競馬が抱える問題

 

競馬が抱える問題について

 

近年、ますます競馬の人気は上昇しています。サラブレットセールでの購買価格・購買頭数も右肩上がりに増加傾向にあり、競馬人気の力強さを感じます。

 

しかしながら、その裏側で抱える3つの課題。

 

① セリで売れ残った馬の処遇

② 馬産業を支える若手人材の不足

③ 引退した競走馬たちの処遇

 

まず①セリでの売れ残り馬たちの処遇とは「より強い馬・価値ある馬・売れる馬」を生産し、サラブレットセールなどで高く売却される訳ですが、思ったように売れなかった馬は、次のセリ、次のセリでの機会で売却を狙います。1歳馬の最後のセリである「オータムセール」は毎年10月に新ひだかで行われます。当然のことながら、上場されるすべてが売却されるわけではなく、

 

 

このように４頭に１頭は「主取」となり、基本的には「生産者（上場者）」の持ち帰りとなってしまいます。

 

 

その持ち帰られた馬には3つの選択肢が残されます。1つ目は「さらに価格を下げてセリが終了してからも直接的に馬主さんを探し、牧場と馬主さんとでやり取りが行われる「庭先取引」で売買成立。

 

そして2つ目は、「ここからさらにお金をかけ、外部の育成牧場などに預託し、トレーニングセール（騎乗し調教風景を見せてのセリ参加）を目指す。

 

さらに3つ目は「自分自身が馬主となりレースを目指す」などがありますが、それは高額な馬には当てはまりますが、比較的低価格で主取りとなっている馬たちの行方は、そのまま「処分」を強いられてしまう現実も少なかれ存在します。

 

命や生命という考え方を除き、あくまで農産物として考えると、セリで出荷ができない（農産物）は、処分し次の農産物を作るために畑をあける…というのは、ビジネスとしては当然のことと言えます。しかし、サラブレットは「この世に誕生した『命』」もしも、そこに私たちが救えるのなら、1頭でも多く次につなげてあげたい。

 

決して「可哀想」「生き物だから」という観点だけで「救う」という意味ではなく、今、馬業界が抱える問題である①セリでの売れ残り馬たちの処遇を活用し、②馬産業を支える若手人材の不足に活かす。逆を返せば、②若手の人材不足に少しでも貢献できるよう若手人材を育成するため、①セリでの売れ残り馬たちを１頭でも多く受け入れたい。

 

その結果、①セリでの売れ残り馬たちが②若手人材たちにより、競走馬としてデビューし、獲得した賞金の4割を③引退した競走馬たちの支援につなげていきたい。
私たちはそう考えています。
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