
支援総額
目標金額 800,000円
- 支援者
- 95人
- 募集終了日
- 2023年3月6日
畑で暮らす黒猫のお話(その1)

今回のお話の発端は、今から5年ほど前まで遡ります。
ある地域の餌やりさんから、私と友人にTNRの協力依頼が寄せられたことがはじまりでした。
全くTNRの習慣が無い地域でとにかく猫が増えている状態、という話を聞いた私と友人は、放っておくことができずに現地へと向かったのです。
そこは私の家から車で30分ほどの場所で、自然豊かな山の中です。
ただ、完全な山中というわけではなく、付近には遊歩道や畑などがあり、ある程度は開けた場所になっています。
私と友人は初めて足を運んだ地域ですが、あまりにものどかな場所で呆気に取られた記憶があります。
そして、猫が増え続けているという現場に到着すると、少し見渡しただけでも10匹近くの猫が目に入りました。
かなりの数の猫がこの地域で暮らしていた。
しかも、当然のようにどの猫にも耳カットは無く、全く手付かずの状態だったのです。
その日は下見で訪れたのですが、あまりにも衝撃的な光景に、私と友人は言葉を失いました。
私と友人はこの状況を一刻も早く解消するべきと判断し、その翌週からさっそくTNRに取り掛かりました。
TNRの初日は猫が集まる夕方の時間帯に現場へ行き、メス猫を優先して捕獲を進めることにしました。
まずは見た目でメスと分かる三毛猫やサビ猫を捕獲する、という作戦でその日は2匹の猫を捕獲しました。
無事に2匹とも捕獲に成功した。
この地域の猫たちは捕獲機に抵抗が無かったこともあり、捕獲自体はそれほど苦戦しませんでした。
ただ、山の中の割には散歩などの人通りが多く、私と友人が猫を捕獲していると異様に目立ってしまいます。
しかも、10人通りがかったら6人が「猫に餌をやるな!」と私と友人に向かって罵声を浴びせていく状況で、言葉にできないほど居心地が悪いのです。
保護猫活動に慣れている友人はその都度、猫に餌やりをしているのではなく手術目的で捕獲していることを説明していましたが、とても理解されることはなく「そのまま猫をどこか連れていけ!」「捕まえたら戻すな!」と怒鳴られるのがオチでした。
しかし、猫の餌やりに文句を言う人が多いということは、それだけ猫が増えていて迷惑している人が多いことを示しています。
つまり、誰かがTNRをしなければ、いつまで経っても猫は嫌われ者のままです。
私と友人は捕獲に行く度に通りがかる人から文句を言われながらも、着々とTNRを進めていきました。
しかし周囲の理解を得られることは無かった。
こうしてTNRを続けるなかで、私は次第に捕獲に行くのが憂鬱になりました。
TNRを頑張ったところで、報酬があるわけでも誰かに評価されるわけでもなく、むしろ通りがかる人の半数以上に罵声を浴びせられるのです。
しかも、私が猫のお世話をしている現場ではありませんし、自分の家の近所というわけでもありません。
「何でこんな嫌な思いをしてまでTNRしないといけないんだろう…?」
「そもそも私には関係ない地域だし、TNRをする義理なんか無いのに…」
保護猫活動1年目で未熟だった私が、このような結論へ辿りつくのにさほど時間は掛かりませんでした。
そして次の捕獲の帰り道に、私は友人へ
「この地域のTNRは大部分が終わったし、もうここに来るのは止めよう。」
と提案しました。
それを聞いた友人は
「TNRが終わった子のお世話もあるし、新しく流れてくる子たちもいるから、せめて週に1回は様子を見にきてあげないと。」
と主張しました。
しかし、TNRの際に度重なる罵声を受けた私は既に心が折れており、友人の主張を受け入れる気にはなれませんでした。
ただ、友人は一度決めたら最後までやり抜くタイプなので、私の提案を完全に呑んでくれることはなく、結局はもう一度だけ様子を見に行き、それを最後にすることで話はまとまりました。
そのため以降は関わりたくない地域だった。
こうしてやってきた山の中で過ごす最後の日、いつも通りに猫たちのお世話をはじめた私と友人へ向かって
「ちょっと、あなたたち!」
と呼びかける声が聞こえてきたのです。
また文句を言われるのか、とうんざりしながら振り返ってみると、近くの畑の中から高齢の女性が手招きしているのが見えました。
近くまで呼ばれて文句を言われるとなると、これは相当に厄介なことになりそうです。
私はある種の覚悟を決めながら、その女性の所へ向かいました。
そして、女性と対面した私に向かって放たれた言葉は、私が全く想像しないものでした。
「あなたたちが猫の手術してくれたんですってね。本当に大変だったでしょう。ありがとう。」
私は驚きと安堵の気持ちが入り混じり、何とも言えない感動を覚えました。
その後、私たちは女性から色々な話を聞きました。
・週に何回か畑で農作業をしていて、その際に猫たちにご飯をあげていること。
・年に何度も子猫が産まれて、その度にほとんど姿を消していること。
・自分でも何匹かここの猫を保護して家で飼っていること。
・猫を手術したかったが、どうすれば良いのか分からなかったこと。
こうして何年も猫が増え続ける状況の中、私と友人がやってきたそうです。
この子はオスで後に捕獲することになる。
私と友人はここの地域はひと通りTNRを終えたことを伝え、さらに猫たちのお世話をしたいけれど、通りがかる人からかなりの頻度で文句を言われることを相談してみました。
すると、女性は畑の隅っこを指差して、
「そこの物陰を使ったら?ここは私有地だしそれほど文句は出ない気がするけど…」
女性の指差した先には、なぜか少し大きめの椅子が置いてありました。
どうやら餌場の雨避けとして、畑の隅に椅子を置いているようです。
私と友人は女性の申し出を有り難く受け入れ、この地域のお世話とさらなるTNRに取り組むことになったのでした。
(つづく)
リターン
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