TNRをめぐる後悔

5年間の保護猫活動を通じて、数百匹の野良猫と関わってきました。

そのうち保護できた猫はほんの2～30匹です。

自分たちでTNRできた野良猫に範囲を拡げたとしても、100匹ほどに留まってしまいます。

つまり、残りの100匹ほどは保護することはもちろん、TNRすることもできなかったのです。

 

その理由は野良猫の警戒心の強さにあります。

どんなに繰り返し餌づけをして慣らせようと試みても、一向に距離が縮まることはなく、TNRをする前に姿を消してしまうのです。

 

去勢・不妊手術を施していない野良猫の行動範囲は広く、短期間のうちに姿を見せなくなってしまうことは珍しくありません。

さらに野良猫が発情期を迎えてしまうと、一層と行動範囲が広がってしまい捕獲は困難になってしまいます。

 

私たちはTNRが野良猫を救うためのひとつの道だと考えているため、捕獲すると決めた野良猫を見つければ何週間という時間が掛かったとしても、辛抱強く捕獲に取り組むよう心がけています。

しかし、先述したとおりの理由で、どうしても捕獲できなかった猫もいました。

私たちは個人のボランティア活動ですから、どんなに頑張ったとしてもTNRに費やせる時間には限りがあります。

そういう時は仕方なく諦めるのですが、やはり後悔が残ってしまいます。

 

特に三毛猫やサビ猫はメスが確定ですから、TNRに失敗してしまうと子猫が産まれてしまう原因になります。

今までに何度かTNRに失敗した三毛猫やサビ猫がいることを考えると、もっと根気強く時間を使ってでも、TNRするべきだったと後悔してしまうのです。

 

このように5年間のTNR活動を通じた中には、後悔や反省するべきことがたくさんあります。

今後のTNR活動に後悔や反省を残さないためにも、これからの保護猫活動をもっと見直してみるべきだと考えています。