【「子育て支援が日本を救う」の著者の講演を聞きました】

　「子育て支援、特に保育サービスは、国の労働生産性や経済成長率、出生率を高め，子供の貧困率、自殺率を下げる……」。社会保障政策の効果を統計分析した柴田悠・京都大准教授（社会保障論）の研究報告は、私たちの活動に勇気を与えるものでした。

　　試算では保育サービスを5000億円拡充すると、経済成長率は0・28％ポイント増加。保育サービスの効果は公共事業や法人税減税よりも大きい可能性が期待できるとのこと。「この研究は一つの試みに過ぎません」と断りながらも、従来、子育て支援などの社会保障政策が経済的効果に及ぼす分析がほとんどされていなかったようです。

　　講演後、柴田先生は病院内保育所の地域開放についての説明に興味を持っていただいたご様子。子育て支援が“弱者救済”との視点ではなく、未来を創っていく手段という主張に共感しました。　　　（全世代理事：前野一雄）

＜本：勁草書房　出版＞