特別メッセージ　西宮ブルーインズOB　寺川拓様

 

ブルーインズOBの寺川拓です。
グラウンドファンディング目標達成おめでとうございます！西宮とフットボールと私のお話にお付き合いください。

 

土埃が舞う土手のような観客席の西宮球技場、冬でも緑の芝生が眩い甲子園球場。物心ついた頃から父に連れられアメリカンフットボールを観戦した記憶がある。
中学から西宮でフットボールを始め、学生時代は西宮球技場、西宮スタジアム、甲子園球場と西宮で試合を重ねた。

 

そんな私が社会人になり就職したのが西宮球技場、西宮スタジアムを保有していた阪急グループの阪急百貨店。そのまま1997年に阪急ブルーインズに入部した。当時のブルーインズのメンバーの多くは、阪急百貨店の社員で平日仕事が終わって江坂のグラウンドに集まって練習した。西宮球技場でも、定休日には西宮スタジアムでも練習をさせてもらった。入部当時は社会人2部リーグの上位を狙う牧歌的な雰囲気が残るチームだったが、仲間の結婚式の二次会ではみんな燃えた。先輩達から率先して服を脱いで仲間を祝い、二次会が開催される度にチームの絆は深まった。

 

2001年のシーズン、チームのキャプテンを務めることとなった。このころは仕事が忙しく練習と試合以外の時間はずっと店にいて、グラウンドで仲間と会えるのが唯一のやすらぎだった。Xリーグ昇格を目指したが2部リーグで優勝をしたものの、入替戦で逆転負けを喫し、Xリーグは届かなかった。

 

2002年のシーズンもキャプテンを務めることとなった私に転機が訪れる。チームメイトで弁護士の畑知成先輩に唆され（笑）、司法試験を受けて弁護士を目指すことにし、3月で会社を辞めた。しかし、チームのキャプテンである。悔いの残らないようにやり切って、来年から本格的に勉強しようと覚悟を決めた。
そこで降って湧いてきたのがXリーグ昇格の話。Xリーグのチームのスポンサーが破綻し降格となったため、昨年度2部リーグ1位のブルーインズは希望すればXリーグ自動昇格となるという。中途半端な取組みでXリーグを戦うわけにいかないので、全員で集まって仲間１人１人の覚悟を確認し、Xリーグ昇格を決めた。
やはり甘くない散々なシーズンで負け続けたが、最終戦に何とか勝利した。写真はブルーインズにとって記念すべきXリーグ初勝利のときのもの。その場所が西宮スタジアムであり、私はそこでヘルメットを置いた。

 

時を経て、西宮球技場も西宮スタジアムもなくなり、阪急ブルーインズは、NPO法人西宮フットボールクラブの傘下の西宮ブルーインズとして活動している。NPO法人の傘下にはジュニアのフットボールやチアもあり、西宮における子どもや大人たちのスポーツの拠点として貴重な存在となっている。

 

その西宮ブルーインズが再度Xリーグ昇格を目指している。そして、様々な人の支えがあってXリーグ昇格資金のためのグラウンドファンディングの目標額を達成した。真の目標はXリーグに昇格であり、様々な活動を通じてフットボールの聖地ともいえる西宮の街をさらに魅力的することで、様々の人の想いに応えてほしい。

 

NPO法人西宮フットボールクラブ
　　理事　　　寺川　　拓