
支援総額
目標金額 1,500,000円
- 支援者
- 114人
- 募集終了日
- 2021年12月24日
「原爆、忘れまじ」第二集から 「生きのびて」
K・Aさん
(当時十二歳)
毎年八月六日を母の命日ときめて、姉と二人で供養して四十年間、あの日のことは、忘れようとしても忘れられるものではありませんでした。
当時、父親はすでに四年前に亡くなっておりました。母と女学校四年生の姉と小学校六年生だった私と、女ばかりの三人暮しでした。
千田国民学校に、電車通学していた私は、あの日の朝も七時半頃、家を出て友達の家に寄りました。友達を待っている時に恐しい原爆は落とされたのでした。ものすごい光と音と共に一瞬のうちに家は傾き、友達の家族と一緒に家の下敷きになってしまいました。どこをどうやって家の下から這い出たのかわからないのですが、しばらくして気がついてみると、町中が土煙りの中で、まるで夕方のようでした。町のあちこちは火の海になっていました。友達の家族と炎を逃がれて、あちらこちらと夕方近くまで一緒に逃げまわりましたが、その内に家の事が心配になり、一度家へ帰ることにしましたが、電車は動かないし、線路づたいに家の方角をめざして歩きました。
道路の端には怪我をした人や死んだ人が、大勢倒れておりました。「水をくれ、水をくれ」と、私の持っている水筒に手をのばす人もいましたが、水を与える余裕など、子どもの私にはありませんので、必死で歩き通しました。広島大学のそばまで歩いてくると、日赤の前には、怪我の治療を待つ人・人・人の凄い列でした。電車は止まったまま丸こげになっていました。
家の近くになると、死体はほとんど焼けつくしたのか、骨になっており、道端のあちらこちらの骨の中を歩いて、家のあった場所をさがしましたが、家など跡かたもなくなっていました。歩いている人に母のことを聞いても、皆ぼうっと放心状態で、何も答えてくれません°母は見つからず、仕方なくまた来た道を友達の家まで戻って行きました。お母さんが見つかるまで一緒に置いて下さい、おねがいしますと頼んでみました。
学徒動員で出た姉がどこへ行っているのかもわからずに、焼け跡にバラック小屋を建てた友達の家族と一緒に暮らしていましたが、着るものは一枚もないし、食物はなかなか手に入らない状態の時ですから、近所の人は他人の子まで面倒はみれん、孤児院へ連れて行けと言われて、何度、悲しい思いをしたかわかりません。母に会えるまでお願いします。姉に会えるまで一緒に置いて下さいと、ただただ頼みました。15日目ぐらいに、偶然姉の友人に会うことが出来ました。やっと姉の居場所がわかりました。姉は姉で必死に私を捜していたらしいのですが、やっと会えて、嬉しくて嬉しくて抱き合って泣きました。それから十五歳の姉と二人で、親類を頼って訪ねて行きましたが、どこの親類も自分達の生活が大変な時でしたから、面倒をみてくれると言ってくれる所はありませんでした。秋風が冷たくなる十月頃まで親類を頼り、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、また、野宿をしたりしてうろうろしていました。そんな時名古屋の母方の叔父さんが私達を探がして訪ねて来てくれて、名古屋へ連れて来てくれました。最初の頃は、言葉が通じないので、友達も出来ずに悲しい思いをしました。
昭和二十二、三年頃は、どこの家でも、生活は苦しく満足な暮らしは出来ない頃でしたので、両親のない私たち姉妹にとって、それは悲しく、辛い時でした。今の中学二年生の頃、叔父の家の都合で住み込んで働く所をみつけることになりました。医者の家に住み込みで働くことにしました。
私は小学校六年の時原爆に遭い、小学校の卒業が出来ませんでした。又、住み込みで働くことになって、中学も卒業できませんでした。両親がいないからと、他人に後ろ指さされないように、それからは、働いて働いて、働きどうしの四十年間でした。もう二度とああいうことはいやです。
リターン
3,000円
3,000|応援コース
・感謝の気持ちを込めてお手紙を送らせていただきます。
・リターン費用がかからない分、いただいたご支援金はクラウドファンディング手数料やリターン費用を除き、「原爆、忘れまじ」の制作費用に充てることができます。
- 申込数
- 18
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年8月
5,000円

5,000|「原爆、忘れまじ」セットコース
・復刻したこの7冊に、あらたに作成する解説冊子を加えた8冊を箱入り書籍として制作します。
・5,000円を一口として、一口につき8冊箱入り書籍1セットをお送りいたします。二口のご支援であれば、箱入り書籍2セットとなります。
・ご支援いただいた全ての方に、解説冊子編集委員会から編集中定期報告(毎月予定)を送ります。亡くなった被爆者の方が残された資料や掲載されなかった証言などを、編集中の議論を紹介しながら報告します。
・編集委員会に寄せられた支援者のお便りもご了解を得て解説冊子に加えさせていただきたいと考えています。
- 申込数
- 45
- 在庫数
- 955
- 発送完了予定月
- 2022年8月
3,000円
3,000|応援コース
・感謝の気持ちを込めてお手紙を送らせていただきます。
・リターン費用がかからない分、いただいたご支援金はクラウドファンディング手数料やリターン費用を除き、「原爆、忘れまじ」の制作費用に充てることができます。
- 申込数
- 18
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年8月
5,000円

5,000|「原爆、忘れまじ」セットコース
・復刻したこの7冊に、あらたに作成する解説冊子を加えた8冊を箱入り書籍として制作します。
・5,000円を一口として、一口につき8冊箱入り書籍1セットをお送りいたします。二口のご支援であれば、箱入り書籍2セットとなります。
・ご支援いただいた全ての方に、解説冊子編集委員会から編集中定期報告(毎月予定)を送ります。亡くなった被爆者の方が残された資料や掲載されなかった証言などを、編集中の議論を紹介しながら報告します。
・編集委員会に寄せられた支援者のお便りもご了解を得て解説冊子に加えさせていただきたいと考えています。
- 申込数
- 45
- 在庫数
- 955
- 発送完了予定月
- 2022年8月

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