「あぁ、これが施設の子どもたちの何でもない『つまずき』だったんだ」

こんにちは、学習支援スタッフです。私がどんな想いで「児童養護施設での学習支援」に取り組んできたかをお伝えするシリーズ、第2回です。

▼前回のURLと内容

https://readyfor.jp/projects/3keys5/announcements/292799

児童養護施設を訪ねる中で、「何でもないように見えるつまずき」を、毎日学習しても乗り越えられない子たちがいると気付いたものの、その原因は分からずにいました。

しかし、その答えは思わぬきっかけで見つかることになります。

■娘の家庭学習で気付いた、「何でもないつまずき」の原因 

自分の娘が年少になったある時、足し算を教えようとしました。
おはじきを使って2＋2、2＋3…と順に教えました。しばらくして「2＋3は？」と私が聞くと「4かな？あれ？5かな？」と、何か記憶をたどるような様子です。理屈を教えたつもりが、娘には、「すべての組み合わせを覚えるんだ」と伝わってしまったようなのです。

既存の問題集や教科書と比べても、かなり丁寧に教えたつもりだったのに、全く伝わっていなかったことがショックでした。

■つまずきを乗り越えるには、サポートが必要

そこで、「2＋2」と「2＋3」の区別をどう教えるか、書店やインターネットで調べ、〇を分けたり合わせたりする「補数の練習」という学習法を発見しました。その後、おはじきや紙に〇を描いて繰り返し練習することで、ようやく娘は、「2＋2」と「2＋3」の区別ができるようになったのです。

小学1年生の教科書を確認すると、補数の項目はわずか2ページほどで、場合によってはほとんど触れられずに済まされるケースもあるように思われました。

3keysに携わる前から長らく子どもたちの学びを支援してきた私でしたが、この時の娘のつまずきに施設の子たちのつまずきに共通点を感じ、それを教科書や市販教材だけで乗り越えるのは難しいことに、はっと気付いたのです。

～～第3回に続きます～～