(付録1)コンゴ民主共和国のファッション文化について

本日は、コンゴ民主共和国について一つ面白い文化をご紹介したいと思います。

 

近年よく耳にするSAPEUR(サプール)。サプールとはサップ(SAPE:la Societe des Ambianceurs et des Personnes Elegantes "お洒落で優雅な紳士会")というコンゴ民主共和国やコンゴ共和国にあるファッションの一種を楽しむ紳士集団の事をいいます。

国民の平均月給が約2万5000円の中で、海外の高級ブランド服を身にまとい、”世界一お洒落な男たち”と呼ばれる紳士たち。

ただお洒落なだけではなく、美しい立ち居振る舞いなどの所作までも粋な彼ら。歩けば称賛の声が飛び交い、それを聞いた彼ら自身がより意識を高く、人々のお手本となるような振る舞いを行う。そうして武器ではなく、ファッションをとる。人を敬い、人から尊敬される存在でなくてはならないという、サプールが考える紳士の在り方に基づいています。

そして、サプールであることは平和でなければ叶わないと考えられ、そうした平和への願いがこもったファッション文化の一つのようです。

戦争を体験し、そこからは何も生まれないということを感じた人々が、少しでもエレガントに生きること、その生き方が若い世代へも伝わり、ファッションが平和へのきっかけを与えてくれることを示してくれているように感じます。

 

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続いて、エシカルファッションデザイナーとして活躍しているMeni Mbughaについても少しご紹介させていただきます。

ムブガさんは、コンゴ民主共和国の少数民族であるピグミー族の伝統的デザインにインスピレーションを受けた洋服を作っています。

彼は学校で美術を3年間学んだ後、コンゴ北東部の森で暮らすピグミー族の家族に出会い、デザインのヒントを得ました。また、ピグミー族の地位が向上した反面、彼らが未だに社会的に差別を受けることから、ファッションデザインを通し、ピグミー族を支援するプロジェクトを立ち上げました。

現在、キンシャサの芸術工科大学で講師を務める傍ら、エコでエシカルなファッションレーベルVIVUYAを通して少数民族の支援を進めています。

また、レーベルの中から、NDURAというソーシャルプロジェクトを立ち上げ、次のファッションウィークに向けてEpuluに暮らすバンブティー族によって作られたエコファブリックの生産を進めています。

 

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このように、ファッションという分野ではそれを媒体として自らの考え方や姿勢を示し、社会的に良いムードを生み出してくれるサプールの紳士たち、またデザイナーとして関わるファッションを通して、マイノリティへの支援を行うムブガさんのように、従来の文化、産業を通してより良い環境を築こうとしている方々がコンゴ民主共和国にはいます。

 

その他にも、コンゴ民主共和国では音楽/ダンスも盛んです。このような楽しい文化的側面も少しずつシェアできればと思います。