韓国慶州環境運動連合事務局長イ・サンホンさんから応援メッセージをいただきました

連帯メッセージ

福島原発汚染水の海洋投棄を中断するための日本の市民のみなさんの法律闘争を支持します。この知らせを聞いた韓国の市民社会は闘争の勝利を待ちわびています。韓国の市民社会は、ユン・ソギョル政権が汚染水の海洋投棄反対の立場を明確にし、外交的努力を尽くしてほしいと強く要請したものの拒否されてしまいました。ユン・ソギョル大統領は国民の手を振り払い、岸田首相と手を握り、汚染水の海洋投棄をむしろ擁護しています。しかし、私たちは懸念と反対の声を粘り強く上げ続けています。

私は慶州（キョンジュ）の月城（ウォルソン）原発で反核脱原発活動をしています。原発周辺の住民と甲状腺がんの共同訴訟をしてから、もう10年になりました。残念ながら、甲状腺がんの共同訴訟は1審、2審とも敗訴し、現在最高裁判所に係留中です。訴訟の原告は韓国の4つの原発立地地域の半径10キロメートル以内に5年以上居住した後、甲状腺がんの手術をした被害者618人とその家族です。疫学調査で原発周辺住民の甲状腺がんの発病率が原発周辺以外に居住する住民よりもはるかに高いことが明らかになったものの、原発から排出される放射性物質の量が年間被ばく基準値である1ミリシーベルト以下という理由で裁判所は原告の主張を棄却して、核・原子力産業界の味方をしました。

過去10年間、甲状腺がん共同訴訟を行いながら、放射線が人体に及ぼす様々な悪影響を知ることになりました。基準値以下の微量の放射線もがんをはじめ、様々な健康影響を引き起こすという事実を新たに知りました。日本で発行された各種の論文や書籍が放射線の危険性を正しく理解するのにたくさんの手助けをしてくれました。

日本の市民による福島原発汚染水の差止訴訟は、必ず勝利しなければなりません。日本だけでなく韓国を含め、世界の核・原子力産業界は図々しくも放射能汚染物質を液体と気体の形で自然に排出しています。政府の規制基準は、常に汚染物質の排出を正当化する手段として使用されています。日本の市民の訴訟が勝利し、核・原子力産業界の誤った慣行を止める重要な分岐点になることを願っています。