 99
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年12月
3,000円+システム利用料

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- 2024年12月

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