実行委員　こもぶちさんから

実行委員のこもぶちさん（舞台監督、江坂ホール音楽プロデューサー）より、

このコンサートに対する思いを綴ってもらいました

＜なぜこのイベントにコミットするのか＞
　レーナマリアさんの澄んだ歌声の素晴らしさ。両手がなく、足の片方が半分
しかないハンディをものともせずに、力強く生きてきた彼女の姿に魅かれてい
ます。
　そのほかに、障がい者と共に音楽を楽しむ祭典をしたいから。だけど、日本
の多くの有名なホールでも、車いすスペースが数台。今会場の大阪府堺市のビ
ッグ・アイ（国際障害者交流センター）は違います。収容人数1500名。その3
席をつぶして1台の車いすスペースが作れます。それも、ホール全部で。なん
と500台の車いすスペースが可能です。そこに、たった100台の車いすスペース
を作りたいのです（普通席：1200名）。それも、一番良い席で、楽しんでいた
だきたい。ホールの隅で見さされるではなく、中央の良いところで堂々と。そ
んなことがしたいのです。
＜なぜ、入場無料なのか＞
私は、今回の入場無料が最初に提案されたときに、それに飛びつきました。
理由は、過去の思い出があるから。
これからの文章は、注意して書かないといけないし、人を傷つけるつもりは
ないので慎重に記します。かつて、大学の後輩のミュージシャンが、音楽療法
士をしていました。知的障がいの方たちを教えていて、そのバンドを作ってい
たのです。彼のコンサートをプロデュースした際に、その方々のバンドを呼び
たいと依頼を受けました。彼の強い願いで、障がい者のバンドも出演してもら
いコンサートをやりました。
コンサートの途中、ホールの横の廊下で、ひとりの女子が倒れて、口から泡
を吹いて、手足をバタバタされていました。私は、びっくりして傍でケアをし
ている方に、大丈夫ですか、と尋ねました。その方がタオルを持ちながら、「
大丈夫です。この子は、喜んで興奮しているだけです」。その言葉で安心しま
した。そして、こんなにも音楽を聴く喜びを身体で表現してくれる人が居るの
だと、嬉しくなったのです。　
だけど、有料のコンサートだったので、公演後、親しい方から忠告がありま
した。会場が動物園みたいだったね、と。初めて聴くコンサート。身体をゆす
って楽しんだり、静かに聴くことを、習得していないひとたちが居ることを知
らなかったのです。
今回のコンサート。多くの障がい者が来てくれることを深く願っています。
どうしても、前の経験から、入場無料にしたかったのです。だけど、資金はど
うしても要ります。クラウドファンディングで実現させてほしいです。
かつてのコンサート。なぜ、あの時期か後で分かった。出演者の障がい者の
お1人が、その後演奏できない身体の状態になりました。その子にとって、最
後のチャンスでした。
＜なぜ、この時にするのか＞　
今回のコンサートは、パラリンピックの時期。だけど、それだけでは無いよ

うに思います。後で、答えがすぐに分かるでしょう。私たちの知らない大きな
理由が。あの時にしておいて良かった、最善だったのだ、と。力強いご支援、
ご協力を、ぜひお願いします。