
支援総額
目標金額 1,300,000円
- 支援者
- 171人
- 募集終了日
- 2021年7月10日
気仙わたしのふるさと(12)「いま希うこと」〈最終回〉
震災前のままの記憶
東日本大震災から10年。振り返れば、アッという間の10年でした。
目を閉じれば、震災前の街の風景が鮮やかに蘇ってきます。しかし“復興した”新しい街に立つと、その風景は一瞬のうちに消し飛び、どこに何があったのか、分からなくなります。
震災前は元気だった、友人らのことも思い出します。同時に、大切な人を失った家族からの嘆き、苦しみを受け止めきれなかった悔いもまた、蘇ってきます。津波が押し寄せる映像は、今も見ることができません。被災の現実と復興の不条理を伝えるべく講演を行ってきましたが、途中で瞼を濡らすこともありました。
ただ、見えない手に導かれるようにして、10年の間に震災をテーマとした本を3冊書き上げることができました。『東日本大震災 被災と復興と』、『東日本大震災 住田町の後方支援』。そして今回の『高田歌舞伎を継いだ女役者』です。それぞれ大船渡市、住田町、陸前高田市を主舞台にした本です。私を育んでくれたふるさと気仙への恩返しになれば、と思っています。
この3冊を“震災3部作”と位置付けていますが、どのような形であれ、これからも震災の体験と教訓を伝え続けていく決意に変わりはありません。それが被災地と被災者をご支援してくださった皆様への、ご恩返しでもあると考えています。
誰のため、なんのため……
震災2年目から家庭の事情で家族と離れ、大船渡で一人暮らしをしてきました。家を失ったとはいえ、先祖が眠るお墓もあれば、先祖が残した土地もあります。そして家族が戻れる場所を守っておきたい。そんな思いもありました。
家を建てても私たち夫婦の後に暮らす人はおらず、入居を考えた災害公営住宅は家賃が高く、3年後には退去を求められる可能性もあり、いずれも諦めました。みなし仮設の契約が切れた後は、民間の賃貸住宅で暮らしてきました。しかし、家族が暮らす東京と大船渡の二つの竃(かまど)を維持するのは経済的に困難で、一昨年(2019年〈令和元年〉)秋に東京へ移りました。
知人から、「木下君は、ふるさとを捨てるのですね」と言われました。冗談だとは分かっていても、辛い一言でした。私も冗談半分、本音半分で答えました。「私がふるさとを捨てるのではありません。ふるさとが私を捨てたのです」。
東京では自宅そばのマクドナルドとドトールを書斎代わりにパソコンを持ち込み、一杯のコーヒーを飲みながら原稿を打ち続けました。その書斎も感染拡大が深刻化した新型コロナのためにクローズ。以降は、自宅のコタツを仕事机に原稿の完成を目指してきました。新型コロナのおかげで、帰省もできずにいます。
復興事業の渦中に投じられた私は、常に問いかけてきました。
「復興は誰のため、なんのためにあるのか」
「政治は、法律は、行政は誰のため、なんのためにあるのか」
国や都が打ち出す新型コロナの対策・対応を見ながら、あの時と同じ歯がゆさを感じずにはおれません。
心の中にある“ふるさと”
間もなく、2度目となる東京の暑い夏がやってきます。夜もエアコンをつけなければ、寝られない東京の夏。しかも我が家は交通量が多い環七沿いにあって、24時間騒音が絶えません。
震災後暮らしてきたみなし仮設では、夏の夜も網戸にしておけば涼しい海風が入ってきました。周囲を照らす街頭の外側は暗がりが広がり、人も車もほとんど通りません。聞こえてくるのは小川のせせらぎだけ。秋には虫の声が加わりました。いつかまた、そんな生活に妻とともに戻りたいものです。
この身がふるさとを離れても、ふるさとはいつも私の心の中にあります。ふるさとを、ふるさとに暮らす人たちのことを、私は決して、忘れません。
最後に、『高田歌舞伎を継いだ女役者』を出版するため、多くの方々からご支援、お力添えをいただいておりますことに、心から御礼を申し上げます。そして拙いエッセイをお読みいただき、心から感謝申し上げます。
その後「鉄道線」は廃止されBRTが正式となっている。写真は現在のJR東日本・大船渡線の大船渡駅。
駅前にある碑、「共に生きる」は、書家の金澤翔子さんが気仙地域の支援に訪れた際に
揮毫(きごう)したものを写した〔気仙地域応援し隊・宮川典子撮影〕
リターン
2,000円
お気持ちコース
■サンクスレター
■本1冊お届けします
- 申込数
- 43
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
3,000円
本と名入れのコース
■サンクスレター
■本1冊お届けします
■名入れ:本の巻末に支援者としてお名前を入れさせていただきます(お申し込みの際に名入れの「有無」を選んでいただきます)
- 申込数
- 36
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
2,000円
お気持ちコース
■サンクスレター
■本1冊お届けします
- 申込数
- 43
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
3,000円
本と名入れのコース
■サンクスレター
■本1冊お届けします
■名入れ:本の巻末に支援者としてお名前を入れさせていただきます(お申し込みの際に名入れの「有無」を選んでいただきます)
- 申込数
- 36
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月

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- 総計
- 275人

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- 175人
- 終了日
- 12/11

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- 12/23
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- 支援者
- 8人
- 終了日
- 1/25










