地域猫Tちゃんの思い出

まだまだ毎日暑いですね。

昨夏、たいそう暑い中、大変な目に遭ったTちゃんのことを思い出します。

 

 

TちゃんはTNRされた地域猫として、5～6年くらい地域の皆さんに可愛がられていた猫さんでした。

或る日、近くのマンションの敷地からスゴイ鳴き声がするのでK様が言ってみると、そこには捕獲器に入ったTちゃんが居ました。餌に釣られて入ってしまったようです(-_-;)

 

そのマンションでは、猫が敷地内に入り糞をして困っているので捕まえて他所へ捨てに行くと言う方がおられるようで、それで捕獲器が仕掛けられたようでした。

 

炎天下の中、2時間程ずっと捕獲器に入れっぱなしにされていたTちゃん。

ひとまずなんとか出してもらえましたが、可哀想に思われたお世話をしている地域の方を代表してK様ご夫妻がリアンに相談に来られました。

 

話し合いの結果、リアンでお預かりして里親募集することになり、Tちゃんを捕獲。K様と一緒に駆虫等の初期医療を施すために動物病院へ連れて行きました。

 

血液検査の結果、エイズ陽性であると判明。

 

リアンはワンフロアーのため隔離する部屋がないので、Tちゃんを受け入れることができません。

これは困った😨

 

一先ずはリアンでお預かりして、どうするか検討することに。

K様はお世話をされていた地域の方とも話し合いをされたようですが、結局K様が引き取ることを決断してくださいました。

そこに至るまでにはご家庭の事情など様々な問題をクリアすることが必要でした。特に、発症していないとはいえエイズであるTちゃんを引き取ることは、難題だったと思います。それでもK様は一つ一つ丁寧に前向きに検討してくださいました。本当にありがたいことです。

 

Tちゃんを迎えるべく準備を進めて、いよいよお迎えの日が来ました。

 

K様ご夫妻が迎えに来られて、キャリーに移そうと私が手を出してもガンとして動かなかったTちゃんが、奥様が「Tちゃん、迎えに来たよ。おうちに帰ろうね」と声を掛けると、「おかあさ～ん、会いたかったよぉ」と言っているかのように奥様に自らしがみつき、嬉しそうに抱っこされたのでした♡

その姿を見て、もう思わず涙が出ました。

 

自分がどうなるのか何も分からないまま、それでもじっと我慢して３週間ほどケージの中で過ごしていたTちゃんはどんなに不安だったことか。K様のお迎えは、待ちに待った瞬間だったことでしょう。

 

こうやって書いていても、あの光景を思い出すと涙が溢れます。

 

1匹の猫を迎えるということは簡単なことではありません。

可愛いとか可哀想という気持ちだけで簡単に手を出せる事ではありません。先々のこと、経済的なこと・・・K様がそれらを真剣に考えてTちゃんを迎えることを決断してくださったことは、感謝に堪えません。

 

Tちゃんにとっても、ずっとお世話をしてもらって顔馴染みのK様のお宅の猫さんになることは、何より幸せなことだったと思います。

 

長年外猫生活をしてきたTちゃんにとって、家の中で過ごすことは戸惑いもあったようですが、今では落ち着いて幸せに暮らしています。

Tちゃん、良かったね♡　K様、本当にありがとうございました！

 

 

この時、私は自分の力の無さを痛感しました。

他県から引っ越して来て、誰一人知った人のいない場所で猫カフェを始めた私には、協力してくださる保護猫活動をしている方とのコネクションもほとんどなく、一時的にTちゃんを託せる方すら見つけることができませんでした。情けない限りでした。

そして、この先同じような案件があった時には、きちんと自分で対応できるように隔離できる部屋を作りたいと思いました。

 

そのためにもこのプロジェクトを成功させ、実現させたい事の一つとして叶えたいと思っています。

 

まだまだ外には助けを必要としている子がたくさんいます。

もちろん私一人で全ての猫を救うことはできませんが、できることをできる人がやり、皆で連携して一匹ずつ救っていくことを目標に頑張ってまいりたいと存じます。

 

どうか応援よろしくお願い致します。