エンリッチメントのある生活

皆様のご支援、応援のおかげさまで、第一目標金額の７０％に到達いたしました！のぼりべつクマ牧場一同、心から感謝いたします。本当に本当にありがとうございます。

今回は、動物福祉向上のために重要な要素となる「エンリッチメント器具」について少しお話をさせて頂きたいと思います。よくエンリッチメント器具は「遊び道具」とも表現されますが、野生では存在しない人工物をなぜ与えるのでしょうか。それは、動物が進化の過程で得た潜在的な欲求に応えるためです。進化の過程で得た能力を発揮し、その行動を飼育環境下でも発現できる機会を設けることで、異常行動が減り、良好な精神状態を得られることが分かっています。

浮き球は人工的な備品ですが、中に餌を入れることで探餌行動を促すことができます。特にヒグマでは、器用な前肢の動きや、口先、吻先の動きを促すこともでき、中身が見えないことで嗅覚も刺激することができます。これらの行動をヒグマが望んだタイミングで選択できるよう、その選択肢を飼育環境下でも確保することが動物福祉向上のための第一歩となります。引き続き、ヒグマたちに豊かな生活を提供できるよう頑張りたいと思います！

（写真：個体名「ピリカ」２０２１年１１月１１日）