写真集「100人の母たち」について①

写真集「100人の母たち」が出版されたのは、2012年12月。
写真を撮ったのは、30代のフォトグラファー亀山ののこさんです。
3.11当時、双子のお子さんは6ヶ月でした。

~あとがきより~

私はこの子たちを、ただ元気に伸び伸びと育てたい。
お日様の恵みを受けて、風を感じて、泥だらけになって、
海や川や森で体も心もたくさん揉まれて欲しい。
たくさん笑って泣いて怒って感動して、
たくましく生きていってほしい。
私のこの願いは、
きっとどんなお母さんも同じように思うことではないでしょうか。
生き物としての母親の本能的なもの。

2011年3月11日、息子たちは生後6ヶ月でした。
私は、それまで原発というものへ意識を向けたことがない人間でした。
たくさんの感動を味わったり、
またその時その時、私なりに精一杯生きて来たけれど
いつでも、何かの犠牲の上にそれを享受していたということに
気がついていませんでした。

あまりに遅く、浅かった。

そして、気がつき、知った以上、
私はそれに対して反対であるという姿勢を示さずにはいられませんでした。
私の唯一の術、写真をかけて、意志を伝えたいと思いました。
たとえそれまでの仕事を失うことになったとしても。


言葉にまとまらないもどかしい思いを持ちながら
4月30日から母親と子どものポートレイトを撮り始めました。


以上、「100人の母たち」あとがきより抜粋。