診療報告〜注射嫌いな馬の治療

先週から下痢が続きほとんど食べないという約500キロの馬ビスケットくん。リモートでの相談をずっと受けてましたが、改善しないためソニックで大分まで行きました。心配なのは注射を極端に嫌がるとのこと。下痢治療には点滴や注射は必須です。行ってはみたもののどこまで出来るか、しかもその後は夜間救急動物病院の勤務なので時間制限もある中で不安だらけです。駅から車で迎えに来てもらい着いた先は…何て素敵なところ！眺めの良い高台の広い馬場で馬たちがゆったりしています。どの馬も肉付きが良く穏やかな顔をしてとても人なつこく優しい！どれほど愛情を注がれて飼われているか伝わります。さて、ビスケットくんですが思ったより痩せてもいなくて歩様もしっかりしています。案外大人しく普通に聴診などの診察は出来ました。さてここから。点滴と注射をするためにはまず鎮静剤を打ちますが、針を刺したとたん、跳ね上がり血管を外してしまいました。鎮静剤は立ったまま大人しくなるのでとても安全ですが筋肉注射では効きが悪く興奮すると全く効きません。今日はもう無理かもしれないと半分諦めましたが最終手段！鼻にロープをかけてねじる「鼻ねじ」をしてやっと血管に鎮静剤が入りました！すっかり大人しくなって採血も点滴も一通り出来ておしまい！治療が終わると少しふらついた足でトコトコと歩いて仲間の餌を食べ始めました！牧草は食べたのは久しぶりとのこと、良かった！大分県では馬を診る獣医師がいません。こんなに優しくて素晴らしい生き物の命を守ってくれる方が来てくれることを願い、私が出来ることはやっていこうと思っています。

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ムーンリバーホース

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