【近況報告】2月29日 2ヶ月が経ちます

能登町役場に行く機会が増えました。そこに掲げられている書です。
能登高校の書道部の生徒さんたちが書いてくれた大きな作品です。私たち能登町民への応援旗だと思います。そこに書かれている一文字、一文字が生徒さんたちの気持ちだと思います。

地震発生から2ヶ月が経ちます。私たち大人も当初は、この書にあるような言葉を口にしていました。厳しい日々の状況下で自分が自分であるために、そして前を向くために、緊迫した精神状態を維持するためにもポジティブな言動は必要不可欠でした。

時間が経ち色々な状況が変化してゆく中で、ここにきて大人たちは現実と向き合う時期になってきました。とても厳しい現実です。前を向くということが、どこに向かうのかを考えること、これは本当に難しい判断だと思います。

私たち柳田温泉病院は多くの課題があることを覚悟し「病院を再建する」と決めた日から、多くの方々のご支援によって、そこに向かわさせて頂けていることが少なくとも被災地で生活する心のよりどころとなっております。それは私たちにとって本当に救いとなっています。

奥能登に住まう方々から少しづつ弱気な言葉を聞く機会が増えてきました。みんなこの2ヶ月、必死で生きてきたのでさすがに肉体的にも精神的にも限界を感じ始める時期です。そしてこのタイミングで国や県からの復興支援策の説明会が行われ始めるため、否が応でも、この先の生活を考えなければいけない状況も精神的な負担になります。

もしかしたら、これから数ヶ月がとても大変な時期になるのかもしれないと考えています。ライフラインが復旧してくるので肉体的な部分での負荷は減ってくるかと思いますが、間違いなく精神面の負担は続きます。私たちはとにかく心のケアを丁寧に行いながら極力、無理のないように過ごせる環境作りをスタッフと一緒に考えていきたいと思います。

能登高校の生徒さんたちが書いてくれた書にあるような前向きな言葉を大人が自信を持って言えるようになるためにも私たちは歩みを止めず進みたいと思います。