ひとりぼっちにさせない：ドネツク州の人々に医療サービスを届ける　

当プロジェクトの支援金が200万円を超えました。皆様の温かいご寄付によりここまで達成することができました。改めて感謝申し上げます。

目標達成まで残り約47万円となりました。引き続き拡散のご協力をいただけますと幸いです。

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ウクライナでの戦争は、日々人々の命を奪っています。そして人々が命を落とすのは砲撃によってだけではありません。病院を含む民間インフラがしばしば攻撃され、その結果医療サービスを受けられず、適切な治療がなされなく命を落としてしまう人も多いのです。

オフマディット小児病院へのミサイル攻撃

2024年7月8日、首都キーウでは、ウクライナ最大のオフマディット小児病院を1発のミサイルが直撃しました。この医療機関は、がんの治療を含む重篤な小児疾患の治療を専門としています。
この攻撃により、治療中の子どもたちや医師たちが犠牲となりました。また、病院の建物は甚大な被害を受けたことにより、一時的に診察や治療ができなくなりました。CAREウクライナは、この民間小児病院への攻撃をあってはならないことだと強調します。

「子どもたちの死傷は取り返しのつかない悲劇です。民間人やインフラは標的ではありません」

と、CAREウクライナのフランツィスカ・ヨルス副所長は強く主張しました。

ドネツク地域：高齢者と緩和ケア患者のための医療チーム

2024年5月、CAREウクライナは、パートナーであるヘルス ソリューションズ オーガニゼーションとともに、「ウクライナ東部における医療へのアクセスの確保」プロジェクトを開始しました。
ルクセンブルグ エイド アンド ディベロップメントとEKFSの支援のもと、ドネツク州クラマトルスクのプライマリ・ヘルスケア・センターに、完全装備の救急車2台が提供されました。
これにより、同センターは移動診療チームを編成し、住民に医療サービスの提供が可能となりました。

移動診療チームは、緩和ケア患者、移動が困難な人々、高齢者に医療サービスを提供しています。そして、医師たちは移動が困難な患者の親族を対象に、日常的なケアを適切に行うためのトレーニングを始めました。

以前は、移動が困難な患者や緩和ケア患者への訪問は制限されていました。利用できる車が本当に少なかったのです。そのため、すべての患者、特に、緩和ケア患者、移動が困難な人、急病人のニーズに応えることが不可能でした

と、ヴィクトリヤ・ヴィンニク医師は語ります。

各チームは、急病人の訪問も含め、毎日12～15件の訪問診療を行っています。医師たちは基本的な診察を行い、診断し、電子処方箋を発行します。4月以来、移動診療チームはすでに1,100人以上の患者を診察しています。

支援が届きにくい地域のための移動診療所

6月、クラマトルスクの医師たちは、CAREから移動診療所の追加支援を受けました。これは、診察、検査、さらには蘇生に必要なものすべての機材を備えた本格的な診療所です。四輪駆動トラックに搭載され、発電機が装備されています。そのため、この移動診療所は市内で最も不便な地域にもアクセスすることが可能で、自立的に運営することができるようになりました。

移動診療所では、かかりつけの医師が診察し、必要があれば専門医も診察します。医師たちはプライマリ・ヘルスケア・センターの管理者が作成したスケジュールに従って患者を診察しています。

このプロジェクトは、国際機関との素晴らしい協力関係の上に実現しています。私たちは、移動が困難であったり、自力で診療所に行くことができない住民に医療を身近なものとして届けるための重要な一歩を踏み出しました

と、クラマトルスク第1プライマリ・ヘルスケア・センターのオレクサンドル・ブラセンコ最高経営責任者（CEO）は話します。

さらに、患者の医療へのアクセスが向上するだけでなく、移動診療チームと外来診療所の活動によって、専門医の不足を補うことが可能になっています。

（CARE UKRAINE Newsletter 8月号より）