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こどもたちが自由にお話を作る「ぶんぶんの時間」を開催したい
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支援総額

249,000

目標金額 1,200,000円

支援者
20人
募集終了日
2015年9月18日

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2015年08月31日 16:05

♥こどもたちのおはなし08♥ この女の子を幸せにするおはなし続

©Baharen Bisheh

 

(前の新着情報から、続く)

 

 

案の定、女性はきょとんと、こちらを見つめている。
が、すぐに、笑みをうかべた。


「そう。

 私は、この犬のお母さん。

 あなた、この子と遊んでくれたんだね。

 ありがとう」


そういう横顔は、さみしげな影を持っていた。


「わたしはね、いないの」
「え?」
「お母さん、いないの」

 

なぜ、そんな言葉が口をついたのかは、わからなかったが、

一度出てしまったものは、もう止まらなかった。


「ここで、ごはん作ってたの。

 とうもろこしのスープ。

 お母さんと作ってたの。

 そしたら、

 そしたら、

 ばくだんがふってきて」
少女は、一息に言った。


「燃えちゃった」

 

女性は、子犬をなでたまま、辺りを見まわした。


かべが黒こげになり、三方はすでに、形がなかった。
床だったところに、何か描いてあるのが見えた。
少女のお母さんだ、と気づき、体が動かなくなる。


子犬は、どうしたの?

と言うように、

こちらを見上げた。

 

「私もね、燃えちゃったの」


気づいた時には、そう言っていた。


「家が?」
少女が、まん丸な目で、見返してくる。


「家も、赤ちゃんも」


「赤ちゃん?」


少女の目が、悲しげにゆれる。


「おなかの中にいたんだけどね、

 走っているうちに、燃えちゃったの」


少女に話しながら、自分にも話す。

 

そう、あの子は燃えてしまったんだ。

まだ、顔も見ていない、あの子は。


「あのさ」
少女が、とうとつに口をひらいた。


不自然なくらいに、明るく、
「わたしが子供になってもいいよ。お母さんの、子供に」。


その声は、明るさとうらはらにふるえていて、

その体は、あまりにも小さくて、

女性は何も考えずに、少女をだきしめていた。


やわらかい手が、服をにぎり返してくる。


「子犬のきょうだいも、楽しいね、きっと」
胸の中で、少女がそうおどける。


「楽しいよ、絶対」
負けずに、明るく言い返す。

 


そうだそうだ、

と言うかのように、

子犬が、

二人の周りを

くるくるとまわった。

 

 

リターン

3,000


●サンクスカード 
*[ぶんぶんの時間]のポストカードに、作家のおおたにみねこさんが御礼の言葉を書いて、お届けします。

申込数
13
在庫数
17

10,000


【NEWアイテム!9月9日追加!】

●サンクスカード 

●ぶんぶんセレクション5つのおはなし
5つのおはなしを収録した絵本

●こどもの書いたおはなしポストカード
*ワークショップ1回目と4回目終了後に、届きます。(合計2回) 

申込数
6
在庫数
34

3,000


●サンクスカード 
*[ぶんぶんの時間]のポストカードに、作家のおおたにみねこさんが御礼の言葉を書いて、お届けします。

申込数
13
在庫数
17

10,000


【NEWアイテム!9月9日追加!】

●サンクスカード 

●ぶんぶんセレクション5つのおはなし
5つのおはなしを収録した絵本

●こどもの書いたおはなしポストカード
*ワークショップ1回目と4回目終了後に、届きます。(合計2回) 

申込数
6
在庫数
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