犬に尿道球腺はない　犬にある副生殖腺は「前立腺のみ」

診療日なのに何本も記事を出して　ヒジキの写真まで撮って暇なんですか？と言われそうですが

 

こちらは朝から雨で　、ヽ｀、ヽ｀个c(´・ω・`)ﾟ｀ヽ、｀ヽ

 

往診と午前のTNRMには行ったけど　以降、客もゼロだし　午後のTNRMは雨天中止なので 暇です

 

無駄に生きてる‥と思われそうですが、そうでもないです

 

いや　無駄かもしれんが　無駄な事なんてこの世に無いとも言えるし

 

意味のある事も同様に無い・・・と言えるかもしれません

 

世間が価値あるとしてる事の殆どは グローバル資本主義の発展 とか メディアが示すリア充な幸福 とか 物質的豊かさとか だったりでしょう？

 

自分にとって精神が安寧で幸せな事がその基準と違えば、成功や幸福の定義も違う訳ですから

 

 

昨日、１本のメールが外国から届きました

 

去勢してる犬だが、興奮すると股間に膨らみが出る

去勢してても前立腺肥大はあるのか？？

地元の獣医はヘルニアではないか？様子見で行こうと言ってるのだが・・という内容でした

 

💻(´･ω･｀)ﾎｳﾎｳ

 

私の回答は

 

去勢してるのなら前立腺肥大はない

あるとしたら前立腺癌という　リスキーなものかもしれないが

地元獣医のヘルニアという診断を信じるなら鼠径ヘルニア　若しくは　陰嚢へルニアかな？？

 

でした

 

ですが部位も明確ではないし（この時点で画像は添付されてない）

 

包皮炎とか かもな・・・など思ってたら　画像が来ました

 

犬には興奮したら、よくある正常な反応と思い、念のため　先輩獣医に画像を送れば

 

尿道球腺だ

異常ではない　犬には普通にある現象・・・というので (-ω-｡)ｳﾝｳﾝそうか・・・と

 

その回答をメールで返しました・・・が！あれ？

犬には尿道球腺はない

のです

確か

 

副生殖腺は犬は前立腺だけです

 

そこから大学時代の教科書、比較解剖図説下巻を引っ張り出し

アトラスも見、獣医学辞典も見、　結果として

 

やはり　犬には尿道球腺はない のです

 

学生時代の自分の教科書への書き込みも残ってました

「犬は前立腺だけしかない」と

 

必死で勉強してた若いころの自分が古い教科書の中に居ました

 

国家試験対策委員もした自分は重箱の隅をつつくように勉強してましたから　

文字が視覚に浮かび上がってくるように記憶してます

 

ネットで見ても獣医が書いてる記事や文章に　犬の尿道球腺　という表現があります

実はそう書いてるけど　正体は亀頭球なんです

 

別物です

 

尿道球腺、別名　亀頭球・・・とイコールのように書いてる先生も居るけど

違います

 

相談者には図説の画像を送り、亀頭球と思う　

異常ではないが、実際に診療した訳ではないし

（地元の獣医はヘルニアを疑ってる訳ですから）参考までに・・・と

改めて回答しました

 

飼い主も 地元獣医も 英語圏の人ではないけど、図説の学名はラテン語で書いてるから、伝わるだろうと思います

 

こんな事に時間を割いても１円にもならないし、犬の尿道球腺として診断・発表してる先生の方が世間では儲けてるだろうし、試験じゃあるましい、臨床の世界では拘る必要のない問題かもしれないけど

 

こういうの ハッキリしないと自分は気持ち悪いんです　

(｀・ω・´)ｷｯﾊﾟﾘ

 

それに海外の獣医に「それ、犬の尿道球腺だ」と日本の獣医が回答して笑われるの、嫌だったんです

 

仮に本当に「亀頭球」だったら「ヘルニア」と診断した 向こうの獣医もアレですけど・・・

 

自分はこういう感じで　きっとこれからも獣医をしていくだろうと思います

儲かろうが　儲からなかろうが